高橋「まあ分かりやすく言うとな、君みたいな特殊な才能を持っている人は
世界中に他にも大勢いるらしくてね。で、俺が所属している"システム"は
そういう人材を監視して、警戒している――危険ならば殺すし
役に立つなら入社させる。
だから君にも味方になってもらう。システムの――"リーフ帝国"のね」
少女「…エロゲの"才能"ならなんでもいいってわけなの?
それがあんたたちの欲しいヤツと違っていたらどうするのよ?」
高橋「ああ、リーフ帝国はとにかく今は"スタッフ"を集めることこそが
先決だと考えているらしいから、その中身までは問われないのさ」
しかし彼が言ったのはこの辺りまでのことである。
このわずか1年後にはリーフ帝国は"下川・中上ショック"と呼ばれることになる
"折戸の脱走"事件に遭遇し、以後の"規制"を一層厳しくすることになるからだ。
高橋「ええと、名前はなんて言うのかな?改めて教えてくれないか。
ちなみに俺には"高橋龍也"という名前が付けられているが」
この問いに少女はちょっと息を吸いこんで、
そしてわずかな決意を語尾ににじませながら言った。
少女「青村早紀」
それは誰にも悟られてはならぬ決意である。
今、彼女がやっているこの"演技"を決して見破られてはならないという――
そう、すべては口からでまかせなのだった。
萌えるキャラが書けるとか、それで人を感動させられるとか、
そんなものは全部嘘っぱちなのである。