葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 round27!!

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103那奈死産堕夜悶
突発的茜SS その3

「・・・ああ。そういえばそうだったな」
とぼけるようにいう。
本当はあの頃交わした何気ない会話も、茜の表情も、すべて憶えていた。
大切な、本当に大切な思い出だから。
気恥ずかしさを振り払うように、俺は勢いよく立ち上がる。
「ほらっ、とっとと病院に行くぞっ」
と茜に促す。
「・・・やっぱり浩平は強引です」
少し、笑いながら茜はつぶやいた。
「ほら、負ぶされ・・・なんだ、パジャマでいいじゃないか。気にするな」
「・・・浩平以外に見られたくないんです」
伏せ目気味にそう言われては返す言葉も無い。
「わかった・・・」
とだけ言い、着替えるのを手伝ってやる。
「よし、負ぶされ」
「・・・やっぱり自分で歩きます」
「いいから負ぶされ」
「・・・やっぱり浩平は強引です」
もうこの際だ。どうだっていい。まずは茜を病院へ連れて行こう。
そう決めて、俺は茜を背負いながらつぶやいた。
「なんか、帰りに栄養のあるもの買わないとな・・・」
「ワッフル・・・」
その言葉をわざと無視をして、言葉を続ける。