葉鍵板 最萌トーナメント!!一回戦 round16!!

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189名無しさんだよもん
「本当にされる。だよもんさんが勢ぞろいで投票したりする。葉鍵板を活気付けるための連日連夜のお祭りだ」
「折原、これ本当に実行されるの? って訊こうと思ったんだけど、なんで先に喋ってるのよ」
「言いたいことが顔に書いてあるんだよ、お前は特に」
「ああ、こんなの知らなかったら良かった。絶対自然にしてれんないよ」
「いやそんなことはない、自然にタウンページとか引き裂いてみろ、みんな七瀬に怖れて票を入れるぞ」
「馬鹿ね、そんなことしたら乙女じゃないじゃない。ああ、気になる。ねえ、今の順位とか分かる?」
「まだ、始まったばかりだからな。あまり票は入ってないと思うぜ。まあ、待ってろ」
 七瀬はどきどきしながら、胸に手を当てている。
 はぅ〜、とか時折漏れ出る息は、長森の近くに居たせいか、心配加減が良く出ていた。
(あたしなんかに、票とか入れてくれてるのかな?)
 板を見回しただけでも、楓って子にはかなり人気があるように思える。
 猫好きの七瀬にとっても彼女のことは可愛らしく思えた。
(やっぱり、駄目なんだろうな)
 七瀬が溜息をついてる間に、浩平が2chから還ってきた。
「驚け、七瀬。楓に勝ってるぞ」
「うそ? あたしなんかが!?」
 見た目麗しいいかにも乙女な感じのあの子に票で勝ってるのは不思議でしょうがない。
 頭がクラクラしてきた。
「と、言ってもこの板の連中は気分次第で票を覆すからな。まだ安心は出来ない。間違っても屁なんかこくなよ」
「こくかっ!」
「まあ、頑張れ。応援してやる」
 カキカキ。いや、キーボードの音だったか。
「何してんの、あんた?」
「いや、楓って子に票を入れようかと――」
 バシンっ!
「じ、冗談だ。七瀬のこと応援する。本当だ。何なら吉野家のコピペも創ってやる」
「いるか、アホ!」
 どこまでもどつき漫才の二人。
 今まで乙女とは無縁に生きてきた七瀬が、可愛らしい乙女の座を獲得するには、まだまだ多くの試練が待ち構えていた。