納豆と松屋と私〜麻枝スレ#4

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4名無しさんだよもん


190 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/05(日) 23:50
了解しました。>>187>>188

ちょっと長いのでいくつか分割します。ご了承ください。


********************************
Flaming juneより転載。

DIARY'98

 6/26(金)

うーむ、むーん…。
只今午前4時20分…。
早く寝ないと、明日が辛いぞ…。
いつのもように7時30分には起きて、朝食を食べて、朝風呂に入って、
歯を磨いて、髭剃って、ビッグを済ませて、
着替えて出かけなければならないのかぁ…。
天気予報では、真夏日だそうだ…。
うーむ…シンドイぞぉ…。
………。
5名無しさんだよもん:01/10/11 01:25 ID:Re1dbVXc
ふは…
ふははははははっ!!
しかぁっし!
そんな生活はこっちから願い下げじゃぁっ!!
あほかぁっ!!
んなシンドイことしてられっかぁっ!
ぺぺっ!
実は今週からオレは無職なんじゃあっ!!
起きるまで寝て、眠たくなるまで起き続けるノンキな日々送っとんじゃぁ!!
どうだうらやましいかっ!!
6名無しさんだよもん:01/10/11 01:26 ID:Re1dbVXc

今朝は、駅へと出勤、登校する輩たちを尻目に、
優雅にローソンのカルビ弁当持って、道を逆行してやったわ!!
てめぇらは、暑い中会社や学校へ出向いて、退屈な仕事や授業に勤しむ中、
オレはクーラーでキンキンに冷えた部屋でカルビ弁当食ってんだぜ!!
「へー、これが新しくなった秘伝のタレかぁ…カルビにほどよく絡んで
スゴイや…」
と、解説まで交えてゆっくり食ったるわいっ!!
そして、
「おっと飲み物を忘れたぞっ…しゃあない、ローソンまで戻るか…」
と、余裕でローソン往復したるわいっ!!
その途中で、
「ん、アジサイが満開じゃないかあ」
と寄り道し、

   『紫陽花に
      余裕ぶっこく
          我、無職』

と、慎ましやかに一句詠んだるわあっ!!
ふははははっ!!
参ったか!!
参ったと言え!!
7名無しさんだよもん:01/10/11 01:27 ID:Re1dbVXc

はーはー…
ぜーぜー…
………
やばい…テンション高すぎた…
なんつっても、公共の場だからな、ここは…
とにかく…
今朝、馬鹿にしちゃった社会人や学生の皆様ごめんなさいm(_ _)m

と、一段落ついたところで、まともな話に戻るよ。
とりあえず、ほかの方々の部屋がオープンしたようなんで、
オレもなんかは用意し始めんとなぁ…ということで、
日記を書き始めました。今は前述した理由で暇なんで、
結構長々と書けるんだけど、この先はどうなるかわかりません。
EIJIさんのように超尻すぼみの日記になるかもしれません。
できるかぎり毎日書き続けようと思ってるので、
今回のような超脱力系の文章にも耐えられる人は、頻繁に覗いてみてね。

サバラ!
8名無しさんだよもん:01/10/11 01:28 ID:Re1dbVXc

191 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/05(日) 23:51
Flaming juneより転載。


6/28(日)

やっぴー
おお、日記も順調に書き続けてるなぁ。
で、今日はそろそろ本腰入れてお仕事のほう、片づけてしまうかい、
という気合いを入れるために
日記を書いてみることにした。(昨日はあれからホントにグランディアやっただけで寝た)
まあ、お仕事するぞ!と公言しておけば、
後には引けない状態を作れるんじゃないだろうか?
という魂胆である。
どうでもいいが、ベイスターズ八連勝でほくほくである。
名古屋に4年、そして現在大阪在住にも関わらず、
なぜだか行ったこともない未知の都市、横浜に本拠地を置くベイスターズの
ファンである。
小学生の頃からだから、結構長いことファンである。
そのときはまだプロ野球そのものには、まったく興味がなかったのだが、
当時の大洋ホエールズの、そのあまりの地味さに衝撃を受けてしまったのだ。
今でこそ佐々木がバンバン日本記録を樹立したりと派手な面もあるが、
それはそれは打たれる杭もないような真っ平らなチームだったのである。
9名無しさんだよもん:01/10/11 01:29 ID:Re1dbVXc
    で、小学生だったオレは、両親が巨人を応援する中、
その対戦チームである大洋を見て、
「うおー…こんな地味なチームあったんやなぁ…」
と幼心に思い、そして、
「誰がこんなチーム応援するんやろ……ア、アカン、ボクが応援したらな!!」
と、まるでクラスで孤立してしまった嫌われっ子を庇うような殊勝な気持に
駆られてしまったのだ。
だから大洋が勝つたび、
「よしよし。負けた巨人ファンにはとやかく言われるやろうけど、
ボクだけは誉めたる。ようやったな」
と、大らかな大海のような親心で讃えてやっていたのだ。
今思うと、親のような歳のオッサンがゴロゴロしている
プロ球団チームに対して、なんとも鼻持ちならない小学生である。
まあ、実際にはオレひとりが応援していたわけではなかったのだが
(当たり前だ)、それでも、各球団の人気集計をすると、
3,4年前のときのデータだが、上位5チームがセリーグ、
そしてオリックス、そしてその次に我らがベイスターズ、
とセリーグの中ではダントツに低い。
当時の直感は甚だ侮れなかったわけである。
なんとも複雑な気分だったが、それでも今となっては、
そんなデータはもう意味はない。
いつしか庇護心からではなく、理由もなしにそのチームの勝ち負けに
気分が左右されることに気づいたからだ。
そのときになって初めてオレは客観的に、不思議なモノだな、
と自分の中に芽生えたファン心を俯瞰できたのだ。
それにこれだけ優勝をジらされるチームというのも他にはない。
それすらも今では特権に思える。
だから優勝しようよ、そろそろ。
10名無しさんだよもん:01/10/11 01:29 ID:Re1dbVXc




192 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/05(日) 23:51
Flaming juneより転載


 6/29(月)

チョイス!
日記だよ。
いつも寝る直前の明け方に書いてるんだけど、
今日は人並みに朝の8時に起床し、出かけていたので、夜書いてるよ。
しかし今日はシンドかった…
引っ越し業者紛いのことをしてきたので、明日は筋肉痛必至である。
きっと今日集まった無職仲間はみんな、
明日はウンウン唸っていることだろう。
さて、その帰りに身軽だったので、服でも買うかい、
と梅田の地下街をひとり彷徨ってみた。
ちなみに服を買うなんぞ一年ぶりである。
服を買う、という行為があまり好きではないから、
よほどのことがないかぎり、その佐ノ山親方(元小錦)並みに
重い腰をあげることなどない。
しかしよほどのことが起きてしまった。
長年はき続けていた愛用のレーヨンのジーンズの内股に穴が開き始めたのだ。
ようは股ずれのような感じで、股間を中心にした左右が擦れ切れてしまったのだが、
それでも一ヶ月前くらいは小さな穴で、なんてことはなく、
「穴、開いてるけど、ま、いっか」
と悠長に流していたのだ。
11名無しさんだよもん:01/10/11 01:30 ID:Re1dbVXc

