あずまんが学生運動大王

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295急進貴族
「じゃあ、さっさと殺して、やかましい口上はやめろ」
 いきなり神楽がそう叫ぶ。耐えきれないほど腹が立ったらしく、
「特別公安警察は、百年かかろうとも、お前が首吊り縄の先で足をピクピク
させるのを見届けるからな」
「当局の声ってか」と、ともがからかい、「無敵の日本政府か。街頭で活動家を
捕まえて締め上げるのは得意でも、自惚れた金権政治家がこのコミューンを
核攻撃するかどうか見てみよう。何しろ、ここでは一千万の人質にも匹敵する
富を押さえているんだからな」
「あんたは狂いきってるなー」と大阪。
「大阪、何故あたしたちが、ここを本部に選んだと思う・・・。お前らを支配して
いるのは資本家だから、人間の命がいくらかかっているかより、経済価値の方を
大切にするんだ。自分たちのビルや自分たちの港湾施設、自分たちの工業施設
には攻撃するはずがない。あたしたちはここにいれば難攻不落なんだ」
 大阪は笑ってしまい、
「相変わらず呆れはてたバカやな、ともちゃん。御門がお隠れになったとしても、
政府はちよちゃんとちよちゃんが率いる緊急事態委員会が掌握しているんやで。
ちよちゃんは徹底したプラグマティストや。いくら東京湾に経済価値があろうと、
そんなものに顧慮して踏み止まる器じゃない」
「ちよなんて、資本家の手先さ」
「あの娘は夢を追う人なんや、この妄想だらけの道化者め。皇居爆破事件と
一連の争乱の首謀者が東京湾コミューンにいると知ったら、彼女は迷うことなく、
ここを天国まで吹き飛ばす」