●「答える必要なし」と断じる共産党の遠い夜明け
久々に、おもろい回答書を見た。共産党が「週刊朝日」に送ったものだ。…
先に背景を簡単に説明しておけば、女性党員に対するセクハラを理由として
国会議員を辞職し、政策委員長も下ろされ、結果的に離党した筆坂秀世氏が、
このほど『日本共産党』(新潮新書)を出した。
連日、同党の機関紙「赤旗」では不破哲三前議長を始めとする最高幹部が反論――にはなっていないが、
「ここまで落ちることができるのか」などと罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせかけており、
怒りの深さだけは党外にも伝わってくる――を寄せ、これがまた大変な逆効果(笑)となって
党員たちが同書を買いに走り、そうした話題が一般の読者にも伝わり、一気にベストセラーの座を駆け上りつつある。
共産党のおどろおどろしさは、影響力がないだけに見ていて楽しい。
前置きが長くなった。事実確認などの要請に対して共産党広報部は「週刊朝日」編集部にこう回答したのである。
《筆坂氏は党を裏切って反共活動をしている人物なので、その人物のインタビューに関する質問にお答えする必要はありません》
この回答書を読んだ一般人はたいてい失笑する、という感覚がまったく欠如しているのだろう。21世紀にあって、すごいことだ。
博物館に保管しておいてもらいたい。まじで。
ほんのしばらく前まで自分たちの「顔」であった人を、
《裏切って反共活動をしている人物》という15文字で定義する冷ややかさ。…
党員が内部で自由にものを言えない、という不気味さとはさらに別の次元で、
党を辞めた人の言論活動が裏切りであると断じられる。…
「週刊朝日」では、かつて共産党から査問を受け現在はテレビで活躍中の有田芳生さんが、
筆坂氏にインタビューをしている。そのことも共産党には腹立たしいのだろう。
筆坂氏は、党の外に出て初めて目が覚めた、という趣旨のことを何度も語っている。
おはようございます、と申し上げるしかない。
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