しかし日々を追うごとに穴はみるみる巨大化し、
なんと中の下着(トランクス)までもが垣間見えるまでになってしまったのだ。
これはさすがに恥ずかしい。
そこでオレはカモフラージュのために、
それこそ迷彩服を着て草藪に身をひた隠す陸軍兵士のように、
できる限りジーンズ色に近い青色のトランクスを
下着として着用することにした(例えのわりに貧相な現実である)。
しかし、よほどのことはここからである。
ある日、空いた電車に腰掛けて揺られていたときのことだ。
その日の迷彩も完璧で、どんな敵兵も欺(あざむ)けるほどの
トランクスでジーンズの穴を隠していた。
しかし何気なく下を見たオレは、「ぎょえーっ!」とぶったまげた。
なんと股に開いた穴から見えるトランクスの下から、タ○袋の片割れが、
「イヤッホーッ!」と元気に顔を覗かせていたのだ。
まさしくそれは隠し子のようなもので、
決して人様の目に触れてしまってはいけない。
「こらっ!おまえは隠れてなさいッ!」
と、手で強引に押し込んでやる。
しかしすぐ、
「あッついわ〜」
と、顔を出してくる。
そう、夏場のタ○袋は流動的なのである。
いくら押し込んでも垂れてくるのだ。
この状況で、若い女性などに見つかって、
「きゃー!この人、タマタマ見せてますぅーっ!」
と叫ばれれば、ひとたまりもない。
しかも社会的信用のない無職の立場。
言い訳の余地すらなく、前科一犯である。
12名無しさんだよもん:01/10/11 01:30 ID:Re1dbVXc

というわけで、犯罪者になる前にレーヨンジーンズを買ってきた。
またパンツが見えるようになるまで穿き潰してやるぞ。
13名無しさんだよもん:01/10/11 01:31 ID:Re1dbVXc



193 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/05(日) 23:52
Flaming juneより転載


7/5(日)

ワッショイ!
日記だよ。
昨日、今日と休みだったんで、べつにこれといって書くような出来事なんかない。
だから、もういいでしょ?
ダメ?
うーむ…ほな、なんか書くかぁ…。

オレは通勤には地下鉄を使っているのだが、車内においては、案外退屈である。
で、吊り広告になにげに目をやる。
そのときふと目に飛び込んできた言葉。
『ドメスティック・ホテル』
その単語を見て、オレはまたあらぬ想像を逞しくしてしまった。
ところで、あなたは『ドメスティック』の意味をご存じだろうか?
オレは大学生になるまで、どこかで聞いたことはあるけど、
意味は知らない、という人間だった。
ただ、よほどものすごい形容に使う言葉なんだろうなぁ、と思っていた。
なんてったって『ドメスティック』である。
14名無しさんだよもん:01/10/11 01:32 ID:Re1dbVXc

従来『ド』とは、超ド級のようにとんでもない質量、
質感を指して使用するものである。試しにこれを『コ』にしてみると、
『コメスティック』…一瞬でシオシオである。
それに『メス』というのも、あんまり優しいイメージはない。
オペに使うメスを連想させ、かなり痛々しくもある。
その『ド』と『メス』が一体となっているのである。
以下のように考えてみると、その響きからくるパワーがわかって頂けると思う。
例えば、ボクシングの世界タイトルマッチで
次のような対戦カードがあったとする。
「細井伸夫VSドメス・スゴイヤー」
絶対、細井の負けである。すでにこのカードが組まれた時点で
勝敗がついていたといっても過言ではない。
あるいは、殺虫剤のラベル。
「強力殺虫剤ドメス・コロス」
人も殺せそうである。
またあるいは、お笑い芸人の名前。
「ドメス斉藤」
ツッコミの手で相方の頭が砕け散ってしまいそうである。
15名無しさんだよもん:01/10/11 01:32 ID:Re1dbVXc

とまあ、これで『ドメス』の語感が醸し出す破壊力がご理解頂けたと思う。
そんなことを昔考えていたから、オレはまた『ドメスティック・ホテル』の
言葉を目にしたとき、意味よりも先にその語感から、
「ドメスティック・ホテル…。
 なんかようわからんが、一日一部屋づつダイナマイトで
爆破されてゆくとか、つねに死と隣り合わせのホテルなんでは……」
と直感的に思ってしまったのだ。

一応、知らないひとのために↓

ドメスティック:家庭的、家族的
16名無しさんだよもん:01/10/11 01:32 ID:Re1dbVXc

194 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/05(日) 23:53
Flaming juneより転載


7/22(水)

キーーッ!
日記でR。
どうでもいいけど、ポンキッキーズのボンダンス、
とてもカッコイイと思いませんか?
ダンスなのにいきなり静止して、そこからいきなりウッキー!と
両手をそれぞれ頭の上と顎の下に翳す部分が特におきにいりである。
さて、何かと用事を抱え込んでしまっていたので、
日記のほうは一週間ぐらい書かなくてもいっかーっ!
いっかーっ!まいっかーっ!(古くてスマン)と
無責任丸出しにしていたのだが、用事のほうが煮詰まってしまったので、
逃避行してみました。
原稿落としたらすみません。
17名無しさんだよもん:01/10/11 01:33 ID:Re1dbVXc

ということで、同人誌初寄稿である。
(←相変わらず強引な本題への展開である)
特にそういう趣味を持つ人間が集まるような仕事場であるから、
この時期になると周りが慌ただしくなり、
仕事でもないのに「締め切りがぁーっ!ぎゃーーーっ!」と
のたうち回り始めたりする。
いわば年二度の風物詩である。
今までは傍観者であったから、夏場はビールとえびピーなんぞを用意して、
「締め切りがぁーーっ!!ぎょえーーーーっ!!」
とのたまう連中を肴に、
「ふむ、風流よのう…」
とノンキに呑んでいた身分だったのだが、今年の夏はオレ自身が、
「締め切りがぁーーっ!!ムキョキョキョーーーーッ!!」
とのたまう立場となってしまった。ぜんぜん風流じゃない。
しかしそう苦悶するも、その根底には、自らを「締め切り」と
いう名の社会的義務で縛り付けることにより、
プライベートもなく仕事に追われる売れっ子作家よろしくの充足感を
得ようとする心理が、多少なりとも存在するのではないか、
とちょっぴり思ったりする。
かく言うオレも、
「うーむ…オレって仕事でも忙しいのに、
帰ってきても忙しい…まるで世界を股に掛けるエリートマンだ、
まいったまいった」
と、実際には市内の地下鉄4駅分しか股にかけていないのだが、
悦に入ってしまったりしている。
にも関わらず、一週間レンタルの始まったクレヨン王国第一巻を借りてきて、
「こいつがシルバー王女か………ふーむ、萌へ」
とひとり顔を赤らめてたりするのだから、充足感もクソもあったもんじゃない。
18名無しさんだよもん:01/10/11 01:33 ID:Re1dbVXc

さて、本当に予定の10ページを占拠することが可能なのか、オレの文章!
とりあえず、明日も日記書いてたら終わりだな。


 7/23(木)

というわけで、終わりです。

…うそ。
まだまだガンバルゼ!


 7/30(木)

♪みんなで〜花咲かせぇや〜ラセッラ〜!
日記でピ。
終わった……。(←↑むちゃくちゃな文の繋がりである)
書き上げたよ、原稿…。
一時はこの日記を流用すっかぁ!?とまで考えたが、
なんとか書き下ろしで頑張ったよ。
葉っぱ系の本のはずなのに、
おもいっきりスタンドプレイなこと書いちゃったのだが、よかったのかなぁ?
まだ数行の後記が残ってるんだけど、
最近は帰ってくるとビール飲んじゃうんで、なんか今も書く気力ない…。
まあ、今回のオープニングコールと同じでボンダンスのサビでも書いとくかぁ…。
19名無しさんだよもん:01/10/11 01:34 ID:Re1dbVXc


さてさて、今日はちょっと嬉しいことがあった。
職場での話なのだが、ついにオレの席にも音源とキーボードが設置され、
自席で音楽の仕事ができるようになったのだ!
苦節1年、ウチのサウンド専任である折戸氏の席を借りて、
残業もつかない真夜中にせこせこと行っていた作業を
大見得切って行えるようになったのだ。
それは仕事中に、
「ここはミクソリディアン・モードでいくか。
なんつってもミとクソだからなぁ」
と、音楽用語を駆使した高度なギャグを
言えるようになっただけではない。(当然だ。それだけだったら単なるアホである)
文章で煮詰まったときに音楽、音楽で煮詰まったときに文章、
と交互に切り替えると、リフレッシュできるとともに仕事自体は
停滞がないという、なんとも精神衛生上結構な体制が敷けてしまうのである。
というわけで、今後は「小室 准」と呼んでくれい。
20名無しさんだよもん:01/10/11 01:35 ID:Re1dbVXc

