葉鍵板 最萌トーナメント!!一回戦 round17!!
七瀬「折原ぁ、なんか負けてるっぽいんだけど」
浩平「うーん、しかし票差がはっきりしないからなあ。こういう時は住井に聞いてみるか」
護 「呼ばれてきたぞ。しかし名前表記は違和感があるな」
浩平「すまんな。そこに名字が入るのは漢・七瀬の特権なんだ」
七瀬「ひん…あたしは『留美』って読んでもらいたいのにぃ…」
浩平「まあいい。ところで現在の得票状況はどうなっているか判るか?」
護 「ああ。詳しい事はまだ不明だが、20票ほどの差をつけて楓ちゃんがリードしてるな」
七瀬「うそっ!!」
浩平「…まだ勝負はこれからだ。気を落とすな、七瀬」
七瀬「折原ぁ…」
護 「ところで折原はもう投票したのか?」
浩平「ああ、昨夜のうちにな」
護 「んで、一応聞いとくが、どっちに入れたんだ?」
浩平「決まってるじゃないか。もちろん楓ちゃんだ(きっぱり」
七瀬「お前は一体どっちの味方なんだぁっ!!」
どういうツッコミがくるのか。
そう思った時には、七瀬の右足が、地面から跳ね上がって、真っ直ぐに伸びてきた。
前蹴りであった。
浩平は、両拳で頭部を挟むようにガードしていた。
その両肘の下に、七瀬の蹴りが入ってきたのである。
腹だ。
強烈なパワーが、そこにぶつかってきた。
腹に、何かの爆発が起こったようであった。
後方に飛ばされていた。
踏みこたえた。
しかし、七瀬と自分の距離は同じだった。
浩平が後方に飛ばされた分だけ、七瀬が踏み込んできたのである。
浩平は、拳を封じるべく、七瀬の両腕ごと、七瀬を抱え込んだ。
熱い、岩を抱いたような気がした。
信じられない事が起こった。
腕の中で、凄まじい力が膨れ上がって、自分の腕を弾いたのだ。
その瞬間に、真下から跳ね上がってきたものに、下を向いていた顔面を直撃された。
ぐちっ。
鼻の軟骨が、音を立てて潰れていた。
七瀬の右膝が、浩平の顔を、真下から突き上げて、正面を向かせていた。
圧倒的な、パワーの差であった。
ブルドーザーの動きを、素手で止めようとするようなものであった。
上を向いた顔面に向かって、七瀬の拳がぶつかってきた。
手で、顔面をかばおうとした。
その手をぶち抜いて、七瀬の拳が、浩平の顔面にぶつかった。
後方に倒れていた。
仰向けだ。
仰向けになった顔の上に、七瀬の右足の踵が落ちてくるのが見えた。
死!?
その瞬間、浩平は、死を予感した。
夢中で、両腕でブロックした。
そのブロックの上から踏みつけられた。
ぺきり、という軽い音とともに、両腕の骨が砕かれた。
後頭部が地面にぶつかった。
気が遠くなる。
浩平は、自分の唇から、獣のような絶叫がほとばしるのを聴いた。
大量の歯と共に、唇から、血がこぼれた。
地面の上に、血と、白い無数の歯が散らばった。
地面の上を転がった。
叫んだ。
うめいた。
誰かに抱えられた。
頬を叩かれた。
護 「だ、大丈夫かっ!!折原っ!!」
浩平「いてて、相変わらず七瀬のツッコミはきついなあ。冗談なのに」
七瀬「ふんっ、あんたの冗談は気に触るのよっ!!」
護 「って折原、お前重症だったはずじゃ…」
七瀬「こいつの生命力はゴキブリ並なんだからっ。あれくらいでどうにかなる訳ないでしょ」
浩平「あれくらい本気で怒った七瀬に比べればスキンシップみたいなものだ」
護 「だってお前、骨とか歯とか…」
浩平「大丈夫だ、慣れればあれくらい何てことはない」
護 「…そういう問題か?…しかし、お前らって凄いな」
浩平「ああ、ボケとツッコミが絶妙のチームワークだろう。お前も入ってトリオでも組むか?」
護 「…遠慮しとくぞ。俺は命が惜しいからな」
以上。普段は擬音だけで誤魔化している七瀬の絶妙のツッコミを、なるべくリアルに表現してみたり。
つーか、ほぼ丸写しです。夢枕漠先生、ごめんなさい。
>こんなの書いてる暇があったら百番勝負の続きを書け。
すまん。