葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 Round38!!
「ふぅ…なんだかんだでけっこう飲んだなぁ…。つか、みんな寝ちゃってるし。誰が後かたづけ
すると思ってんだよ…そもそも明日のこみパ、大丈夫なのか…?」
「ぶ〜ぶ〜っ!あたしは寝てないわよ〜っ!」
「おっと、美穂ちゃんは起きてたのか…おいおい、無理して飲むなよ?目がすわってるじゃんか。」
「起きてたんじゃないわよ、寝てないって言ってんのよおっ!ほら、千堂くんも飲むっ!」
「わ、わかったからセーター引っ張んなよ!いただきます…って、バーボンが麦茶みてえだ…」
「ごく、ごく、ごく…くっふぅ〜☆もうだめ、もう絶対だめえ…とか言って、千堂くんおかわり〜♪
あははははっ!フェイントフェイント!信じた?ねえ、信じた!?」
「麦茶みたいなバーボン一息に飲んどいて、よくこれだけはしゃげるよなぁ…」
「ひっく…ねえ、千堂くん…世の中って不公平だと思わない?」
「今度は一気に落ち込んだな…って、どーゆー風に不公平だってんだよ。」
「この四人のなかでもさ、なんであたしだけ体型に恵まれないだろうって…」
「なんだ、そんなことで悩んでんのか?」
「そんなことって…あたしにとっては真剣な悩みなんだよっ!玲子は背が高いからコス映えするし…
まゆは普段おさげにしてるけど、髪は長くってきれいだし…夕香は一番出るとこ出ててさ、あたしから
見てもスタイルいいなって思うもん…。なのにあたしはチビだし、髪も短いし、幼児体型だし…」
「…悪酔いした勢いで愚痴ってみながらも、そんなことないよ…って言ってほしいと思ってる。違う?」
「…はぁ、あたしバカみたい。遠回しのアプローチだったんだけど、まるまる見透かされちゃって。
まともな恋愛もしたことないのに、抜け駆けしようなんて思うからだよね…。キューピッドに怒られ
ちゃったかな?」
「あれ?当てずっぽうで言ったんだけど、美穂ちゃんやっぱり悪酔いしてんだ。だったらちょっと酔い
覚ましが必要だな。ほら、ちょっと立って。」
「あっ…きゅ、急になによ…って、えっ!?やだ、怖いっ…あ…」
「…お姫様だっこされたの、もしかしてはじめて?」
「あ、当たり前でしょ…彼氏イナイ歴、年齢と同じなんだもん…ほっといてよ…」
「だったらせっかくだし、少しだけくつろいでけよ。ちょっと動くからしっかりつかまってなよ?」
「ど、どこにつれてくのよ…やん、ちゃんと持っててよ?ううう…な、なんかドキドキするぅ…
お姫様だっこって、こんな感じなんだぁ…ひゃっ、寒っ…」
「うわ、ベランダは思ったより寒いなぁ…少ししたら戻ろうぜ?」
「吐く息が真っ白だし…わ、千堂くん見て…すごい星空…」
「カーテン閉めたらもっとはっきり見えるぞ…ほら、あそこにあるのがオリオン座、なんつってな。」
「わあ…なんか夢みたい…。星空の下でだっこされて…こ、これってなんか、ムード一杯ってヤツ…?」
「…美穂ちゃんは自分のことチビだなんて言ってるけど…オレはちっちゃい娘のほうがかわいく思える
けどな。ちっちゃいとだっこしてても疲れないし…それに…」
「え…あっ…」
ちゅっ…
「…うそ…あ、あたし…千堂くんと、キス…」
「…だっこしながらでも、キスできるしな。ごめんね、突然こんなことしちゃって。」
「な、なんか口調が反省してなぁい!ごめんね、って言えば全部許されると思ってるでしょ!」
「許して…もらえない?」
「ううん…その、もう一回してくれたら…許したげる。」
「それはそれは…寛大なことで。」
「あらあら、千堂さん…すっかり甘い声出しちゃって。」
「ぶーぶー!聞き耳なんて立ててるんじゃなかった〜!さっさと邪魔すればよかった〜!!」
「あ〜あ、ボクも千堂クンは狙ってたんだけどなぁ…。いいなぁ、お姫様だっこ…」