【御同朋】浄土真宗(真宗)総合サロン67【御同行】

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632渡海 難 ◆Fe19/y1.mI
 通常の時系列でよく考えると、ストーリーVはストーリーUの一部であると考えるのが自然だ
ろう。穿った考えをするとストーリーVはストーリーUと独立の関係なるという余地がある。しか
し、今は、ストーリーUの一部と考えた方が素直で簡単だろうと思う。
 イザナギは生前、イザナミの産屋をのぞきに行ってイザナミと産婆さんに非常に怒られた。そ
の後、イザナミは出血多量で他界し、イザナギはその死体を見に行った。イザナギ・イザナミ神
話は、イザナミの死を境にした前後二つの話を入り混ぜて死後の世界の話を創作している。
 神話作家は死後の世界を創作している。ここが重要な点だ。死後の世界があるのかないのか、
そのようなことは分からない。しかし、先人達が死後の世界として語っている物語は、実はその
ほとんどが現実の我々の世界を、さまざまな目的をもって、特に教訓のために描かれているとい
うことだ。

 妄りに墓を掘り起こしてはいけない。妄りに墓を掘り起こすということは、男親が産屋をのぞ
き込むようなもので、恥ずかしい事である。妄りに墓を掘り起こせば、猛烈な虫の襲撃を受ける。
それは、男親が産屋をのぞき込めば、助産婦さんに怒られるのと同じことだ。
 神話作家は、社会の禁止事項を教えるにあたり、黄泉の國(冥界)、冥界軍(冥界の魔軍、亡
霊群)などを創作している。黄泉の国の軍隊というと恐ろしく聞こえるが、現実は虫の大群であ
る。

 現実界の話をランダムに分解し、ランダムにつなぎ合わせ、死後の世界を創作して現実界の教
訓に反映させようという手法は、古代人の様々なところで見られる。表面的に話を聞き流してい
れば、話の本質を見極めることができない。宗教詐欺師などは、そういう文章の綾を勝手に歪め、
教訓を抹殺して嘘を作り、善良な人々を騙しのテクニックの中に引き込んでいく。注意しよう。