195 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/05(日) 23:54
Flaming juneより転載

 8/14(金)

イヨエーッ!
日記イェーーッ!
随分と日記に間隔があいているが、気にするなよ!
さて、ついにHP公開である。
つーか、公開されちゃった、というのが正しい。
とりあえず形になったところで、サークル主宰者であるEIJI氏に、
意見を求めるメールにURLを張って送ってみたところ、30分後、
「リンク張っちゃいましたよ〜」
と電話連絡。
夜も白み始めようとする午前5時である。
なにやってんだ、おまえら。
21名無しさんだよもん:01/10/11 01:35 ID:Re1dbVXc


というわけで、当HPの主旨なんぞをこの機会に書き綴っておこうと思う。
とりあえずは「堅苦しいことを抜きに、気楽に読める」を
目指した雑文を主体としたHPである。
(しかし今時文章だけでどこまで保つんだろうなぁ)
レギュラーコーナーは、現在公開されているものであるが、
それに加えて、「旬の企画」を実施しようなんて考えている。
連載小説であったり、対談企画であったり、
大喜利(なんだそりゃ)であったりする。
思いつきで始まり、
「さむ〜」
となったら即刻打ち切りである。
乏しい人脈を辿りながら、いろいろな人に参加して頂けたらなぁ、
と思っている。
こんなところかな。

さて、お盆ということもあり、ゲームを蓄えて連休に臨んでみた。
PS「ワイルド アームズ」、「リンダキューブアゲイン」、
WIN95「CASTLE FANTASIA」の三本である。
まあ前者ふたつは置いておくとして、問題は
「CASTLE FANTASIA」である。
買ってから気付いたのだが(というか、買うときに妙な違和感があった)、
95のゲームを買うのは初めてだったのだ。
そんなオレが、どうしてこのゲームの購入に踏み切ってしまったのだろう。
今回はその辺りのことを話してみたい。
22名無しさんだよもん:01/10/11 01:36 ID:Re1dbVXc

このゲームは、当時某1ゲームと同時期に発売され、
オレの大好きなファンタジーということもあり、
その頃から期待大な作品であった。
同時にこの頃、ファンタジーを舞台とした「練金術の娘」なる作品も
発売されている。
業界がファンタジー隆盛の時代となってゆくことを好ましく思うオレは、
この両雄の健闘ぶりに注目していたのだ。
が、結果はなんとも複雑なものだった。
「CASTLE FANTASIA」と、「練金術の娘」は、
真っ二つにその明暗を分けたのだ。
前者は発売後のあらゆる雑誌ランキングの上位に食い込んだにも関わらず、
「練金術の娘」は肉薄するまでには到底及ばなかった。
(この結果はあくまでも個人的見解である。発売時期のズレ、
実際の数など把握はしていない。あしからず)
実際には「CASTLE FANTASIA」を開発したブランドが
実績のあるチームであったとしても、この差はなんなのだろう、
と考えさせられる。
そのことについて、ウチの開発チームで物議を醸し出した。
両者にこれほどの隔たりがあった事実は、
売れ線を見極めなければならないオレたちにとっても、
予想しえなかった、いわば衝撃的な結果であったからだ。
23名無しさんだよもん:01/10/11 01:37 ID:Re1dbVXc

196 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/05(日) 23:54
「絵柄だろうか…?」
「いや、『練金術の娘』の原画は有名な人らしいぞ」
「CGではないのか?」
「冗談じゃない。『CASTLE FANTASIA』の
塗りはヒドいものがあるぞ」
「ならばヒロインの数か…」
「実際量的な差は歴然であるが…しかし、『練金術の娘』の
ヒロインたちは等身大ポスターとなり店頭を飾っていたのだぞ?」
「うーむ…3Dダンジョンものってのが毛嫌いされたのでは…?」
あらゆる憶測が飛び交うが、何一つ決定打となる差が浮上してこない。
座礁しきった場の中、雑誌をめくっていたオレがあることに気がついた。
「む…ハミパイ」
そう、「CASTLE FANTASIA」のヒロインのひとり、
ファナというキャラクターは、標準の格好からして
ハミパイしているキャラなのだ。
しかも上や横なんかではない。下、なのである。
日頃滅多に目にすることができない部分であるためか、
この「下ハミパイ」には想像を絶する威力がある。
最近も地下鉄の車内に、「私の脂肪はよく燃える」とお腹に書いたお姉さんが
Tシャツを捲り上げ、この「下ハミパイ」を
披露していたエステの広告があったのだが、オレはそれを見た途端、
「エ、エロい…」
と不覚にも唸ってしまった。
24名無しさんだよもん:01/10/11 01:37 ID:Re1dbVXc

さかのぼれば小学生の頃、「きまぐれオレンジロード」の
特別Hな回の扉絵においてもヒロインの子が、この「下ハミパイ」を
無防備に披露しており、幼かったオレはその時も、
「エ、エッチです…」
とわけもわからず唸ってしまったことがある。
しかもこの二つの例は、時間的には一瞬の場面をシーンとして
捉えたものであるが、この問題のファナというキャラクターは、
驚くべきことに24時間ハミパイなんである。
日常会話してても、ハミパイ。飯食ってても、ハミパイ。戦っててもハミパイ。
ハミパイハミパイハミパイハミパイハミパイハミパイ…で、
煩悩が炸裂キャラなのである。

以上の理由から、オレは「CASTLE FANTASIA」の
勝因はココにあると推測したのだ。
恐らくこのファナひとりで1万5千は売ったと踏んでいる。

ということで、オレもこの目でそのハミ出し具合を確認してやろうと、
本ソフトの購入に踏み切ったのだ。
今も、
「なるほど、よくハミ出てるなぁ…」
と感心しきりでプレイしている。
(キャラ萌えで言うと断然勝ち気なナッシュであるが)
が、どうしても、二つ目の戦闘がクリアできない。
難しすぎない…?
25名無しさんだよもん:01/10/11 01:38 ID:Re1dbVXc




197 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/05(日) 23:55
Flaming juneより転載

 8/22(土)

事件は昼食時に起きた。
「ピザを食おうぜ」
その一言が後にあのような大惨事を引き起こすことになろうとは、
誰一人予想しえなかったことである。

久弥と折戸の二名が○ォルクスに出かけてしまうと、
開発室には樋上いたる、ミラクル☆みきぽん、
しのりの女性陣と男のオレの4名が残ることになる。
オレの前述した一言がきっかけとなり、
そのメンツでピザを注文することになった。
「もしもし、ピザの注文よろしいですか?ビックリージャンボ二枚お願いします」
手際よく注文を済ませ、待つこと数十分。
ほどよく到着したピザの箱を受け取ると、オレは嬉々として蓋を開く。
そして…
「ぬぐぉ…」
絶句。
「……デカい」
届けられたピザ、一枚がものすごいデカさなのである。
知らない人間が入ってきたら、座布団と間違えて
思わず座ってしまいそうなほどである。
26名無しさんだよもん:01/10/11 01:39 ID:Re1dbVXc

「食い物か…コレが…」
一気に食う気が失せるほどである。
「異様でしゅね…」
「まさしく、ビックリージャンボ…」
男4人ならまだしも、オレ以外は女…つまり一枚は
女性陣二名で食いきらなくてはならない。
1枚12ピースに分かれているので、数で言うとひとり6ピースでいいのだが、
その1ピースだってとてつもなくデカい。
知らない人間が入ってきたら、土産物屋の
ペナントと間違えて思わず壁に飾ってしまいそうなほどである。
しかしここで意気消沈していても何も始まらない。
オレたちはその攻略にとりかかった。
だが実際食べてみると、
「う、うまい…」
うまいのだ。
勢いよく二枚ほど平らげても平気である。
オレが景気良く四枚ほど片づけた時点で、皆を振り向き見る。
「………」
「………」
「………」
誰もが無言で口を動かし続けていた。
「なんだ?こんなに美味しいのに、なに暗い顔して食ってんだよ」
そして五枚めに取りかかると、
「………」
オレも無言になった。
27名無しさんだよもん:01/10/11 01:39 ID:Re1dbVXc

