思えば根本管理部長という人間は大した人物だった。
あのオーナーと現場の両方をうまく渉りあったのだから。
通常の神経なら半年も持たない。
堤も、言うことを聞いたり聞いたふりをしたりする根本を煙たがっていたが、
結果(優勝)を出し続けたので、露骨な現場介入はできなかった(それでも姑息な
間接介入をしていたが)。
広岡にとっては、現場の意見を100%聞いてくれない根本に業を煮やし、
堤に直訴して根本を追い落とし、自分がゼネラルマネージャーになることを画策したが、
意外にも堤は広岡を切った。これには広岡も驚いたが、堤は堤で全く別のことを考えていた。
(´∀`)ノ つづきまだ〜♪
729 :
727:02/10/28 22:33 ID:???
広岡を切れば、来季の優勝は難しくなるので、そうなれば根本に責任を取らせ首を切って、
自分の言いなりになる人物を据えようと、堤は思っていた。
ここで、当時の堤と広岡との「辞任会見」を思い出して欲しい。
広岡の辞任理由はなんと「通風が痛んだため」という仰天するものだった。
古今、数多くの監督が退任してきたが「通風」を理由にした監督などそれこそ前代未聞。
その「通風」が何を意味するか、堤にはよく分かっていた。
しかし、堤の陰険なやり方を「通風」と表現した広岡もなかなかのものだ。
堤はそれを聞き「通風が痛むというのは、痛む理由があったからだろう」と彼独特の皮肉
で返した。おそらくはらわたは煮えくり返っていたろう。
辞任会見後、側近に当り散らし、会見設定でちょっとしたミスをした社員を即刻首にしている。
かつての大物オーナー・大正力を敬愛していた広岡は、物事をずばりという正力と比較して
陰で陰謀を画策する堤は許せなかった。堤と縁を切っても球界で生きていけるだけの自信が
彼にはあったので、あの皮肉が言えたのである。
しかし、いかに広岡といえどもマスコミに対して直接的な表現での堤批判は出来なかった。
あの「通風辞任」が彼の出来る範囲での抵抗であった。
「通風」のなんたるかを感づいているマスコミ記者も、いることはいたが、むろん真実は
書けるわけがない。せいぜい広岡・根本の確執劇としてお茶を濁すのが精一杯だった。
(続くかも。評判が悪かったらこれで打ち切り)
続けてぷりーず
(・∀・)イイ!
(´∀`)ノ つづきプリーズ!
732 :
:02/10/28 23:36 ID:MkS/yg+y
逝悔弱すぎて燃料不足。つまんねぇ
727さん まだー??
734 :
727:02/10/29 11:44 ID:???
広岡は堤を暗に「通風」にたとえてマスコミの前で堂々と批判した。
それは同時に西武グループとの決別も意味していた。
しかしのちに広岡はこのことを大いに後悔することになる。
彼が強く望んでいたのは、実は巨人の監督の座である。
選手時代、あの有名な「長嶋ホームスチール事件」がきっかけで
川上監督を始め首脳陣批判をしたばっかりに、石もて追われた球団。
できれば古巣巨人の栄光の監督の座にどうしてもつきたい。
そしてあのとき俺を追い落とした奴らを見返してやりたい。
そしてそのチャンスが巡って来た。
王が監督を解任される昭和63年、シーズン終盤のことである。
(・∀・)ワクワク
736 :
727:02/10/29 12:13 ID:???
昭和63年のシーズンも終盤にさしかかり、巨人の優勝はすでに絶望となっていた。
王に見切りをつけた巨人フロントは、次の監督候補の検討に入っていた。
このことは極秘裏に進められた。
最終的に名前が残ったのは藤田と広岡である。
そして二度目の藤田よりも西武を常勝チームに育てた広岡の方を推す声の方が、
フロントには実は多かったのである。
そして、フロントは内々に広岡に来季の監督就任を打診してみた。
広岡にとっては、これを逃せば二度とはないチャンス。
本心では二つ返事で引き受けるところだが、彼にはひっかる点がひとつあった。
(・∀・)デ?!
738 :
727:02/10/29 13:19 ID:???
