【千葉】成田山 新勝寺

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仏教についての基礎的な理解を持たれますよう、
宜しくどうぞ!

 『ブッダと同時代の自由思想家の中には、プーラナ・カッサパやアジタ・ケーサカンバリンのように、
業の因果応報を積極的に否定したものもあった。彼らは善悪の行為が後に安楽と苦しみの果報を
もたらすことはないと考えた。またマッカリ・ゴーサーラのように運命論を説く人もいた。さらに、業の
因果応報思想の中には、前世での行為(業)を宿命のようにみなす決定論的な考えもあった。現世
での行いは、善であれ、悪であれ、すべて前世の業によって規定されているというのである。この説
によれば、意志の自発による行為は認められない。
 これらに対し、仏教やジャイナ教は、このような人間の行為の効力を認めない説を行為否定論
(akiriyav?da, akriy?v?da)と呼び、道徳を破壊する説として非難した。
 仏教は、「世尊は業論者、行為論者、努力論者であった」(Anguttara Nik?ya I p.287)として、業思想
を容認しつつ、行為・努力に生存のあり方を変える効力を認める立場をとった。』
(野沢正信著『インド思想史略説/前提となる世界観--輪廻・業』)