納豆と松屋と私〜麻枝スレ#4

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25名無しさんだよもん




197 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/05(日) 23:55
Flaming juneより転載

 8/22(土)

事件は昼食時に起きた。
「ピザを食おうぜ」
その一言が後にあのような大惨事を引き起こすことになろうとは、
誰一人予想しえなかったことである。

久弥と折戸の二名が○ォルクスに出かけてしまうと、
開発室には樋上いたる、ミラクル☆みきぽん、
しのりの女性陣と男のオレの4名が残ることになる。
オレの前述した一言がきっかけとなり、
そのメンツでピザを注文することになった。
「もしもし、ピザの注文よろしいですか?ビックリージャンボ二枚お願いします」
手際よく注文を済ませ、待つこと数十分。
ほどよく到着したピザの箱を受け取ると、オレは嬉々として蓋を開く。
そして…
「ぬぐぉ…」
絶句。
「……デカい」
届けられたピザ、一枚がものすごいデカさなのである。
知らない人間が入ってきたら、座布団と間違えて
思わず座ってしまいそうなほどである。
26名無しさんだよもん:01/10/11 01:39 ID:Re1dbVXc

「食い物か…コレが…」
一気に食う気が失せるほどである。
「異様でしゅね…」
「まさしく、ビックリージャンボ…」
男4人ならまだしも、オレ以外は女…つまり一枚は
女性陣二名で食いきらなくてはならない。
1枚12ピースに分かれているので、数で言うとひとり6ピースでいいのだが、
その1ピースだってとてつもなくデカい。
知らない人間が入ってきたら、土産物屋の
ペナントと間違えて思わず壁に飾ってしまいそうなほどである。
しかしここで意気消沈していても何も始まらない。
オレたちはその攻略にとりかかった。
だが実際食べてみると、
「う、うまい…」
うまいのだ。
勢いよく二枚ほど平らげても平気である。
オレが景気良く四枚ほど片づけた時点で、皆を振り向き見る。
「………」
「………」
「………」
誰もが無言で口を動かし続けていた。
「なんだ?こんなに美味しいのに、なに暗い顔して食ってんだよ」
そして五枚めに取りかかると、
「………」
オレも無言になった。
27名無しさんだよもん:01/10/11 01:39 ID:Re1dbVXc

苦しい時間は続き、オレたちは倦怠期を迎えた夫婦のようになってしまった。
「払った1000円分は取り戻すでしゅ……ぐぼっ」
「やめとけ、みきぽん…」
「誰よ、こんなザブトンみたいなの二枚も頼んだのっ!」
「しのりだ」
「おまえだっ!」
「二度とピザ食いたくなくなりそうじゃのう…」
「誰だ、おまえは」
「1000円分…」
「残り何枚…?」
その声に数えてみると、残るは8枚。
「………」
「…無理だ」
皆が限界に達しているこの状況で、未だなお残されたノルマ、
ひとり2枚はどう前向きに考えても達成不可能だった。
しかしそんな窮地へ、神は天使を使わせたのだ。
がちゃ。
「戻ってきたで〜」
「うー、腹一杯や〜」
そう、○ォルクスで昼食をとってきた久弥、折戸両名である。
「仕事するで〜」
「うー、腹一杯や〜」
しこたま食ってきたらしく、満足げにオレたちの脇を抜けて席に戻っていった。
ピザに目を戻すと、8枚のままである。
あたりまえだ。横を通りかかっただけで
減ってゆくピザなどこの世には存在しない。
というわけで、ばッ!と皆一斉に久弥、折戸両名を振り返ると、
「食え、おまえらっ!」
有無を言わさずピザをその口に突っ込んで、力尽くで天使にしてやる。
28名無しさんだよもん:01/10/11 01:40 ID:Re1dbVXc