巨人軍にはチームを取り巻くマスコミと膨大な数のファンのがある。
その規模は西武の比ではなく、彼らを無視してうかつには行動できない。
そして忘れてならないのは超スーパー・スターのONの存在がある。
広岡には、長嶋退陣時のマスコミとファンからの猛反発が頭にあった。
今季、優勝できそうにないとはいえ、成績は2位。
王にもまだやる気はある。そこで自分が就任を快諾してしまうと、王を追い出した
悪者になってしまう。ただでさえ「冷血動物」との批判があったヤクルト・西武の
監督時代。うるさいOB連中がいる巨人では、最初から悪党の烙印を押されてスタート
するのはいかに広岡とはいえ、やはりやりずらい。
広岡は、ああみえても結構気配りをする繊細な面もあるのである。
特に待ちに待った巨人軍監督の座。一度なったからには2〜3年で辞めたくはない。
そのためには、ことは慎重に運ぶ必要があった。
そこで、広岡は提案した。
「王はまだ監督を続ける意思を持っていると思う。それならあと1年だけやらせてはどうか。
そして来季優勝できなかった場合に、私は監督を引き受けましょう」
それを聞いた某フロントは、広岡の言葉をオーナーに報告した。
当時の巨人のオーナーは、あの「山があるから登るんだ」で有名な大正力の不肖の息子である。
この男が広岡の考えを、西武の堤オーナーに遠慮して言っているものと勘違いして、
結果的に全てをぶち壊してしまった。
(・∀・)フムフム
740 :
727:02/10/29 14:54 ID:???
広岡には計算があった。
王に一年間の猶予を与えることで、彼の顔も立つ。
それに王自身が中畑・篠塚・角などの長嶋派から総スカンを喰っている今の状態では
来季の優勝はとても無理。悪くするとAクラスも危ないかもしれない。
あと一年だけ我慢すれば、夢にまで見た巨人軍監督の座につけるのだ。
その前に阪神から破格の年俸条件で誘われたにもかかわらず、それを蹴ってまで
待ちつづけたジャイアンツの現場トップになれるのだ。
それに、生真面目で一本気な王のこと、フロントからあと一年との念押しをされると
自ら辞任を申し出るかもしれない。そうなれば「フロントの熱意に押されて、
愛する巨人軍のため、お世話になった大正力に恩返しをするために」引き受けたとの
大義名分が発表できる。その日はもうすぐ目の前に来ている。
広岡の心は踊った。この当時の広岡に逢った人は「あんなに機嫌がいい広岡は見たことがない」
と述懐している。本当に心から嬉しかったのだろう。
741 :
727:02/10/29 15:08 ID:???
広岡の計算違いは、巨人フロントが王を完全に見限っており、王更迭はすでに決定事項
であることを知らなかった点である。
知っていれば無論もったいぶらずにすぐ承諾したろう。
このへんは関係者の証言であいまいな部分もあるが、巨人フロント側の説明不足が
あったものと推測される。最初から正式な監督就任要請をすれば、問題はなかったのである。
さて、あのハナ垂れオーナーである。
大正力の不肖の息子は、能無しなりに黙って成り行きを傍観しておけばいいものを
「登らねばならぬ大きな山」があるとでも思ったのか、広岡招聘には彼が気にしている
西武の堤オーナーにひとこと挨拶をしておかなくてはと、堤に連絡をとり、
彼と逢うことにした。
(・∀・)イヨイヨ
743 :
727:02/10/29 15:23 ID:???
バカ息子オーナーからことの一件を聞いた堤オーナーは、その場では
「広岡さんはうちを常勝球団にしてくれた偉大な監督。巨人の監督でもりっぱに
連覇を成し遂げるでしょう。正力さん、日本シリーズでまたお会いしましょう」
との儀礼的なエールを送った。
これで正力は「大きな山を越えられた」とでも思ったか、ほっとして球団事務所に
帰って、あとは広岡就任に向けての詰めの作業を行なうだけと思い込んでいた。
事務所に着くと険しい顔のフロント幹部が正力を出迎えた。
「どうした。何かあったのか?」正力は怪訝な顔で幹部に尋ねた。
「オーナー、広岡さんの話はダメになりそうです。」
「えっ、なぜ?だって俺はたった今堤さんと会ってきて…」
「それですよ、オーナー。先程堤さんの側近から電話があって、広岡さんが
西武を辞めたいきさつと、今後彼が巨人でどんなことを企んでいるかを
詳しく話してくれたんです。」
(・∀・)ナンダ?!
745 :
727:02/10/29 16:20 ID:???
