公明党に「回答書」 市田書記局長が記者会見で公表
日本共産党の不破哲三議長が先の都議選での公明党の得票結果を分析し、「人為的な“票積み増し作戦”」を指摘したことについて、同党の冬柴鉄三幹事長が十三日付で不破議長あてに「抗議書」なるものを送付してきました。これに対し、日本共産党の市田忠義書記局長は十四日、冬柴氏あてに「回答書」を郵送しました。市田氏が同日夕、遊説先の長野市内での記者会見で明らかにしました。
「回答書」は次のとおりです。
一、貴殿から十三日付でわが党不破哲三議長宛「抗議書」なるものが届きました。
一、この「抗議」にお答えするまえに、ただしておきたいことがあります。
第一に、貴党は、支持団体の創価学会とともに、昨年の総選挙で日本共産党を中傷する謀略ビラを全国的に配布しました。日本共産党はこのことについて、昨年六月十九日付で、明確な事実の根拠を示した公開質問状を貴党や創価学会に提示しましたが、貴党はついに何の回答もされませんでした。そればかりか、その後も、今回の東京都議会議員選挙をふくめ、謀略ビラの配布を選挙の常套(じょうとう)手段にしています。
第二に、貴党の支持団体である創価学会は、一九七〇年五月に宮本顕治氏(当時日本共産党書記長)宅にたいし、電話盗聴をしかけました。この事実は、裁判でも確認され、創価学会および北条浩氏(創価学会前会長・犯行当時参議院議員)がかかわる組織的な行為であり、宮本顕治氏にたいし損害賠償百万円を払えとの明確な判決が、一九八八年四月に東京高裁で出され、同年十二月に創価学会側が上告を取り下げたことによって確定しています。それにもかかわらず、創価学会は、指定された損害賠償金を何の弁明もなしに振り込んできただけで、日本共産党にたいしても、宮本顕治氏にたいしても、いまだに何の謝罪もしていません。
この二つの行為は、公党や公的団体として当然持つべき政治道徳を放棄した、政治的社会的に許されない行為です。日本共産党に「抗議」なるものを提出する前に、貴党とその支持団体自身の姿勢をこそただすべきではないでしょうか。
一、公明党の「人為的な“票積み増し作戦”」にかかわる不破議長の指摘についていえば、それは、特殊な情報にもとづくものではなく、一九九七年都議選、二〇〇〇年総選挙、二〇〇一年都議選の三つの選挙における、都議選選挙区別の公明党の得票の異常な変動に注目し、その分析を根拠にしての指摘です。
例えば、目黒区の場合、一九九七年の都議選の得票が、三年後の二〇〇〇年総選挙で半減し(四七%)、その一年後、今年の都議選では再び二倍化しています(二〇〇%)。同じような異常な変動は、その他の一連の選挙区でも起こっています。
この異常な変動を分析して、そこに「人為性」を見ることに何の不思議もありません。その分析が気に入らないからと言って、名誉毀損(きそん)・中傷などをうんぬんするのは、滑稽(こっけい)な話です。
貴党の側で、その分析に異論があれば、なぜ二〇〇〇年総選挙で得票が半減し、なぜ二〇〇一年都議選で得票が二倍化したのか、この変動を説明する自分の見解を対置すれば、それですむことではありませんか。
一、この「抗議書」なるものは返上し、冒頭に指摘した二点について、貴党の見解を求めます。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik/2001-07-15/04_0203.html