葉鍵板最萌トーナメント!!1回戦 round27!!

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102那奈死産堕夜悶
突発的茜SS その2

「病院・・・行けるか?」
「・・・寝ていれば、大丈夫だと思います・・・」
「・・・という事は、病院まで歩けないまでに弱っている、という事だな」
図星だったようで、茜が目を見開く。
このような表情は年を通して一度、見れるかどうかという表情だ。
「・・・浩平」
「俺が負ぶっていくから、な?いこうぜ、病院」
「でも・・・」
俺に遠慮しているのか、それともこの年で負んぶされるのが恥ずかしいのか、
茜は躊躇しているようだった。
「無理にでも連れて行くぞ」
「・・・」
暫しの沈黙。
それを先に破ったのは茜だった。
「・・・浩平はいつも強引です」
苦笑し、俺はそっぽをむいて言い捨てるようにして言葉を返す。
「茜の事だからな。そりゃ強引にもなるさ」
「ふふ、そういえば、最初も強引でしたね」
昔を懐かしむように、茜が目を閉じる。
ついでにいうなら、俺もだ。
恐らく、二人とも同じ風景を思い浮かべているはずだ。

冬の芝生。吹き付ける冷風。
微妙な距離が空いた場所へ腰を下ろし、震えながら弁当を食べる俺と茜・・・。