弥生さん@篠塚

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411弥生さん応援SS
>>291の少し前の出来事

年の瀬も押し迫る12月9日。
ついに、この日がきた。
『葉鍵板最萌トーナメント』
由綺さんは、一回戦で三本の指に入るほどの接戦の末、
『東鳩』の姫川琴音さんに僅かの差で負けてしまった。
でも私は知っている、戦いの舞台から降りる時の彼女の素顔を。
愛する人の胸の中に還っていった由綺さんは、嬉しそうだった。
それは争いを好まない彼女らしい幕引きだったと思う。
…もし、藤井さんを賭けての戦いなら、由綺さんはどうしただろうか。
ふと、そんな不謹慎なことを考えてしまう。
そんな私の相手は『痕』の柏木千鶴さん。
冷静に判断して、私に勝てる可能性はほとんどないと言っていいだろう。
…なぜ私は、こんな勝ち目の薄い戦いをしなければならないのだろう。
…なぜ私は、こんな非効率的な試合に出場しなければならないのだろう。
412弥生さん応援SS続き:01/12/09 10:29 ID:x9Bnjh4y
「失礼するでー」
「貴女は?」
「ウチは猪名川由宇や、よろしゅうな、弥生はん」
「…こみっくパーティーの方が、どんなご用事ですか」
「あんた、いま何もせず出場辞退しようと思っとったやろ」
「素直に、勝てる相手とは思えませんから」
「あかん、あかんで、勝負する前からそんなことでどないする!
せっかくうちが応援しにきたんや、もっときばりや」
「…猪名川さんは、なぜ私を応援してくれるのですか」
「理由か、理由はこれのここを見てみ」
由宇さんが差し出した雑誌のページには、私の写真とともに
『最初の設定では、世渡り上手で、人当たりがよく、
由綺と同い年の努力家の関西人で、しかも眼鏡っ娘』
と言う文章が書かれていた。
「これは、何です」
「ホワイトアルバムの生みの親へのインタビュー記事や。
もっとも『もっと大人っぽいキャラが欲しい』と言うことで
今のあんたになったそうやけどな」
「そんな理由で、応援されるのですか」
「そんな理由で、なんてあるかい! あ〜あ、惜しいな〜、
最初の設定やったら3作連続『関西人の眼鏡っ娘登場!』
を売りにできたのになあ」
「…ジェットストリームアタックでもするつもりですか」
「おっ、あんたも分かっとるなあ弥生はん、これで眼鏡っ娘や
関西弁キャラ萌え〜な葉鍵板住人をゲットや」
413弥生さん応援SSラスト:01/12/09 10:30 ID:x9Bnjh4y
「…そんなアピールだけでは」
「それだけやないで、弥生はん。ここ見てみ」
そこの箇所には『弥生さんは、ら〜・YOUさんいわく
「彼の力量がいちばん発揮されている」と原田さんを
指して言われるほど趣味爆発のキャラ』
『原田さん自身も「いちばん自由に書けたし、最初に書き上がった」
と言っていたので間違いない』と言う文章が。
「これで原田はんシナリオマンセーなファンもKOやな」
「…失礼します」
「ちょっと待ち! …ホントの事言うとな、ウチがあんたを応援するのは、
あんたのシナリオが一番主人公の冬弥はんに共感できたからや。
ウチは『弱さ』を見せつけるキャラはあんま好きやないねん。
同じ『女』から言わせると、あのズルさがちょっとイヤなんや」
「…それは、どなたのことです」
「さあ、な。それにファンをなめたらあかんで。職人と呼ばれる人は、
あんたをもっと知ってもらいたいために、命と時間を削って弾薬となる
画像やSSを作ってるんや。その努力を裏切らんといてや」
「…そうですね」
「で、どうや、弥生はん。試合に出場してくれるか」
「分かりました」
「よっしゃ、ほなウチは会場で応援してるやさかい、ガンバリや」
「ありがとうございます、猪名川さん」

…そして弥生の、1日にも満たない新たな契約が始まった…。