「寒いよ冬弥くん…」
フェンスにもたれかかり自分を抱きしめる。
「冬弥くん…」
抱きしめた手をゆっくりと下へと伸ばしてゆく。
ためらいも無くスカートの中に、そして下着の中へ指先が滑り込んだ。
普段なら人目を恐れるあまりしない行為。もうどうなっても良い、ただ目先の温もりに恥も無く溺れたい…。
「んっ!」
冷え切った体でも熱い部分。誰にも触れさせた事の無い秘所が私の冷たい指を飲み込む。
背筋を駆け上がる快感。漏れる吐息は白く、冬の夜空へと昇る。
はしたなく滴る愛液は、太ももを流れる間に外気で冷たくなってゆく。
その不快感でさえ私の頭は刺激として認識する。
「壊れ…てしまえ…私なんて…」
このまま意識が焼き切れてしまえばいい。
快感をむさぼりたくて何時の間にか両手で自分自身を愛撫している。
左手で蕾をきつく摘み、右手の指が激しく胎内へと指を差し込む。
股間から響く水っぽい音と艶を帯びた吐息だけが、私1人が立つこの冷たいステージの歌だった。
焼け付く喉。虚ろな体を満たしたくて、後ろの穴にまで指を入り込ませ快感にあえぐ私。
自我なんていらない…もっとも大切なモノを失った私を何が満たすというの?
「あああっ!冬…弥く…ん…冬弥くん…!」
失ったモノの名を叫びながら、その名の持つ快感に私の意識が白くなる。
このまま自分が壊れてしまう事を願いながら…そしてその願いさえ叶わぬ事を知りながら。
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