【白山神社と被差別部落】本田豊 明石書店 より抜粋
起源は長吏頭・弾左衛門の子息が病気になり、加賀白山に祈願し平癒したので
記念して配下の部落に白山神社を祀るように指令したので東日本の部落には多い。
と長吏小頭・杉本重利は書いている。指令は明和六年(1769)に下された。
一般的にいって、愛知県以東の東日本の部落と白山神社は、密接に結びついているが
日本一の数をほこる岐阜県は部落との関係を見出せない。
わずかに木地師の信仰していた白山神社がみとめられる。
福井、石川、富山の北陸三県は加賀白山の登山道があり白山神社が多いが、一般白山信仰。
愛知、静岡から関東各都県、長野、新潟、山形、福島、宮城の各県の部落には一部を
除いて必ず白山神社が祀られている。
多少の違いもある。東海地方の部落は、寺院は日蓮宗で神社は白山神社。(徳川家が日蓮宗)
東京都の三多摩地方、埼玉県比企、入間郡下では寺院は時宗で神社は白山神社。
千葉県下の部落のいくつかは香取神社を祀っている。
確証は無いが非人系部落は白山神社を祀らなかったのではないか。
福島県は白山神社があるが、稲荷神社の関わりの方が強い。
山形県の米沢市には白山神社があり、他の市では稲荷神社が多く、熊野神社もある。
秋田、青森、岩手の部落には白山神社はみられない。
部落と白山神社の北限は太平洋側は仙台、日本海側は米沢、東北は稲荷神社。