847 :
727:
監督就任依頼については、当事者の東尾自身がもっとも驚いたことだろう。
彼自身、監督はおろか投手コーチとしてさえ現場に戻れることはあるまいと考えていた。
過去に不祥事をしでかした自分を監督として迎えてくれた堤に対し、東尾が逆らうことは
ありえない。それどころかフロント連中よりもさらにさらにへりくだってオーナーに接し、
堤の言葉を脂汗を流しながらかしこまって聞いている東尾には大きなヘマさえしなければ
広岡・森並みの長期政権が約束されていた。
そして、結果からいうと東尾の監督在籍期間は7年。森の9年、広岡の4年に比べると、
成績の割には長かったといっていいだろう。
実は、堤としてはもう2〜3年東尾に監督を続けさせてもよかったのである。
それを7年目で見限った遠因は、平成11年に入団した松坂にある。