苦しい時間は続き、オレたちは倦怠期を迎えた夫婦のようになってしまった。
「払った1000円分は取り戻すでしゅ……ぐぼっ」
「やめとけ、みきぽん…」
「誰よ、こんなザブトンみたいなの二枚も頼んだのっ!」
「しのりだ」
「おまえだっ!」
「二度とピザ食いたくなくなりそうじゃのう…」
「誰だ、おまえは」
「1000円分…」
「残り何枚…?」
その声に数えてみると、残るは8枚。
「………」
「…無理だ」
皆が限界に達しているこの状況で、未だなお残されたノルマ、
ひとり2枚はどう前向きに考えても達成不可能だった。
しかしそんな窮地へ、神は天使を使わせたのだ。
がちゃ。
「戻ってきたで〜」
「うー、腹一杯や〜」
そう、○ォルクスで昼食をとってきた久弥、折戸両名である。
「仕事するで〜」
「うー、腹一杯や〜」
しこたま食ってきたらしく、満足げにオレたちの脇を抜けて席に戻っていった。
ピザに目を戻すと、8枚のままである。
あたりまえだ。横を通りかかっただけで
減ってゆくピザなどこの世には存在しない。
というわけで、ばッ!と皆一斉に久弥、折戸両名を振り返ると、
「食え、おまえらっ!」
有無を言わさずピザをその口に突っ込んで、力尽くで天使にしてやる。
28名無しさんだよもん:01/10/11 01:40 ID:Re1dbVXc

そこからはまさしく決死行。
自殺行為でオレと久弥は2枚づつ、残りのメンバーが
各1枚づつという最後の戦いに突入した。
「みんながんばれ…!」
互いを励まし合うオレたち。えてして友情とは
こういう状況において深まるものである。
そしてひとりが食べ終わるたび、誰ともなしに拍手が漏れる。
だがオレ自身、己のノルマをこなした時点でぶっ倒れてしまい、
完食の瞬間にどのような歓喜が巻き起こったか、見届けることはできなかった。
だが次目覚めたとき、床に転がる無数の四肢と、
空になったピザの箱を確認して、オレはひとり虚しくも
勝利を噛みしめたのだった。
後に久弥はこの事件をこう振り返る。

「ピザごときに開発室が壊滅状態に追い込まれるとは思いもしなかった」

以上が『ピザで開発室壊滅事件』の顛末である。
29名無しさんだよもん:01/10/11 01:41 ID:Re1dbVXc

198 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/05(日) 23:57
 8/26(水)


事件は終業寸前の夕刻に起きた。
まさか、あのようなモノがあのような惨事を招くとは、
誰しも予想しえなかったことである。

開発室のマシンはすべてLANで繋がっており、
データを媒体を使うことなく受け渡しすることができる。
パソコンを扱うオフィスにおいては欠かせない環境である。
そしてこの日、ウチのグラフィッカーである しのり が
自らの領域の一部をフルアクセスで共有化した。
すると開発室内のマシンすべてからのアクセスが可能となり、
その領域に関しては書き換えや削除、なんでもやり放題となる。
いわば、ハックが可能な状況が生まれたのだ。
しのり は、ある素材を久弥直樹から受け取るために共有化を行ったのだが、
その過程で戸惑っている隙をついてオレは、ハックをしかける。
内容はいたって簡単かつ、効果的だ。
ウンコ101
ウンコ102
ウンコ103…
という名前を持った、のべ100個のフォルダ(通称ウンコフォルダ)を
作成し、それを しのり の共有フォルダに一気にコピーしてやる。
30名無しさんだよもん:01/10/11 01:41 ID:Re1dbVXc

すると作業中のしのりのマシン上では一気に、
以下のような怒濤のフォルダ群が展開される。
ウンコ101 ウンコ111 ウンコ121 ウンコ131 ウンコ141 ウンコ151 ウンコ161 ウンコ171 ウンコ181 ウンコ191
ウンコ102 ウンコ112 ウンコ122 ウンコ132 ウンコ142 ウンコ152 ウンコ162 ウンコ172 ウンコ182 ウンコ192
ウンコ103 ウンコ113 ウンコ123 ウンコ133 ウンコ143 ウンコ153 ウンコ163 ウンコ173 ウンコ183 ウンコ193
ウンコ104 ウンコ114 ウンコ124 ウンコ134 ウンコ144 ウンコ154 ウンコ164 ウンコ174 ウンコ184 ウンコ194
ウンコ105 ウンコ115 ウンコ125 ウンコ135 ウンコ145 ウンコ155 ウンコ165 ウンコ175 ウンコ185 ウンコ195
ウンコ106 ウンコ116 ウンコ126 ウンコ136 ウンコ146 ウンコ156 ウンコ166 ウンコ176 ウンコ186 ウンコ196
ウンコ107 ウンコ117 ウンコ127 ウンコ137 ウンコ147 ウンコ157 ウンコ167 ウンコ177 ウンコ187 ウンコ197
ウンコ108 ウンコ118 ウンコ128 ウンコ138 ウンコ148 ウンコ158 ウンコ168 ウンコ178 ウンコ188 ウンコ198
ウンコ109 ウンコ119 ウンコ129 ウンコ139 ウンコ149 ウンコ159 ウンコ169 ウンコ179 ウンコ189 ウンコ199
ウンコ110 ウンコ120 ウンコ130 ウンコ140 ウンコ150 ウンコ160 ウンコ170 ウンコ180 ウンコ190 ウンコ200…
31名無しさんだよもん:01/10/11 01:43 ID:Re1dbVXc

199 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/05(日) 23:58
「どあーーーーッッ!!」
案の定、羞恥に崩れ落ちる しのり の声。
これで、このネット社会における見えざる敵の恐ろしさを身をもって…
ぼかッ!!
「なにさらすんじゃいッ!」
「ぐあッ、なぜバレた!?」
ちなみにウンコネタはオレの十八番である。
見え見えの敵だったらしい。
と、ここまでは牧歌的な開発のワンシーンであるが、
実際の事件はここからである。
そこから、久弥直樹、ミラクル☆みきぽんも加わって、
しのり の共有フォルダをハックしまくる。
「うらうら〜!」
「はきゅはきゅ〜ッ!」
コピー&ペーストを使い、ウンコフォルダを雪だるま式に増殖させ遊ぶ。
今や しのり のマシン上では、どのウンコフォルダがどれだけの
階層に至っているかさえ定かではなくなってしまっていた。
「ぬお〜ッ、削除がおっつかーん!」
悲鳴をあげる しのり。
だが、その悲鳴が真のモノに変わる。
32名無しさんだよもん:01/10/11 01:44 ID:Re1dbVXc

「うがーーーッ!!」
「あん?どうした」
「なんか削除できへんねんけど…」
「んなわけあるか」
「削除しようとするとエラーでるねんけど…」
そう。調子にのって階層をどんどんと掘り下げてゆくうちに、
パスが長くなりすぎて、WINDOWS上からは
削除不能の状態に陥ってしまったのだ。
このまま放っておくと、しのり のマシンには半永久的に深い階層を
持ったウンコフォルダが蔓延ることになる。
「そんなん、ヤじゃ〜っっ!!」
冗談では済まなくなり、オレたちは必死で しのり の共有フォルダの
削除にかかった。
だが、どうしても消せないのである。
「…駄目だな。どうしてもウンコ126で引っかかる…」
「ウンコ127は?」
「無理だ。消そうとしても、ウンコ126でエラーがでる」
「ウンコ126のファイル名を変えても無駄か…?」
「階層の深さだからな。ウンコ126自体が問題だというわけではない…」
当の本人たちは真剣なのだが、なぜだか引き締まらない会話である。
33名無しさんだよもん:01/10/11 01:45 ID:Re1dbVXc

