【大聖】天部信仰利生スレ 7願目【歓喜天】

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710ランボー法師 ◆Nic8pW.NtU
湯川秀樹博士は、「人間の寿命は長くても百年程度であり、比較的短い。だからと言って、
それまでの宇宙の歴史や人間の歴史と無関係に突然この世に現れたと考えるのは、
自然科学的な考え方ではありません。
私たちの体の中には、生まれる以前の歴史、人間の歴史のある部分が受け継がれて
いることを、認めなければならない。
自分の体や心の奥底には、自分の知らないものが、いろいろなかたちで蓄積されている。
また進化という面からみると、生物の進化には非常にムダが多く、しかもそのムダが後
まで残っていく。人間も例外ではなく、暴力を振りたくなったり、人をだましたくなるのは、
進化の途中で必要だったことで、今となってみれば、無駄なものが残っているわけで、
何とかして一日も早くこういう有害無益のものが人間から姿をけすように努力しなければならない。
人間世界において誰がみても望ましいことであり、原理的に正しいと思われることが
容易に実現されず、反対に多くの異論のあることの方が実現されていくのも、人間が
意識された自己・合理的な思考や反省の対象となる自己だけによって動かされている
のではないことを、雄弁的に物語っている。
しかし、人間は自分たちのもっている理性・合理的な思考能力を軽んじてよいということではない。
反対に、我々は、自分の意識の面にまで浮かびあがらせるか、あるいは、我々の理性が
理性自身を深めて、より深いところに沈み潜っていくことによって、人間性のより広い
領域を合理的な思考の圏内に入れてゆくことができるのである。
そして、そういう努力によって、今後の世界における人間性の喪失とか分裂とかいう危険を
救うという方向に人類は進んでゆかなければならない。
それには、深い層の奥にある心を理性の層(新皮質)のところまで浮かびあがらせるか、
理性自身を深く沈めて古皮質・旧皮質の心とむすびつけるかしかない。」と言っている。