葉鍵板 最萌トーナメント!!一回戦 round16!!
これが七瀬と交わす二度目のキス…。
やめよう、と言ったところを向こうから求めてきたもの。苦笑してしまうぐらいに、健気だと思った。
オレは、その健気なところをどうしても、攻めたくなった。合わさった口の中で、オレは舌を差し出してみる。
唇を擦って抜け(その時点でおもしろいほど七瀬の動揺がわかる)、中途半端に開いた歯の間を通り、その先の同じものと触れる。
オレが求めているのがわかったのだろう、怖ず怖ずと七瀬もそれを差し出す。
ちろっちろっとふたつのものが触れあう。んんっ…と七瀬の鼻息が漏れる。
七瀬の息の匂いと、そして七瀬の口の中の味…。臭覚と味覚が、七瀬のものに満たされていた。
甘くて(気分的に)、女の子らしい(これも実はよくわからない)匂いと味だった。
まあ、そう表現してやるのが、七瀬に対する思いやりだ。
しかしあの出会った頃に、怒鳴られて顔面に何度も飛ばされていた唾をこうして直に舌で味わうことになろうとは…
うーん、複雑だ…。
続き
ちゅっ…くちゅっ…
慣れてくると、互いが動かしたり吸ったりするために、音がたつ。するとそれが恥ずかしくなってか、七瀬が舌を引っ込める。
オレが深く求めると、またおずおずと出してくる。それの繰り返しだった。
なにが普通なのかは、お互いよくわからなかったし、どちらかがヘンだと言い張らない限りは、それはオレたちにとっての普通だった。
しかしこんなことを10分以上も続けてるなんて、他人が聞いたら迷わずヘンだと指摘するだろうか?
だがその行為は七瀬の女の子らしい健気な部分が実によく見えて、オレは調子にのって続けてしまった。
結局、互いが疲れてようやく口を離したのは、さらにしばらくしてからだった。
七瀬「はぁっ…」
ふたり無言で息をつく。七瀬の口の周りがべたべただった。
するとオレもか…。
手で拭ってみると、案の定、どちらのともとれない唾液が甲を濡らした。少しいやらしい…。
なるほど。気づかないうちに七瀬のおかげで、オレも気を取り直すことができたようだ。