葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 round36!!
「ただいまー」
「あ、ハクオロさん、おかえりなさいっ」
今日も一日仕事を終えて、エルルゥの待つ家に帰る。
仕事で疲れて帰ったときの、エルルゥの笑顔の出迎えは、心も体も癒される。
「あー、はらへったー」
「ふふっ……夕ご飯、もう少しでできますから、ちょっとだけ待っててくださいね」
「えー、まだできてないのー」
「もうすぐできますから、おとなしく待っててくださいっ。………あれ?」
まるで子供をなだめるように俺をなだめるエルルゥが、驚きの色を顔に宿す。
「ハクオロさん、ケガしてるじゃないですかっ!」
「あー、ちょっとね。ほんのかすり傷。気にしなくていいよ」
俺のこめかみの傷を見て、痛ましそうな顔をしてくれるエルルゥ。
落ちてきた材木が当たっての、ただそれだけの怪我だ。本気でなんともありはしない。
「早く手当てしないと……」
「大丈夫だってこんなの。ツバでもつけときゃ治るから」
本当になんともないのに。
なおも心配顔が治らないエルルゥに、ちょっと面倒くさそうに俺が言うと。
「わかりました。ちょっと座ってくださいっ」
「お、おいおいっ……」
急に顔つきが変わったエルルゥに、俺は無理矢理座らされる。と、その時。
ぺろっ、ぺろぺろ……
傷を負ったこめかみに、柔らかく、そして暖かい感触が伝わってくる。
「ツバつけておけばいいんですよね。それなら、わたしが消毒しますから」
エルルゥの優しい舌遣いが、俺の傷を癒してくれる。
そっと頭に手を添えて、優しく舐めてくれる彼女を見てると、なんだか……
「なんか子犬に舐められてるみたいだな……」
「余計なお世話ですっ。それよりも……ほらっ、動かないでくださいっ」