【神話】出雲系神社を語ろう【現実】

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68コピペ
【 天穂日神 (あめのほひのかみ) 】

 アメノホヒ神が生まれたのは、アマテラス大神とスサノオ尊が契約をしたときである。
 スサノオ尊がアマテラス大神のみにつけていた八坂勾玉を噛み砕き、それを吹き出した息から
生まれた5神のうちアメノオシホミミ神に次ぐ2番目の神とされている。
 神名のホは「秀」に、ヒは「火」にも通じ、生命力が火のように燃え盛る他より秀た稲穂ということ
を意味している。

 「国譲り」神話に登場するアメノホヒ神は、アマテラス大神の名で地上の統治者オオクニヌシ神の
もとに交渉役として派遣される。
 ところが、相手を説得するどころか、逆にオオクニヌシ神に心服して地上に住み着き、3年立って
も高天原には何の報告もしなかった。
 こうした話からすると、この神は、よく言えば結構柔軟な感覚の持ち主ともいえようが、やっぱり
意志が弱く、だから役目をサポタージュすることになった不忠者というイメージが強い。
 これは『古事記』に記されている姿である。

 ところが、それと逆のイメージを伝えるものもある。アメノホヒ神を祖神とする出雲氏に関する
「出雲国造神賀詞」に、やはりこの神がアマテラス大神から地上の悪心を沈めることを命じられた
ことが記されている。
 このときアメノホヒ神は、自分の息子のアメノヒナドリ神と剣神フツヌシを派遣し、見事に地上の
乱れを平定したというのが、その結末である、こちらでは、決していい加減な性格ではなく、天孫
降臨の前に地上の世界の地ならしをし、ちゃんと露払いの役目をはたした偉大な神であることが
強調されているのである。

 アメノホヒ神を祖神とする出雲氏一族は、出雲東部の意宇郡を支配する豪族である。一般に
各地の豪族である。一般に各地の豪族の祖神とされる神は、その地方の国土開発、産業振興の
神としての性格を持ち、さらに人々の生活全般の守護神として信仰されていることが多い。
 この神もそうしたことから考えれば、偉大な業績を成し遂げた神としてのイメージの方が、本来の
姿に近いと言っていいだろう。
 実際、農業をはじめ、養蚕、絹糸、木綿の神として、産業開発の面でその霊力を大いに発揮している。