葉鍵板 最萌トーナメント!!一回戦 round17!!

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「七瀬ってさあ、3サイズいくつくらいなんだ?」
「んなっ!?」
 オレは下校途中に七瀬へそんな質問をぶつけてみる。どうせ付き合い始めた事だし、それくらい聞いてもバチは当たらないだろう。
「…な、何よ、いきなり」
「いや、やっぱ彼氏たるもの、そういうのって気になるものじゃないか。で、どうなんだ?」
「どうって言われても…」
「ちなみに無双山の3サイズはだな…」
「そんなもん知ってどうするっ!!」
 七瀬がいつものように怒りを迸らせながらオレに噛み付いて来る。
 全く付き合い始めてもこう言うところは何も変わらないな…。まあそれが七瀬の七瀬たる由縁だろうが。
「なあ、教えてくれよ。別に減るもんでもないだろう」
「で…でも…」
「オレの一生のお願いっ! 絶対誰にも教えないからさ。頼むっ!!」
「ハア…。全くしょうがないわね…」
 そう溜息をつきながら、ようやくオレの熱の篭った説得に折れる七瀬。
 うむ、何でも言って見るもんだな。
 わずかに頬を赤らめている姿がなかなか新鮮で楽しい。
140名無しさんだよもん:01/11/01 13:56 ID:YbkbgXp+
大学から帰ってみたらもうpart17!きのう12時前に寝ちゃったんだけど
たしか14くらいじゃなかったけ?こんなにもりあがってるんだ
しかもすげー微妙な闘いだなこりゃ。
楓ちゃん楽勝とかいってたやつどうしくれんだよ(w
まあもれONEしたことないけど(ごめんね〜)楓ちゃんはかなり萌えるしな
楓シナリオやるまではあまりすきじゃなかったんだけど、やっぱストーリー
とかいいし、楓ちゃんに一票だね。
七瀬もCGかわいいの多いし、百番勝負面白いよ、おねやってたらわからん
かったかもな。

「ほら折原。ちょっと耳を貸しなさいよ」
「え、何で? 大声でぶちまげてもらってもオレは別に困らないぞ」
「あたしが困るのよっ!!」
「わかった、わかった。そう耳元で怒鳴るなって」
「もう…」
 そうプリプリしながら、驚くほど小さな声でオレに自らの3サイズを告発する七瀬。
 ふ〜む、そうかそうか。
 思ってたよりは結構あるんだな。
 でも…。
「長森と比べるとイマイチだな」
「え!?」
「…あ、しまった」
「………………………」
 うっかり滑らしてしまったオレの言葉を受けて、七瀬が今までに見た事のないくらい神妙な表情を見せる。
 これは非常にイヤな予感がする。
 何せこいつの負けず嫌いっぷりは、以前の人気投票で証明済みだからなあ…。
 オレはすかさず話題を逸らそうとする。
「まあそれはそれとしてだ。昨夜やってたTVは観たか? オレ、爆笑しちまってさ」
「…で、瑞佳の3サイズは?」
「特に司会者がとちりまくって、ゲストにマジで殴られてたところなんて最高! オレ、腹を抱えて笑っちまったよ」
「…で、瑞佳の3サイズは?」
「………………」
 場の空気が徐々に緊迫していくのがわかる。すぐ近くには雑談を交わしながら楽しげに下校していく同級生達。
 なのに何故、オレ達の周囲に張り巡らせた空気だけがこのようは一触即発の危機に瀕しているのか?
 オレは突然もたらされたこの危機的状況に一筋の汗をつたらせる。
「…で、瑞佳の3サイズは?」
「はあ…。わかったよ、教えてやるからそうせっつくな」
 そして今度はオレの方が七瀬の気迫に押されて折れてしまう。全くなんちゅー日だ…。
「あは。悪いわね折原」
「ったく、よく言うよ」
 その返事を受けて、満面の笑みを浮かべて来る七瀬。こいつもこうやっていつも笑っていれば、まあ可愛いと言えるのだろうが…。
 そうそう上手くいかないのが世の中の常と言うヤツだろうか?
「長森の3サイズはだな…」
「ふんふん」
 そしてオレは住井達にも教えていない、とっておきの情報である長森の3サイズを七瀬に伝える。七瀬も最初は緊張した趣で聞いていたが、聞き終わってから一言。
「…良かった。そこまで差はないじゃないの。びっくりさせないでよね」
 と、安堵の表情を浮かべながら、ゆっくりと肩を撫で下ろして来る。
 ふう。
 良かった。
 これで危機的状況は回避されたって事だ。一体どんなピンチが待ち受けていたのか今となっては要として知れないが、とにかく平和が一番。
 オレは心持ち軽くなった空気の中、七瀬に話し掛ける。
「だろ? だからお前、長森の事を意識し過ぎなんだってば。いくらオレと付き合う事になったからって変なライバル意識を持つ必要はないんだぞ」
「まあ、それはそうなんだけどね…」
 オレの言葉を受けて七瀬がしんみりしながらそう答えて来る。全く怒ったり、笑ったり、大人しくなったり、喜怒哀楽が激しいヤツだ。
 まあこれはこれで面白いと言えなくもないが…。
「でさ、折原」
「ん? 何だ、七瀬?」
 再びいつも通りの空気に戻った後、七瀬がオレに話し掛けて来る。
 だが、警戒する必要は既にない。何故なら危機は既に通り過ぎたからだ。オレはこの平和な日常に再び巡り合わせてくれた神に感謝する。
「ちょっとだけ、気になる事があるんだけど」
「何だ、何でも言って見ろよ。何しろオレはお前の彼氏なんだからな。遠慮する事なんてないんだぞ」
「んじゃ、聞かせてもらうけどさ」
「うんうん」
「どうして瑞佳の3サイズをあんたが知ってるわけ?」
「………………………………………………」
「ねえ。何で?」
「………え、えーーーーーと……………。それはだなあ………………」
「それは?」
「…………………………………」
「…………………………………」
「ぐあ…」
 その瞬間、再び押し寄せた波にさらわれるように、凍て付くブリザードがオレ達の周囲を凍り付かせる。
 やるな、神よ。
 まさかこんな展開になるとは思いもよらなかったぜ。
「ねえ。き、か、せ、て、も、ら、え、な、い、か、な? 彼氏のお、り、は、ら、く、ん?」 
「あ…あはは…」
 そうして極限まで頬を硬直させた笑顔でオレに囁きかけて来る七瀬。
 暮れ掛けた夕日の光にも似た炎のようなオーラが七瀬の身体から立ち昇り、周囲の風景をオレンジ色に染め上げていた…。