「ふうぅっ」
藤田君が入ってきたとき、自分でも赤くなるような色っぽい吐息が漏れた。
立派に大きくなった藤田君のアレが、うちのお尻にぎちぎちと分け入ってくる。熱い。
背面座位という体位だと言っとったな。ほんまに、そういうのどこで覚えてくるんやろ。
きっとすけべえな顔をしとるんやろけど、振り返っても何も見えない。薄手のタオルが目隠し代わりに
うちの頭に巻きついとるし、おまけに両手まで背中で拘束されとる。
はあ、とうちは別の意味でため息をついた。
あんまり真面目な顔して頼むさかい、ちょっとは無茶してもいいゆうたけど、こんなん変態やで。
さわさわ、と胸に指の感触。見えない分、その刺激はごっつ強烈に神経を伝わる。
「あっ、うんん、くすぐったいわ」
うそ。くすぐったいというより、気持ちええ。
思わず腰をもじもじさせてまって、お尻の穴にぴったりはまったアレを余計に感じてまう。
「ふう……ああ……ふぅ」
「なあ委員長。クラスのみんなとは、うまくいってるか?」
「な……なんやの、こんなときに」
指が、下の方に向けて這い下りてくる。
「うん……うまくいっとると思うで……岡田さんとかとも話するようになったし……」
急に岡田さんらの態度が変わったのがここ最近のこと。話してみれば、彼女らもフツーの女の子やった。
ま、うちも意地になりすぎたこともあるしな。
「男子の方は?」
「ん、え?」
「こないだちょっと聞いてみたんだ。カノジョの評判てのは、やっぱ気になるし」
「ふう……ふう……ほいで?」
藤田君の指がアソコにたどり着いた。もうとっくに濡れとるスリットを、指一本でなでるように弄って
くる。もっと強うして欲しいのわかっとるくせに、じらしよるんやから。
「やっぱ今までのことがあるからな。取っ付きにくいとか、冷たいイメージがあるってさ」
「そう……でも、ええわ。うちには藤田君さえいれば、それでええ」
「俺は、それじゃ駄目だと思う」
耳元でささやく声。どゆこと?
「俺だけを見てくれるのはうれしい。でも、それじゃ前と大して変わらない。閉じこもる殻の中に入るの
が、一人から二人になるだけさ。みんなと仲良くなるのが、委員長のためだと思うんだ。せっかくの高校
生活なんだからさ、卒業するまでにもっといっぱい思い出を作ろうぜ」
「そっか……」
藤田君、うちのことホンマに真剣に考えてくれてるんやね。
でもこんな状況で言わんでもええと思うんやけど。ちょっと意地悪な思いがもたげる。
「もしそれで、他の男子を好きになってしもたら、どうするん?」
「それは大丈夫。俺が一番いい男だから」
ふふふっ、しょっとるなあ。
「ありがとう。……そやな、そうしてみるわ。ふわっ」
つぷ、と藤田君の指がアソコに入ってきよった。別の指が硬くなったお豆さんを弄うとる。お尻のアレ
も、細かく動かしよる。腰の奥の方で生まれた熱い塊が、背骨を這い上がってくる。
「そんな、されたら、すぐにっ、ふあっ、イッてまうやんか」
「じゃあみんなで……いいよな?」
「あぁ、ええ、ええよ」
自分でもなにを言うとるのか分からへん。力の入らん腰と、せいぜい動かせる上体をよじって、藤田君
をいっぱいに感じようとする。たぷんたぷんと重たい胸が、痛いくらいに揺れとる。
藤田君が何か言ったんは聞こえなかったけど、部屋のドアが開いたのは分った。
続いて中に入ってくる気配。二人、三人……四人!?
「な、なんやの? 誰!?」
真っ暗闇の中で近づく足音が、ベッドを取り囲んで、止まった。
「クラスの男子。もちろん全部じゃないけど」
「だ、男子て……」
思わず言葉に詰まる。周りから荒く興奮した息遣いが聞こえる。興奮……!!