そこからはまさしく決死行。
自殺行為でオレと久弥は2枚づつ、残りのメンバーが
各1枚づつという最後の戦いに突入した。
「みんながんばれ…!」
互いを励まし合うオレたち。えてして友情とは
こういう状況において深まるものである。
そしてひとりが食べ終わるたび、誰ともなしに拍手が漏れる。
だがオレ自身、己のノルマをこなした時点でぶっ倒れてしまい、
完食の瞬間にどのような歓喜が巻き起こったか、見届けることはできなかった。
だが次目覚めたとき、床に転がる無数の四肢と、
空になったピザの箱を確認して、オレはひとり虚しくも
勝利を噛みしめたのだった。
後に久弥はこの事件をこう振り返る。

「ピザごときに開発室が壊滅状態に追い込まれるとは思いもしなかった」

以上が『ピザで開発室壊滅事件』の顛末である。
29名無しさんだよもん:01/10/11 01:41 ID:Re1dbVXc

198 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/05(日) 23:57
 8/26(水)


事件は終業寸前の夕刻に起きた。
まさか、あのようなモノがあのような惨事を招くとは、
誰しも予想しえなかったことである。

開発室のマシンはすべてLANで繋がっており、
データを媒体を使うことなく受け渡しすることができる。
パソコンを扱うオフィスにおいては欠かせない環境である。
そしてこの日、ウチのグラフィッカーである しのり が
自らの領域の一部をフルアクセスで共有化した。
すると開発室内のマシンすべてからのアクセスが可能となり、
その領域に関しては書き換えや削除、なんでもやり放題となる。
いわば、ハックが可能な状況が生まれたのだ。
しのり は、ある素材を久弥直樹から受け取るために共有化を行ったのだが、
その過程で戸惑っている隙をついてオレは、ハックをしかける。
内容はいたって簡単かつ、効果的だ。
ウンコ101
ウンコ102
ウンコ103…
という名前を持った、のべ100個のフォルダ(通称ウンコフォルダ)を
作成し、それを しのり の共有フォルダに一気にコピーしてやる。
30名無しさんだよもん:01/10/11 01:41 ID:Re1dbVXc

すると作業中のしのりのマシン上では一気に、
以下のような怒濤のフォルダ群が展開される。
ウンコ101 ウンコ111 ウンコ121 ウンコ131 ウンコ141 ウンコ151 ウンコ161 ウンコ171 ウンコ181 ウンコ191
ウンコ102 ウンコ112 ウンコ122 ウンコ132 ウンコ142 ウンコ152 ウンコ162 ウンコ172 ウンコ182 ウンコ192
ウンコ103 ウンコ113 ウンコ123 ウンコ133 ウンコ143 ウンコ153 ウンコ163 ウンコ173 ウンコ183 ウンコ193
ウンコ104 ウンコ114 ウンコ124 ウンコ134 ウンコ144 ウンコ154 ウンコ164 ウンコ174 ウンコ184 ウンコ194
ウンコ105 ウンコ115 ウンコ125 ウンコ135 ウンコ145 ウンコ155 ウンコ165 ウンコ175 ウンコ185 ウンコ195
ウンコ106 ウンコ116 ウンコ126 ウンコ136 ウンコ146 ウンコ156 ウンコ166 ウンコ176 ウンコ186 ウンコ196
ウンコ107 ウンコ117 ウンコ127 ウンコ137 ウンコ147 ウンコ157 ウンコ167 ウンコ177 ウンコ187 ウンコ197
ウンコ108 ウンコ118 ウンコ128 ウンコ138 ウンコ148 ウンコ158 ウンコ168 ウンコ178 ウンコ188 ウンコ198
ウンコ109 ウンコ119 ウンコ129 ウンコ139 ウンコ149 ウンコ159 ウンコ169 ウンコ179 ウンコ189 ウンコ199
ウンコ110 ウンコ120 ウンコ130 ウンコ140 ウンコ150 ウンコ160 ウンコ170 ウンコ180 ウンコ190 ウンコ200…
31名無しさんだよもん:01/10/11 01:43 ID:Re1dbVXc

