葉鍵板 最萌トーナメント!!一回戦 round12!!

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916名無しさんだよもん
健太郎「お茶、おいしいね」
なつみ「うん」
なつみ「スフィーは?」
健太郎「長瀬さんのところ。 骨董品の修繕にね」

骨董品店に人が押し寄せるわけもなく、店内には2人以外だれもいない。
数々の骨董品に囲まれての軽いお茶会は、独特の空気を漂わせている。
2人の間にも会話はほとんど交わされず、この時間を味わっているようだ。

なつみ「ねぇ?」
健太郎「ん?」
なつみ「これもデートっていうかな?」
小悪魔めいた微笑を浮かべながら、上目遣いに健太郎を見上げる。
健太郎「ん〜……。 どうだろうなぁ」
健太郎「2人が楽しんでるなら、デートっていっていいと思うけど」
なつみ「健太郎さんは楽しい?」
健太郎「もちろん。 楽しくないわけがないよ」
少し照れたような笑みを浮かべ、言葉を発する。
健太郎「そういうなつみちゃんはどうなのさ?」
なつみ「うーん、どうだろうねぇ〜」
健太郎「おいおい……」
なつみ「ふふ……嫌っていうことは無いよ? でも楽しいっていうより、安らぐっていう言葉のほうがあってるかも」
すぅっと目を細め、笑みを浮かべる。
なつみ「私は、ここにいてもいいんだよね?」
健太郎「勿論」
なつみの頭に手をおき、すっと抱き寄せる。
なつみ「…………」
心地良さそうに体をあずける。
917名無しさんだよもん:01/10/29 20:39 ID:5HXs2Lf3
ウイイィン
スフィー「うりゅ〜、ただいまー♪」

健太郎「…………」
なつみ「…………」
突然の事に固まる2人。

スフィー「うりゅ?邪魔しちゃった?」
長瀬「健太郎くんも隅に置けませんねぇ」
柔和な笑みを浮かべ、和服姿の老人がスフィーに続く。
健太郎「なっ、長瀬さんっ……」
長瀬「まぁまぁ、落ち着きなさい」
なつみ「こんにちは」
長瀬「はい、こんにちは、なつみさん。 健太郎くんに悪戯などされていませんかな?」
なつみ「ん〜……最近少しオヤジ臭いかな?」
健太郎「なつみちゃ〜ん」
情けない声を出してがっくりとうなだれる健太郎。
なつみ「冗談だよ」
長瀬「冗談なんですか? それは残念」
健太郎「何か言いました?」
長瀬「いえいえ」
にわかに騒がしくなる店内。さきほどとは違うものの、暖かな空気は変わらない。
918名無しさんだよもん:01/10/29 20:39 ID:5HXs2Lf3
健太郎「で、一体どうしたんですか? 修繕のほうでなにか?」
長瀬「それもありますが、少し耳寄りな話がありましてね」
超一流の修繕師であり、その筋の交友関係の広い長瀬からの情報といえば、かなり良い情報であることは疑いが無い。
なつみ「お仕事の話? なら、お茶会はここまでだね」
健太郎「ゴメン、なつみちゃん。 この埋め合わせはまたするから」
なつみ「期待しとくね」
くすりと笑う。
なつみ「スフィー。 魔法の練習に付き合ってくれる?」
スフィー「いいよ。 なつみのために一肌脱いてあげよう♪」
健太郎「あんまりなつみちゃんに迷惑かけるなよ?スフィー」
スフィー「はいはーい……って、それって逆じゃない!?」
健太郎「どうだろうなぁ?」
スフィー「むー!」

なつみ「クスッ」
長瀬「ふふふ……」
健太郎「ははは」
スフィー「えへへへ」

五月雨堂に、4つの笑いが響く。
そんな、ある日常の1コマ。