【長野支局】あらたに(未報告の)差別戒名墓石が中野市内2か所で発見され、その後、地元での調査をすすめ、一部の差別戒名墓石が過去帳で確認された。
一方、行政や寺の部落差別、差別戒名問題にたいする認識の甘さが露呈した。今号では、昨年実施した現地調査と、今後のとりくみについて報告する。
現地調査の報告
(略)
中野市内A地区で発見された墓石は、児童センター建設計画予定地の区有地にあった。区は、近くの寺(曹洞宗)へ「無縁仏」として移転し供養した。
その後、区長が「差別戒名」墓石と気づき報告されたもので、寺の無縁仏供養塔に安置された6基の差別戒名墓石が確認された。
またB地区で発見された墓石は、A地区の報告を聞いた人が「他にもある」と報告して分かったもので、墓石は区の運動広場の入り口にあり、近くの寺(浄土宗)の所有地にあったというもの。
調査は、区の役員や墓石のある土地を所有している寺の住職も参加して確認をおこなった。墓石は10数基存在した。
区の役員は「周辺に散在していたものを集めた。以前から差別戒名だと認識していた」と説明。寺の住職は「先代からはあると聞いていた。
うちのじゃないし、うちには関係ないから(本山には届けなかった)」と話した。
現地調査後、今後のとりくみとして、@墓石は所有者が不明。差別戒名は曹洞宗系のものが多く、中高地域の寺(曹洞宗)で調査する
AA地区の墓石が発見されたさいの特定調査が不十分で、差別戒名の学習をおこなっているはずの行政関係者が、あとになって気づいた課題
BB地区の「以前から知っていた」区民や寺の認識の課題
C墓碑が見つかったときの行政対応の課題、などが提起された。
星沢県連副委員長は、「差別戒名を刻まれた墓石に手を合わせていた先祖の姿、何と無念であろう。
しかも、人知れずひっそりと100年以上の歳月が流れた。この深刻さ、無念さをしっかり受け止めて、宗教、行政関係者とともにしっかりととりくんでいきたい」と現地調査をまとめた。
http://www.bll.gr.jp/news2008/news20080728-3.html