【マルチ】第四インターナショナル【比律賓パブ】26

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398革命的名無しさん
ブリクモン氏は、アラン・ソーカルとの共著『「知」の欺瞞』(田崎晴明ほか訳、岩波書店、2000年)での、いわゆる「ポストモダン」哲学の度を越した衒学性への警告とともに、
近年では国際政治における「人道の帝国主義(Humanitarian Imperialism)」の批判者としての活動でも知られている。彼に言わせれば、各種左派政党に加え、
日本のマニアの間でも知られる環境主義者ジョゼ・ボヴェ、その同盟者でかつての「新左翼」の旗手ダニエル・コーン=バンディからトロツキー主義者に至るまで、
こと「人道的介入」についての態度は、新保守主義の哲学者であるベルナール=アンリ・レヴィと変わらない。彼らはリビアへの動向により慎重なラテンアメリカの左派を、
カダフィ氏に「都合のよい馬鹿ども(useful idiots)」として見下しているが、こうした「都合のよい馬鹿ども」こそ、今後事態が自国に波及することを恐れ、可能な限りリビアへのアメリカの介入を食いとめようと懸命なのである。
日本でも、ベネズエラのウーゴ・チャベスが停戦の仲介を申し出た(が蹴られた)という話は流れていたが、他にも「ジミー・カーターを国際特使として担ぎ出す」というアイディアが出ていたとは知らなかった。
元アメリカ大統領としての権威はもちろんのこと、朝鮮やキューバへの特使にもなったことがある彼なら、「民主派」側にもカダフィ政権側にも一定の説得力が生まれえようし、実際にスペインが提案に興味を示したというのも理解できる。
ならば西欧諸国の「左派」は、ラテンアメリカの左派を上回る問題の具体的解決に寄与しそうなアイディアを何か出しているのかというと、まったくそうではない。彼らは「独裁者」や「人権侵害」といったタームを振り回すばかりの「モラル的批判」しかできず、
結果として戦争遂行勢力の「受動的チアリーダー」と化しているのである。「何よりまず、政治的営為とは何をすることを意味するのかを学びなおすがいい(first of all, relearn what it means to do politics)」という、
ブリクモン氏の文章の最後の一節からは、戦争遂行勢力にとって「都合のよい馬鹿ども」はどこの誰なのかという彼の苛立ちが伝わってくる。
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