葉鍵板 最萌トーナメント!!一回戦 round12!!

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939なつみ、ぼにうしちゅSS
「じゃあね、健太郎さん。今日は楽しかった。夢で…会えたらいいね」
 なつみちゃんは流し目気味に微笑みながらそう言ってマンションに消える。夕食の後、
どこにも寄らずに家まで送ることでデートの時間は終わるのは、いつもの事だ。
 数ヶ月の間、こういった付き合い方をしているというのは今時っぽくないように思うが、
俺は骨董屋をしているのだから、かえって『らしい』のかもしれない。本当の理由は別に
あったりもするのだが、それは、今、この世界では俺達二人の他は誰も知らないことだ。

 デートした日は早く眠る事にしている。眠るまでの間になつみちゃんといた時間の記憶
が薄れる様な気がするし、実は、さっきの『理由』にも深い関わりがある。
 薄れゆく意識の中、声が聞こえる。
「…健太郎さん、今日も来たよ」
 その声に目を開くと、さっき別れたそのままの姿のなつみちゃんがいる。実は、これも
いつもの事だったりする。