直接自分の口からは言わずに部下を使って色々策略を施すのは、
堤独特のやり方である。
堤に通風呼ばわりされた彼にとって、広岡が人気チームの監督になって
脚光を浴びるなど、許しがたいことだったのだ。
西武幹部は、広岡が西武を辞任した背景には広岡が管理部長の根本の追い落としを
謀ったことが原因であり、それに怒った根本が彼を切ったとの説明をした。
広岡が狙ったのは、フロントと現場の両者の全権を一気に掌握するゼネラル・グラウンド・
マネージャーであったとも。
むろん、それは一部は正しい部分もあるが、広岡は巨人軍で全権マネージャーを目指すなどと
いう大それた考えまでは持っていなかった。
(のちにゼネラル・マネージャーについては、千葉ロッテという弱小チームで実現する。
ロッテGMの地位が、わずか2年でおじゃんになった経緯についても面白い話があるのだが、
これは堤とは直接関係ないので割愛。)
それを聞いて、巨人フロントは蒼くなった。
広岡がそれほどの野望を抱いているとは、夢にも思っていなかった。
そんなの考えの人間が監督になり連覇でもすようものなら、簡単には首にできない。
そうなると彼はフロントをも掌握しようとするだろう。
フロントの自分たちの立場が危うくなることだけは、絶対に避けなければならない。
かくなううえは、欲のない藤田の再登板しかない。
能無しハナ垂れオーナーには、フロントと広岡の間に入ってうまく行かせる自信がない。
ここはフロントの意見を入れて話を進めるしかない。
広岡の巨人監督の夢は、ここについえたのである。
(まだまだ続く予定。よければ)
糞西武抹殺age
747 :
西口マンセー:02/10/29 19:32 ID:8HnpkuMc
よえーぜウンコ西武
749 :
ナナシマさん:02/10/29 21:22 ID:mHUGHbGl
もっと聞かせろ。てか、ロッテの話も聞かせろ。広岡氏ね
>>727氏
ヽ(´ー`)ノつづきキボンヌ!
ロッテのことも
清原のこととか
工藤のこととか
秋山のこととかも
なんか面白い話
あったら
おながいしますです
あ!忘れてた!
松坂のこと詳しくおながいします
752 :
727:02/10/29 21:55 ID:???
会社で他の社員の目を盗みながら書いてるので、テニオハにかなり間違いがあって
すまん。(当方窓際族)
続きはまた明日書くのでよろしく。(家のパソコンは息子専用のみにつき)
あ、ひとつだけ広岡の例の「長嶋ホームスチール事件」を書いておこう。
これがきかっけで、広岡は川上以下首脳陣を批判し、大正力のとりなしで一度は
おとなしくなるが、結局退団するはめになる。
このことで、広岡と長嶋の関係がまずくなったと思っている人も多いようだが、
実はそうではない。これには伏線があったのだ。
753 :
727:02/10/29 22:07 ID:???
もともと、長嶋は常識では考えられないことをしでかす選手であり、それが長所でもあり
欠点でもあったが、こと野球の試合でのこととなると例の「動物的カン」というやつが
プラスに働くことが多かった。
広岡を激怒させたホームスチールの前にも、似たようなプレーがあった。
二死で3塁に長嶋。打者が広岡という場面。広岡が2ストライクと追い込まれ、
次の投球のとき長嶋がホームスチールを敢行。しかし広岡は空振り三振。
広岡は怒ったが、これは実は長嶋が独断でやったこと。ただ、スチールするとの
サインを長嶋が出し忘れていたので、広岡は驚いて空振りしてしまったというわけ。
754 :
727:02/10/29 22:15 ID:???
広岡が怒ったのは、サインの出し忘れに対してであって、ホームスチールをやったこと
自体は、むしろ高く評価していた。
完全にノーマークであり、投球がボールならば成功していただろうから、この場面で
スチールした長嶋の野球センスに驚嘆したほどだった。
問題はそのあとのホームスチール事件である。
このときは一死3塁であり、外野フライでも1点入る。
そこで無謀にも長嶋がまたホームスチールをやってアウトになった。
これは以前のスチールが頭にあった川上監督が、不振の自分に対してのあてつけに
やらせたものと広岡は確信した。それ以前から広岡と川上の折り合いは悪かったのだ。
755 :
727:02/10/29 22:27 ID:???