「あかん! 駄目や、見んといて!」
全身が、かあっと熱くなった。
「ふっ、うっああぁぁぁぁ」
藤田君が激しく突き上げだした。前に回った指の動きも急に激しくなる。そんなんあかん、あかんて。
荒々しい息が、耳に忍び込んでくる。
藤田君のだけやない。前にいる男子のや。
うちの姿を見て興奮してる。
ベッドの上で藤田君にまたがって、アレを抜き差しされているお尻の穴。
両手の指でいじられてるアソコとお豆さん。
突かれるたんびに跳ねるように弾むおっぱい。
紅くなった顔も、だらしなく開いてよだれをたらす口も、汗を浮かばせた肌も。拘束された腕では隠し
ようもなく晒され、いつもクラスで顔を合わせる男子達の視線を浴びている。
おツユの量が増えるのが自分でもわかる。
うち、見られて感じてるんか。そんな。
「ひゃあっ!」
思わず大声が出てもうた。快感の名残に乳首がジンジンしとる。
誰かが触ったんや。藤田君やない。びっくりして手を引っ込めたんかな、と思う間もなく、今度は
おっぱい全体を掴まれた。感じまくっとるときにそんなに揉まれたら、うち。
「ふううううううううぅん」
また指の感触。別の男子やろ。わき腹の辺りを撫で上げとる。また。今度はふくらはぎ。首筋。太もも。
足の指とその間。二の腕。もうどこを何本の指が這ってるのかもわからへん。目隠しの中の視界がピンク色
に染まるくらい強烈な快感の中で、うちをさらに上へ押し上げようと、ひたすら柔らかく続けられる愛撫。
保科さん。委員長。つぶれたような声。みんなも感じとるんか。うちも。頭の中が白うなる。突き上げ。奥まで入ってくるアレ。熱い熱い熱い。いやらしい指。アソコの指とお尻のアレがこすれる。ぎゅ。
「あっ、やあっ、もう、もうあかん、うち、うちいっ!」
びくびくと痙攣して、うちはイッた。同時にお尻の中にびしゃびしゃと液体が打ちつけられて、じん
わりと暖かくなっていく。
ああ、藤田君も一緒にイッたんやね……。
手を縛っていたタオルを解かれる感触で、意識が戻ってきた。
赤くなった手首をさすりながら目隠しをはずすと、最初に目に入ったのは心配そうに覗き込んでくる
佐藤君の顔やった。
「大丈夫、保科さん?」
「え……あ……うん……」
いまいち力が入らへん。舌もなんや痺れたみたいや。
けだるい身体に、背後から腕が回される。
「ごめんな、いいんちょ。いやだったか?」
藤田君の声。うちを大事にしてくれる人の声。ま、うちのことを考えての事やさかい怒ったりはせえ
へんけど、まだ後ろに入っとるアレが硬いまんまなんはどういうこっちゃ。ホンマは単に楽しんでたん
やないやろなぁ。
男子は佐藤君を入れて四人いた。みんな心配そうにして気遣ってくれる。
「ええよ、うちも嫌やなかったし」
「で、どうする?」
「どうて」
四人を見回してわかった。ズボンの、その、アレの部分がテントを張っとる。
女の子のあんな姿見せつけられたら、そうもなるわなあ。
「もうやめようよ浩之。これ以上は保科さんがかわいそうだよ」
優しいなあ、佐藤君。それに比べて……。思いっきり力入れたれ。
「痛でででで」
「ええねん、みんな。どうせこの男が無理強いしたんやろ? うちもみんなを気持ちよくさせたげる。
ううん、したいねん……な?」
お願いすると、みんな照れくさそうにズボンを脱いでくれた。うわあ。
男子のアレって、いろんな形があるねんなあ。
うちは一番近くにいた佐藤君のアレを手にとると、そっと唇を寄せていった。
それからは、変わったね、とよく言われるようになった。もちろんいい意味でや。
自分でもびっくりするくらい明るくなったし、クラスのみんなとも気軽に付き合える。
特に男子。あんなことしたわけやし、藤田君以外ともエッチしたこともある。でも浮気とは
思ってないけどな。なんたって、この道に引っ張りこんだんは彼氏の藤田君本人や。
「ま、俺としてはいいんちょが明るくなったのは嬉しいよ」
それにしては何かぱっとせん顔しとるけど。もしかして。
「ひょっとして、妬いとるんか?」
おや、視線を逸らしよる。なんや、可愛いやん。
「でもなあ安心し。他の男子とエッチしても、後ろは許してへんねんで。うちのお尻は藤田君だけの
もんやさかい……」
「……」
「……」
「……」
この。
「痛ってえ!」
「なんでそこで黙んねんな! 恥ずかしいやないか」
「聞いてるほうだって恥ずかしいやい」
「あーあ。こんなノリの悪い男と、海に行くの止めとこかなあ」
「え! ビキニ着て海に行くのは前からの約束じゃないか」
「ビキニ着るなんて約束してへん」
「えー」
「えー、やない」
「ビキニ姿のいいんちょ見たいなあ、ボク」
誰がボクや。ほんまにもう。もっとすごいもんかて見とるくせに。
なんやおかしくなって、それからは2人で笑いながら藤田君の家へ行った。
今日はお泊りや。
なんせ後ろでするんは久しぶりやからな。今夜は寝かさへんで、藤田君。(了)