TPPアメリカ方面地獄逝きの列車へようこそ

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158名無しかましてよかですか?
グローバリズムという妄想
http://1000ya.isis.ne.jp/1357.html

ジョン・グレイ (ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス名誉教授)

(1)グローバル自由市場は普遍的文明を強要する啓蒙思想である。その強要はコミュニズムやファシズムに匹敵する。
民主的資本主義とか自由資本主義の名を借りてはいるが、その正体は単一的普遍主義なのだ。

それゆえ、その作用は国家を弱体化させ、社会をばらばらにする。とくに伝統的な社会制度と慣習をひどく弱体化させる。
そして、そのかわりに「新たな不平等」か、もしくは「新たな自由放任」(ネオ・レッセフェール)を助長する。
IMF(国際通貨基金)、WTO(世界貿易機関)、OECD(経済協力解発機構)はそのための機関だった。

(2)グローバル資本主義はたしかに理性的ではあるが、決して自己制御的ではない。投機的であり、
内在的な不安定をつねにかかえる。自由市場主義を方針とした各国政府がかかげた目標は、その多くが失敗した。
これからも失敗するだろう。
 だから、グローバル資本主義が「小さな政府」と「規制緩和」と「民営化」を促進したからといって、
自由主義だとか新自由主義だとかの「自由」を標榜する権利はない。
もしもリベラルな国際経済秩序というものがあるとしたら、そんなものは1914年の開放経済までのことか、
もしくは1930年代に非業の死を遂げたのだ。
159名無しかましてよかですか?:2013/04/07(日) 01:34:45.10 ID:Vc2mxE5G
(3)そもそもグローバル資本主義の基礎は、ピューリタン革命からヴィクトリア朝初期までの「囲い込み」(エンクロージャ)が用意した。
「囲い込み」がイギリスを農村社会から市場社会に変えた。それが自由市場主義に向かったのは、穀物法の廃止と救貧法の改正以降のことである。
 サッチャーが実施したことを見れば、イギリスのグローバル資本主義がこの路線の上にあることは明白だ。労働組合の削減、公団住宅の奪取、
直接税の減少、大企業の民営化は、市場にエンクロージャの機能を明け渡しただけのことなのだ。
政府がそれによって得た名誉があるとしたら、言葉だけのネオリベラリズムの称号ばかりだった。

(4)グローバル資本主義の生みの親は、どう見てもアングロサクソンによるものだ。
アングロサクソンは「合意」のための「契約」が大好きな民族だから、
その合意と契約による経済的戦略を非アングロサクソン型の国々に認めさせるためには、
どんな会議や折衝も辞さない。その象徴的な例が、たとえば1985年のプラザ合意だった。

こういう合意と契約が、各国に押しつけがましい構造改革を迫るのは当然である。
ニュージーランドやメキシコや日本が、いっときではあれそのシナリオに屈服しようとしたのは、
不幸というしかない。もっとも、それほどにグローバリズムが“最後の勝利の方法”に見える幻想に包まれていたのである。

以下(10)まで