このホームスチールについて、長嶋はあまり発言していない。
川上は自分のサインではなかったと言っている。
だが広岡にとって、あれは絶対川上がやらせたものだと今でも思っている。
のちに広岡は川上と和解したが、この件には触れないことが暗黙の了解事となって
いるようだ。では真相はどうなのか。
真相は、色々な人の意見を総合して推理すると、どうやら広岡の判断が正しいようだ。
そう、あれは川上が出したサインというのが真実らしい。
長嶋が時々突拍子もないことをしでかすので、これを利用して広岡にお灸を据える
いいチャンスだと思ってとった作戦だった。
この点を、数年前ずばり川上に尋ねたある人の話によれば、川上は
「あのころは、わしも若かったからなあ」と笑って否定も肯定もしなかったそうである。
(スレ違いの話を長々とすまん)
いやいやすごくおもしろいですよ。
お忙しいなかありがとうございます。
続き楽しみにしてます。
(・∀・)ソウダッタノカ!
しばらく見ないうちにスゴイ話が…。
727さん、これからもよろしく。
それにしても…いかに巨人が相手とはいえ、西武には全然らしさが見えないぞ。
ひょっとしてツツミとナベツネは裏取引してんじゃねーか?
「日本シリーズでは勝たしてやるから、1リーグ制の話はよろしく」なんてw
>>758 何?堤は1リーグ推進者なの?
広岡の話は凄く面白いんだけど・・・何かレベルの高いアンチスレになってきた。
西武ファンの俺が見ても為になる・・・とにかく今年のシリーズはハァ!?なだけ。
弱いといわれて仕方無い。
760 :
727:02/10/30 12:20 ID:???
古い話から順を追って行こうと思っていたけれど、ここは若い人も多いようだから、
先に堤と松坂に関わる話を書いておこう。
これは、今やってる日本シリーズにも関係する話だし。
堤は、松坂が大変な「お気に入り」なのは誰でも知っていることだと思う。
もともと堤は、選手に対して自分の「好み」を露骨に表して、選手起用について
口出しをすることがあった。ただこれは昔のワンマン・オーナーとは違って
間接的にやるのが堤の特長。そのやり方は実にさまざまだが、最終的には
フロントが人差し指を空に向けて「・・・の意向だから」と現場に介入すれば、
監督を逆らえない構図になっている。
あのオウム心理教事件で、幹部が信者たちに同じ事をしていた聞いて笑ってしまった。
761 :
727:02/10/30 12:44 ID:???
堤が現場に口出しすると言っても、以前はこの試合にあの選手を先発させるとか、
この選手を何番に使えとかいう細かいものでは無論ない。
「オーナーは○○に大いに期待している。○日の試合は観戦するのでぜひ頑張って
欲しいと言っておられた。」とフロント幹部がマネージャーを通じて監督に
伝えるだけでOK。これだとスタメンからはずそうかと思っていた選手でも、
監督は使わざるを得なくなる。
ただ、以前は管理部長としての根本がしたたかだったのと、広岡・森もなかなかの
策士だったので、堤の思いどおりにはならない場合も多かった。
「○○は、いまちょっとひざの具合が悪くて」なんて嘘をついてある程度は現場の
思い通りに出来ていた。
(・∀・)オッ!! 一番聞きたかった話だ!
763 :
727:02/10/30 14:13 ID:???
それが今では、露骨に現場介入をするようになった。
やはり根本の存在は大きかったと言わざるを得ない。
そもそも根本をダイエーに「売り渡した」のは、堤と中内のトップ会談で決まったこと。
名目は「ダイエーを強いチームに育て、西武対ダイエーをパリーグの目玉にする」
とのものだった。
これはこれで一面の真実ではあるが、堤にとっては目の上のたんこぶだった根本を
追い出すことが第一の目的だった。これで自分の思い通りになると考えていた。
あとは現場で思い通りにならない森監督をいつ追い出すか。
機会をうかがっていたが、森西武は勝ち続ける。なかなかチャンスがやってこない。
(・∀・)ウワァ・・
765 :
727:02/10/30 14:28 ID:???
マスコミのタブーとなっている堤批判だが、一度だけ堤は世間の非難を浴びたことがある。
それは平成元年のシーズンでおしくも優勝をのがした年のことである。
あの有名な「監督がやりたければ、どうぞ」という発言である。
この前に、堤は根本に対して森解任の意思を伝えている。
根本はこれに抵抗した。思えば堤に対してまともに意見できるのは、この世の中で
根本しかいなかったのではあるまいか。
根本は森に責任を取らせるなら俺を切れ、とまで言い切ったのである。
そして来季優勝できなかったら、あんたのいうことを何でも聞くと大見得を切った。
堤は腹を立てたまま森との会見に臨み、一時の感情があの発言を生んだのである。
日頃、堤を批判できないマスコミだが、あの発言が電波に乗ってしまったのなら
仕方がない。世論のブーイングに便乗して、最小限の堤批判をしてみせた。