「となれば、DOSから消すしかないな…」
しかしここにも落とし穴があった。
DOSモードからだと、フォルダはひとつづつしか削除できないのである。
その作業に久弥直樹があたることになったが…
「コピーウンコ100削除完了…
 コピーウンコ101削除完了…
 コピーウンコ102削除完了…
 コピーウンコ103削除完了…
 コピーウンコ104削除完了…
 コピーウンコ105削除完了…
 …ぐあーっ!やってられっかあぁぁーッッ!!」
5分と保たず、発狂してしまう。
「無理だ、しのり。諦めてこのウンコたちと一生付き合ってくれ」
「ヤじゃーっ!」
しかも、さらに事態は悪化の様相を見せる。
再起動をかけた、しのり のマシンのハードディスクが
異様な音を立て始めたのだ。
34名無しさんだよもん:01/10/11 01:45 ID:Re1dbVXc

「なんだ、この音は…」
「しかも立ちあがないぞ…」
再び再起動をかけると、セーフモードで立ち上がる。
「システムの致命的損壊かも…」
「冗談よせよ…」
オレたちは真剣に焦った。
後悔するにも、原因がウンコフォルダの大量生産だというのが
あまりに情けない。
データのバックアップをとった後、再起動をかけると
何事もなかったように しのり のマシンは復活してみせたが、
今後どのような形でウンコフォルダの残した傷跡がその姿を
見せるかはわからない。
そしてオレたちは軽はずみな行動で招いた今回の事態を
言及するだけの余力さえ残っておらず、うなだれるばかりであった。
後に しのり はこの事件をこう振り返る。

「まさかウンコに一台のマシンが損壊寸前にまで追い込まれるとは思いもしなかった」

以上が『ウンコでマシン損壊寸前事件』の顛末である。
35名無しさんだよもん:01/10/11 01:45 ID:Re1dbVXc
200 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/05(日) 23:59
 9/6(日)


かのん?
9月最初の日記なんだが…もう6日ですか、そうですか。
しかし休みなのはいいけど、仕事進めないとヤバい状況なんで、
これ書いたらとっとと仕事に戻るぜ。
というわけで、今回は仕事上のちょっとしたこぼれ話をひとつ。
(←強引ですか)
シナリオライターと肩書きはあっても、
シナリオ以外にもいろいろと書かなければいけないものがある。
そのひとつが、流通や各雑誌社用にしたためる新作通知なるものである。
ようは、「今度はこんなゲームを作りますよーっ」という報告である。
それには決まってPR文というものが付き物で、これ端的に、
これキャッチーにとセールスポイントを謳うのだが、
なんつーか、とても特異な才能を必要とするのだ。
普段のシナリオ書きが”全身の筋肉を使う重労働”とするなら、
このPR文の作成は”耳の筋肉を使う軽作業”といったところだ。
普段使わない、またはまったく機能もしそうもない思考回路を使って
作成するという感じなのだ。
具体的に言うと、書いていて「ひゃぁ、こりゃないだろぅっ!」と
照れてしまいそうにクサイ文章が求められる。
シンクロナイズドスイミング選手の顔を間近で見ると、
「そりゃないだろぅっ!」というほど厚化粧であったりするのによく似ている。
つまり大仰なインパクトでちょうど遠目にはいいぐらいであるのだ。
だから、冷静になって読み返してみると、「よぅ書いたわ、こんなこと…」と
いう恥ずかしさ爆発なものが多い。
36名無しさんだよもん:01/10/11 01:46 ID:Re1dbVXc

さて今手元には、某1ゲームの開発時にしたためた新作通知のPR文、
そのプロット版がある。
今回は、そのPR文の一部をちょっと紹介してみようと思う。

まずは、樋上いたるが生み出す魅力溢れるキャラクターたちを
プッシュする一文。

 【とにかく登場する女の子たちがかわいい!】
   個性的な性格を反映したキャラクターたちはどれも可愛く、
恋愛対象としては向かうところ敵なし!

「向かうところ敵なし!」の辺りが鼻血が出そうなほど恥ずかしい。
次は、そのキャラクター設定を推す文だ。

 【個性溢れるキャラクターたち!】
   そのヴィジュアルを追随するが如く、個性的なキャラクター設定。
   その個性はディスプレイには収まりきれないほど。
鮮烈なインパクトで強烈にアピール!
37名無しさんだよもん:01/10/11 01:47 ID:Re1dbVXc


201 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/05(日) 23:59
ディスプレイには収まりきれないほど…ものスゴイ表現である。
その後に続く、「鮮烈なインパクトで強烈にアピール!」も、
今、台所の辺りまで転げてしまったほどだ。
おまえ自身が鮮烈で強烈である。
しかも、キャラクターは個性的な性格を反映していて、
キャラ設定はヴィジュアルを追随しているのならば、
じゃあ一体どちらが先に決まったんだ?、との疑問も湧くが、
そんな矛盾もお構いなしのパワーがある。
とにもかくにも、リズムとインパクト勝負なのだ。
さて、次は折戸氏の奏であげる音楽をプッシュする一文。

 【感動を演出するBGM!】
   業界屈指と謳われる音楽スタッフは健在。
   今回も魅せてくれます。聴かせてくれます。

マジなところが恐ろしいところである。
さて、今の一文で当時のオレが調子に乗ってしまったことが、
続く次のPRにて痛いほどわかる。
企画当時に存在した、プレイ時間を前もって
選択できる画期的システムを推す一文である。
38名無しさんだよもん:01/10/11 01:47 ID:Re1dbVXc


 【より進化した快適システム!】
   幅広いユーザー層に対応。
   それぞれのプレイスタイルに合わせ、
プレイ時間をカスタマイズ。これイカス、ナイス!

痛い。痛すぎる。
”カスタマイズ”と、”イカス、ナイス!”のダブル死語を
韻で引っかけているのだが、なんていうか、誰か止めるべきである。

とまあ、企画者のちょっとした苦労がわかって頂けただろうか?
よっぽどシナリオを書いていたほうがラクだ、というのはよく聞く弁である。
さらに、初めて企画を担当したゲームにおける広告売り文句も手元にある。
当時のオレの限度を逸したバカさ加減が
晒されることになるので気が引けるのだが、勇気を持ってここに公開しよう。

 *『みる、聴く、ヤル』の三段つるべ落とし!
   <みる>…贅沢に挿入されたアニメーション!
全編アニメかと錯覚する充実量ですっ!
   <聴く>…喋りまくりのフルボイス!喋っていない隙間を
探すのが大変ですっ!
   <ヤル>…前作を踏襲したお手軽内容!
でも内容は前作を空襲しますっ!

こんなものを提出された時点で、社長はそいつをクビにすべきである。
39名無しさんだよもん:01/10/11 01:48 ID:Re1dbVXc




202 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/06(月) 00:00
 11/23(火)

なんと三ヶ月ぶりの日記なのか…と感慨もひとしおであるのだが、
なしてこんな忙しげな時期に更新再開なんぞを…と
自分のバカさにも感慨ひとしおである。
(なんにしても、掲示板などで更新再開を待っていてくれていたヒトたちには
感謝である。m(_ _)m)
本当は今月末が締め切りの同人の原稿を先に
書き上げなければならないのだが、書くネタが思いつかない。
業界暴露話の第四章からを書こうかとも思ったが、
ネタがほど遠く時効に及ばないので、
「これヤバいっす」
と自分の中で歯止めをかけてしまった。
そして思い悩んだ末に、次のような案に行き着く。