199 名前:茸@真性鍵っ子投稿日:2000/11/05(日) 23:58
「どあーーーーッッ!!」
案の定、羞恥に崩れ落ちる しのり の声。
これで、このネット社会における見えざる敵の恐ろしさを身をもって…
ぼかッ!!
「なにさらすんじゃいッ!」
「ぐあッ、なぜバレた!?」
ちなみにウンコネタはオレの十八番である。
見え見えの敵だったらしい。
と、ここまでは牧歌的な開発のワンシーンであるが、
実際の事件はここからである。
そこから、久弥直樹、ミラクル☆みきぽんも加わって、
しのり の共有フォルダをハックしまくる。
「うらうら〜!」
「はきゅはきゅ〜ッ!」
コピー&ペーストを使い、ウンコフォルダを雪だるま式に増殖させ遊ぶ。
今や しのり のマシン上では、どのウンコフォルダがどれだけの
階層に至っているかさえ定かではなくなってしまっていた。
「ぬお〜ッ、削除がおっつかーん!」
悲鳴をあげる しのり。
だが、その悲鳴が真のモノに変わる。
32名無しさんだよもん:01/10/11 01:44 ID:Re1dbVXc

「うがーーーッ!!」
「あん?どうした」
「なんか削除できへんねんけど…」
「んなわけあるか」
「削除しようとするとエラーでるねんけど…」
そう。調子にのって階層をどんどんと掘り下げてゆくうちに、
パスが長くなりすぎて、WINDOWS上からは
削除不能の状態に陥ってしまったのだ。
このまま放っておくと、しのり のマシンには半永久的に深い階層を
持ったウンコフォルダが蔓延ることになる。
「そんなん、ヤじゃ〜っっ!!」
冗談では済まなくなり、オレたちは必死で しのり の共有フォルダの
削除にかかった。
だが、どうしても消せないのである。
「…駄目だな。どうしてもウンコ126で引っかかる…」
「ウンコ127は?」
「無理だ。消そうとしても、ウンコ126でエラーがでる」
「ウンコ126のファイル名を変えても無駄か…?」
「階層の深さだからな。ウンコ126自体が問題だというわけではない…」
当の本人たちは真剣なのだが、なぜだか引き締まらない会話である。
33名無しさんだよもん:01/10/11 01:45 ID:Re1dbVXc

「となれば、DOSから消すしかないな…」
しかしここにも落とし穴があった。
DOSモードからだと、フォルダはひとつづつしか削除できないのである。
その作業に久弥直樹があたることになったが…
「コピーウンコ100削除完了…
 コピーウンコ101削除完了…
 コピーウンコ102削除完了…
 コピーウンコ103削除完了…
 コピーウンコ104削除完了…
 コピーウンコ105削除完了…
 …ぐあーっ!やってられっかあぁぁーッッ!!」
5分と保たず、発狂してしまう。
「無理だ、しのり。諦めてこのウンコたちと一生付き合ってくれ」
「ヤじゃーっ!」
しかも、さらに事態は悪化の様相を見せる。
再起動をかけた、しのり のマシンのハードディスクが
異様な音を立て始めたのだ。
34名無しさんだよもん:01/10/11 01:45 ID:Re1dbVXc

「なんだ、この音は…」
「しかも立ちあがないぞ…」
再び再起動をかけると、セーフモードで立ち上がる。
「システムの致命的損壊かも…」
「冗談よせよ…」
オレたちは真剣に焦った。
後悔するにも、原因がウンコフォルダの大量生産だというのが
あまりに情けない。
データのバックアップをとった後、再起動をかけると
何事もなかったように しのり のマシンは復活してみせたが、
今後どのような形でウンコフォルダの残した傷跡がその姿を
見せるかはわからない。
そしてオレたちは軽はずみな行動で招いた今回の事態を
言及するだけの余力さえ残っておらず、うなだれるばかりであった。
後に しのり はこの事件をこう振り返る。

「まさかウンコに一台のマシンが損壊寸前にまで追い込まれるとは思いもしなかった」

以上が『ウンコでマシン損壊寸前事件』の顛末である。