「仕方がない…とっておきのネタ、『ウ○コと私』を書くしかないのか…」
40名無しさんだよもん:01/10/11 01:48 ID:Re1dbVXc

『○ンコと私』…それは、オレの持病である「慢性下痢」との
過酷な戦いを描く予定である禁断の自叙伝である。
業界暴露話と同じくらいに過激ではあるが、
サークルの絵師たち(EIJI氏、樋上いたる嬢etc…)の
絵を目当てで購入すると、もれなくオレのエッセイ、
『ウン○と私』
がついてくるというのもイヤな話である。
いい気になってページをめくってると、嫌でも、
『ウ○コと私』
と目に入ってくるのである。
目を背けたくても、
『○ンコと私』
である。
素早くページをめくっていると、オレのページと前のページの
「樋上いたる」の名が重なってしまい、
『樋上ウ○コ』
と見えてしまい、後でオレが殴られるかもしれない。
だがそんな迷惑なタイトルでも、中身はこれ、
常に文章書きの生活を賭けてるつもりであるから、
きっといいものになるに違いない。
そんな一品、ちょっとここで宣伝しておこうと思う。
ダイジェストでどうぞ!
41名無しさんだよもん:01/10/11 01:49 ID:Re1dbVXc
 「オレの体は呪われているのか…?」

  1990年代初頭、それまで平穏無事だった人生が変わる…
  彼の体を蝕み始めた、病魔の正体とは…

 「もはや、正露丸でさえ、気休めにもならないというのか…」

  キッチンドランカーならぬ、キッチンセイロガナーと化す生活…

 「あなたっ…正露丸を後ろ手に隠し持っているのはわかっているのよ!」
 「違うんだ…これは、デカい鼻くそだ…」
 「ウソ言わないで!ああっ…ああぁーっ…」

  泣き崩れる妻…

 「お父さんの息…昔の正露丸クサくない息、もう一度嗅ぎたい!」

  愛娘からも突き放され、
  やがてみる家庭の崩壊。

 「動け…動いてくれ…オレの腸菌…」

  己の腹に思いをぶつける日々…

 「貴様の人生は何色だ?
  ふっ…オレの人生は…ウ○コ色だーッ! イェーーーッ!!」

  自虐的に転落の一途を辿り、その先に男が見つけたものは…
42名無しさんだよもん:01/10/11 01:50 ID:Re1dbVXc

  今、ここに暴露される孤高の文章書き”准”の私生活
  『ウ○コと私』…すたじお桜っち次刊に掲載予定!


こんなダイジェストを書かれた時点で、
サークル主宰者は即刻オレを締め出すべきである。
43名無しさんだよもん:01/10/11 01:50 ID:Re1dbVXc

203 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/06(月) 00:00
 11/30(月)

さて、値上がりを目前にカートン買いはお済みでしょうか。
と、聞いてなんのことだか分かるあなたはスモーカーである。
ということで、目覚まし時計である。(前振りにまったく意味ナシ)
前回の日記でも書いた通り、長年愛用してきた
バイブレーション機能付き目覚ましが壊れてしまったのだ。
いくら電池を変えても、秒針が9時を昇るあたりで、
「ふぅ…ここまでで勘弁してくり」
と、その動きを止めてしまうのだ。
「んなもん勘弁できるかーーッ!じゃあ、おまえは何ナノダァーーッ!」
と問いただしたくなるのもムリはない。
そりゃ重力に逆らうのだからタイヘンなことはわかっているが、
ここはひとつ頑張って欲しいところである。
「しゃあない…少し手助けしてやろう」
と止まるたびにひっくり返して、魔の45秒を乗り越えさせて
やっていたのだが、その補助が可能なのは起きているときだけで、
眠っているときまでは面倒見てやれないのだ。
そりゃそうで、こっちが起きてまで目覚まし時計を
揺り起こしていたんでは、どっちが目覚まし役なのかわからないではないか。
そんな状況でここ最近は、いつ寝過ごしてしまうか
わからないようなギャンブルチックな毎日を送っていたのだが、
いい加減疲れてきたので、買い換えを決心したのである。
44名無しさんだよもん:01/10/11 01:51 ID:Re1dbVXc

さて、ここからが本題。目覚まし時計の話なんてどーでもよいのだ。
意気揚々と「二度寝君」というワケわかんない目覚まし時計を購入後、
同店を彷徨くにつけ、オレは発見してしまっては
ならないものを発見してしまったのである。
「ぱ…ぱすてるチャイムだぁ…」
まさか目覚まし時計を売っているような電気店で
それを発見するとは思わなかった。
「コレ、ホントにぱすてるチャイムか…?
 ぱすてるチョイムじゃないだろうなぁ…」
バッタもんかとも疑う。
買ってしまってからそれに気づき、ハーフエルフのコレットが、
ゴブリンのゴレットになってて、しかも、
「ゴレットでおま」
「戦うでおま」
「マホウ使うでおま」
「あッ、使えなかったんでおま」
なんてボケまでかまされたりしたらショックのあまり、
オレは素っ裸になって三階の自室から、
「ィヤッホーーーーーーーーッ!!」
と飛び降りてしまうことだろう。
そんな最悪の事態を避けるため、冷静になって慎重に調べてみるも、
バッタもんの気配はない。
結局オレは痛む懐を押さえつつも、
「買うでおま」
と、レジへと向かってしまったのだ。
はぁ、コレットコレット。(←意味ナシ)
45名無しさんだよもん:01/10/11 01:51 ID:Re1dbVXc

ちなみに仕事でも集中しないといけないところに差し掛かり、
同人の原稿どころではなくなってきた。
うーむ…落ちるか?

↓とりあえずカウントダウンスタートである。
 原稿落ちるまで:残り8日



204 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/06(月) 00:01
 12/12(土)

年の瀬の怒濤の勢いに、もののみごとに流されつつある今日この頃である。
来週を越えてしまうと、新大阪のイベント、雑誌社の取材、
クリスマス、大掃除、冬コミ(オレはいかないが)、帰省と、
瞬く間に年明けを迎えていそうである。
しかしこの中で、冬コミともうひとつ、
現時点でオレにはまったく無縁なものがある。
その答えは、一年前に書いた未公開日記の中にある。
以下は、まだHPを持つ予定もなく、「壱」(Win版(^^;))に
おまけファイルとして収録予定だったのだが、
それも叶わなかった不遇のテキストで、
1997年12月24日に書かれたものである。

 * * *
46名無しさんだよもん:01/10/11 01:52 ID:Re1dbVXc

205 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/06(月) 00:01
12/24

今日はクリスマス…。

「神様……聖なる夜の奇跡に感謝します…」

って、奇跡なんて起きんのじゃあぁぁぁぁーーーっ!!
きょえーっ! ばたんっ _●■=
何が悲しくてオレは世のカップルどもがシャンパンを
飲み交わしているクリスマスの夜に、ひとり夜食に”辛みそネギラーメン”を
食っとるのだぁっ!!
そう、オレは今夜も泊まり仕事なのだ。
いや、まあ、仕事があるほうが逆にマシだったかもしれん…。
仕事がなかったらなかったで、目的もない空しい夜となっていただろうからな。
学生時代は、クリスマスの前日からクリスマスの翌日まで
24時間ぶっ通しで寝続ける、『あ、いつのまにか過ぎてたっ! てへっ!』
戦法を駆使して乗り切っていたが、
どうにも豪快なわりにはムナシすぎる技であったので、
禁じ手としたいところだったのである。
まあ、どちらにしろ空しいのには変わりはないが…。
しかし下手にクリスマスの日に日常を謳歌していると、ロクなことがない。
クリスマスは、やはりクリスマスなのであり、特別な日であるのだ。
バレンタインディも同じである。
あれも、特別な日であるという認識をコロッと忘れていると、
とんでもないことになる。
47名無しさんだよもん:01/10/11 01:53 ID:Re1dbVXc

オレはみごとにコロッと忘れていて、
たまたま食いたくなったので、その日にスーパーで堂々とチョコレートを
買ってしまった大バカである。
「くそっ、今年ももらえそうもないから、自分で買うのだ」
と、公言しているようなものである。
下手をすると、
「女なんかに負けるもんかっ! 待ってろよ、ケンジ…」
と、息巻くホモ野郎にも思われかねない。
とにもかくにも、もらえそうな男は、
なにもバレンタインデイのその日にチョコレートだけ単品で
買ったりしないのだ。
そんなオレであるので、やはりクリスマスも常に気を張ってないと、
間違えて、ひとりで高級レストランに踏み入ってしまう
という大ポカをやらかしかねない。
そして入ってから、
「ぐわ〜、なんだ、このカップルの量は〜っ!?」
と往生してしまうのだ。そして、
「しかし入ったからには、なにか食ってかないと…。
 くそ、七面鳥が食いたい。するとシャンパンが合うかな」
と、悩んでオーダーした末に、並べられた料理を見て、ビックリ。
「きょえーっ!!」
奇しくもオレのテーブルは、ひとりきりのクリスマスパーティーの
様相を呈してしまっているのだ。
48名無しさんだよもん:01/10/11 01:54 ID:Re1dbVXc

考えただけでも恐ろしい。
そんなの○チガイの行いである。
偶然にしろ、オレはあまりの寂しさのあまり、
恋人たちの中に入って、クリスマスの気分だけでも
満喫する寒すぎる青年でしかない。
あるいは、物忘れの激しいオレのことだ。
間違えて、夜のディズニーランドに行ってしまうかもしれない。
クリスマスのディズニーランドは、聞く話によると、
それはもう恋人たちだけのためにあるらしい。
右見て左見て、びっくり。
「なぜに、カップルばっかりなんだ、ぐわ〜!!」
と往生してしまうのだ。そして、
「しかし来たからには、なにか乗らないとな。
 ジャングルクルーズに乗りたい。よし、ミッキーキャップをかぶって乗ろう」
と、悩んだ末に乗ってビックリ。
「きょえぇーっっ!!」
前も後ろもカップルがずら〜っである。
男ひとりで、しかもミッキーキャップをかぶって
乗船している客なんぞはオレひとりである。
考えただけでも恐ろしい。
そんなの変態である。
偶然にしろ、オレはあまりの寂しさのあまり、
恋人たちの中に入って、クリスマスの気分だけでも
満喫する頭オカシイ青年でしかない。
そんな奴がいたら、オレだって友達になりたくない。
49名無しさんだよもん:01/10/11 01:54 ID:Re1dbVXc


まあ、少し極端だったかもしれないが、
そんな状況が容易に生まれかねない日は、ジッとしているのが一番なのである。

 * * *

以上。一年前の自分は別人のようにアホなのが、よくわかるテキストである。
さて、問題の答えのほうだが、実はンなもんどうでもよくて、
ただ単に昔のテキストを引用して日記の量を稼ぎたかっただけである。
いやぁ、しかしよく繋がったなぁ。
50名無しさんだよもん:01/10/11 01:54 ID:Re1dbVXc



206 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/06(月) 00:02
12/14(月)

朝、遅刻ギリギリ寸前で開発室になだれ込むように駆け込み、
一息ついていると、原画担当の樋上いたる嬢が唐突に、オレに向けて言う。
「今からカニ食べよに」
「はい?」
「カニ」
「はい?」
「カニ」
「カビ…?」
カビならば、手近なところを探せばあるだろうが、
まさかそんなものを朝っぱらから手で剥いで、
もさもさとみんなで食すなんて行為に彼女が誘うとは考えにくい。
「カニ」
やっぱり「カニ」で合っているようだ。
「茹でたの持ってきてるんよ。まだ温かいよ」
と言って、持っていた包みをとくと、我らが会議用テーブル兼食卓に、
輝かしいばかりの大きさを誇るカニが現れる。
「どへ〜」
「カニだっ、カニがウチらの開発室に来てくださったーッ!」
皆で寄り合って、つついたり、襲われた真似をしたりして、
その神々しさにしばし酔いしれる。
話によると、いたる嬢の知り合いの方から、皆でどうぞ、と受け取ったらしい。
(ありがとうございました。皆で美味しく頂きましたm(_ _)m)
51名無しさんだよもん:01/10/11 01:55 ID:Re1dbVXc
    女の子たちが率先して、足をもぎ取り、それを皆で頂く。
「うまいーッ!」
「100%カニだぞッ!カニじゃない部分がないッ!」
「当たり前だ、アホッ」
「ほんと、美味しいねーっ」
「見ろ!今オレはカニを食っている!」
「みんな食ってるわい」
と、大騒ぎしながら平らげてゆく。
その足を片づけてしまうと、残るは胴の部分となる。
だが胴となれば、当然中には内蔵やら、
わけわかんない気管が沢山詰まっている。
しかし、女性のほうが血を見るのに強い、
とはよくいったもので、そういう方面には概ね冷静なようである。
ためらいもなく、女の子たちがその残った胴の部分をバリバリと解体にかかる。
見ていると、
「キャーーッ!なんか出てきた〜ッ!でも食べてみよう…」
とか、
「ヘンなもの垂れてきた〜ッ!でもウマイかも…」
とか、
「ブツブツしてる〜、キショーーイッ!でもデリシャス…」
とか、中途半端に女の子らしい悲鳴をあげながら、
わっしわっしと隅から隅まで食い尽くしてゆく。
その間、男性陣は、
「キャーーッ!」
とわめいていただけである。

なんともはや、女性とは逞しいものである。
海で一緒に遭難だけはしたくないなぁ、と切に思うばかりだった。
52名無しさんだよもん:01/10/11 01:56 ID:Re1dbVXc




207 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/06(月) 00:02
 12/23(水)

ご存じの方も多いだろうが、KAMADOYAのお弁当に
新メニューが追加された。
こと、お弁当のネーミングにはうるさいオレなのだが(某ゲームコメント参照)、
今回のその新メニューにだけは冷静ではいられなかった。
その名は「ピビンパ弁当」である。
小さいフォントのままだとわからないかもしれないので、大きくしよう。
「ピビンパ弁当」
である。
ようは、ビビンバなのであるが、どうして「ビビンバ弁当」で
ないのかが最大の謎である。ビビンバとは、登録商標であるのだろうか?
とにかく内容がビビンバであろうが、
メニューに大きく「ピビンパ弁当」と書いてある限り、
客は正確に「ピビンパ」と発音して注文しなければならない。
それが正しい商品名であるからだ。
しかしオレが冷静でいられないのはそこである。
「ピビンパ弁当ください」
言いづらい上に、むちゃくちゃ恥ずかしいではないか。
間違えて、
「ピポパポ弁当ください」
とか言ってしまいそうである。
53名無しさんだよもん:01/10/11 01:56 ID:Re1dbVXc

実際このネーミングのおかげで、
予想見込み販売数を大きく下回っていることが予想される。
だがいくら恥ずかしく言いづらい商品名であろうが、
通い慣れた弁当屋の新メニューとなれば、注文せずにはいられないのである。
それが弁当人である。
だが、果たして、
「ピビンパ弁当ください」
などと真顔で言えるものだろうか?
いや、言えない。その時のオレでは言えなかったのだ。

ここからオレの鍛錬の日々が始まる。
通勤の際には、電車の中でも、
「ピビンパッ!ピビンパッ!ピビンパッ!」
と猛々しく連呼するように努め、夜は自室に閉じこもり、
「ピビンパ弁当くださいッ!ピビンパ弁当くださいッ!
ピポパポ弁当くださいッ!…あ、間違えたッ」
と、真顔のままで壁のメニューを指さすシャドウオーダニング
(んな言葉あるのか)を日々続けたのである。
54名無しさんだよもん:01/10/11 01:57 ID:Re1dbVXc


そんな訓練を続けていたある日、いつものようにKAMADOYAを
訪れたときのことである。
まだそのときのオレには自信がなかったため、
下唇を噛みながらも頼み慣れた弁当を注文するしかなかった。
(こんな屈辱も、今の訓練さえ終了すれば……頑張れ、オレッ)
そう自分を叱咤する。
だが、そうやって拳を固めていると、隣にいたおばさんが、
「ビビンバ弁当ください」
と安易に注文したのである。
(バカめ…どこにそんなメニューがある。よく見て発音しろ。
あれは「ピビンパ」だろうが)
オレはそう心の底で嘲笑した。
すると店員がにこっ、と営業用のスマイルの後、大声で告げた。
「ビビンバ弁当、ひとつ入りまーーーすっ!」

がしゃーーーーーーーーんっっ!

オレはそのまま後頭部で後ろのガラス戸をブチ割って、
立ち上がった後、帰宅したのだった。
55名無しさんだよもん:01/10/11 01:57 ID:Re1dbVXc

208 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/06(月) 00:04
以上で日記は終わりです。

次はエッセイ「リカちゃん決死行」です

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Flaming juneより転載


 3/22 『 リカちゃん決死行 』

そのときのオレは疲れていた。
ずっと仕事尽くめで、他にはなんにもしていないような状況が
続いていたからだ。
普通ならば、そういうとき人は、種族保存の原始的欲求、
すなわち性的欲求が擡げるのだそうだ。
だがオレの中に擡げた欲求は、妙なことにやけに具体的で、
且つなんの脈略もないもので、
「無性にスーパードールリカちゃんを見たいよぅ!」
という特殊なものだった。(ちなみにスーパードールリカちゃんとは、
現在テレビ東京系列で放映中の、どう見てもお子さま向けのアニメである)
いや、脈略がないことはなく、火曜になると決まって、
「今日はリカちゃんの日だよっ!」
という放映を予告するCMを見ていたためだろう。
「そうか…今日はリカちゃんの日なのか。でも、6時は会社だなぁ…」
以下、幾週もの間、訴えを続けられるも俺は見過ごしてきたのである。
56名無しさんだよもん:01/10/11 01:58 ID:Re1dbVXc

「今日はリカちゃんの日だよっ!」
「悪い、6時には戻ってこれんのだ」

「今日はリカちゃんの日だよっ!」
「明日でも無理なのだ」

「今日はリカちゃんの日だよっ!」
「社会人なのだよ、おにーさんは」

「今日はリカちゃんの日だよっ!」
「わかっとるわぃっ! 無理だっつーとるだろがっ!」

「今日はリカちゃんの日だよっ!」
「じゃあ、リカちゃんの日を『リカちゃんの日』という祝日に
制定してくれいっ! そうすりゃ見てやるわいっ!」

と、気の狂うような問答を続けていたのである。
ビデオで録画すればいいのでは?と疑問に思った貴方はするどい。
だが、俺は、
「一番苦手なものはなんですか?」
と聞かれれば、
「ゴキブリ」
と答え、
「二番目に苦手なものはなんですか?」
と聞かれれば、
「ビデオのチャンネル設定」
と答えるほどビデオのチャンネル設定が嫌いなので、
部屋にある二台のビデオデッキはどちらもテレビを録画できる状態にないのだ。
57名無しさんだよもん:01/10/11 01:58 ID:Re1dbVXc
そんな状況の中、仕事に疲れてしまったものだから、天使のほほえみの如く、
「今日はリカちゃんの日だよっ!」
というワードが愛娘からのおねだりのように耳にりんと甘く響き、
強迫観念となって、
「見ねば…『スーパードールリカちゃん』をぉぉぅっ!」

と、俺を駆り立ててしまったのだろう。





209 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/06(月) 00:05
というような事情から、オレは、ビデオ版の『スーパードールリカちゃん』を
購入することを拳を堅くして決意したのだ。
だがご存じの通り、『スーパードールリカちゃん』は、
とてもじゃないが俺のような大の大人が買い求めては
ならないような代物である。
なんつーか、アレを買い求めることは、
「一般人失格です」
というレッテルを張られるも等しい行為なのである。
あの一品を持って、レジに向かうことは、
「はい、オレやばい客ですから、今後注意してくださいね」
とレジの店員に自ら注意を促すようなものなのである。
しかも、それを鞄に入れたまま交通事故に遭って死ぬ、ということは、
「はい、オレこんなクズな人間ですから、このまま腐らせておいてくださいね」
と、死体の埋葬まで丁重にお断りするような行為なのである。
58名無しさんだよもん:01/10/11 01:59 ID:Re1dbVXc

店先でそのブツを仔細に眺めてみるも、その全身から、
「ご注意!成人男性が買ってはいけませんッ!」
と訴えかけているような、あられもないピンク色の
幼児向けの装丁なのである。
取り付けてある防犯用の警報装置を見ても、
それがまるで、オレのような人間に対して、ブー!!ブー!!と反応し、
「コレ持ってるのヤバい人デス!コレ持ってるのヤバい人デス!」
とたちまち大音量で警告するような、ヤバイ人用の警報装置に見えてしまう。
そんな想像を逞しくするたびオレは冷や汗で背中をビッショリと濡らし、
何も買わずにその場を立ち去るのだった。

「今日はリカちゃんの日だよっ!」
逃げ帰ってきた自分が情けなくて、ひとり真っ暗な部屋でCMを見るたび、
オレは暗澹な気分となった。
「ったく…オレって奴は…。
 ビデオさえ手に入れば、火曜日どころか、毎日がリカちゃんの日だぜ…」
煙草の煙を燻らせながら、そう呟く。
どこかで一般人でいたい、いい子ぶった自分が居た。
それを振り払わなければ、今回の件は片づかなかった。

その日は朝から寒く、オレの常識で固められた思考力を鈍らせるには、
適した日よりだった。
買うなら今日しかない。
決心しての、出社だった。
その決心が弛まぬよう、一心不乱に仕事に打ち込み、
気付けば、あっという間に終業時間だった。
「いくか…」
オレはショップへと向かった。
59名無しさんだよもん:01/10/11 01:59 ID:Re1dbVXc

210 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/06(月) 00:05
そこにはいつものように『スーパードールリカちゃん』が陳列されていた。
数も減ることなく、今から考えてみれば、
それはオレを待っていてくれたのかもしれない。
だが閉店間際のこの時間はレジが混み合う。
オレはレジのほうをギロギロと万引き少年のように睨み、機を伺った。
やがてレジに並ぶ客がひとりとなった。
「チャーーーンスッ!」
オレはわっしと獲物を掴み取ると、シュタシュタッ!と
レジの前へと瞬間移動を果たした。
前に居た客が精算を終えた直後、オレはレジのカウンターに、
すかさず例のブツを置いた。
だが、そこでレジの店員が「あれ?」という顔をした。
カウンターの上に千円札が一枚、残っていたのだ。
店員はその千円札が、精算のうちに入っていたものなのか、
それとも余分なものであったのかを確かめるため、
精算を終えたはずの客を呼び止めた。オレの目の前である。
しかも、オレの背後にはぞろぞろと客が並びだしているではないか。
「ピーーーーンチッ!」
オレは究極に焦った。オレの買い求めようとしている
『スーパードールリカちゃん』は、
「スーパードールリカちゃんです…」
と心細いばかりに縮こまって、レジのカウンターでさらし者となっていた。
60名無しさんだよもん:01/10/11 02:00 ID:Re1dbVXc
今更その商品を引くわけにもいかず、オレはただ冷や汗をかきながら、
不肖の我が子のように見守るしかなかった。
にも関わらず、一向に千円札の正当な持ち主はわからないようで、
レジに並ぶ客がざわめき始めていた。
だがそれは、精算皿に残っていた千円札に対して、
「誰のなんだ!?誰のなんだ!?」
と顔を見合わせているのか、レジのカウンターに載る
『スーパードールリカちゃん』のビデオを見て、
「誰のなんだ!?誰のなんだ!?」
と顔を見合わせているのか、よくわかんない状況であった。
見まがうことなく、次のレジ待ちをしているオレのである。
みんな静まっておくれ。

こうして苦難を乗り越え、ビデオを手に入れたはいいが、今は、
「無性にスーパードールリカちゃんの音楽が聞きたいよぅ!」
となってるので、近いウチに音楽CDを買うため、
再び果敢に立ち上がるかもしれない。
でももう、疲れたので、泣き寝入りしたい気分でもある。
オッサンは辛いぜ。