天皇論 27

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232■サピオ 6/23 追撃戦 感想@
○簡単に立ち読みでサッと済ましたい方は、まず70頁の下段をどうぞ。
 今回は全国の神主さんたちをゾンビ扱い。さらに小林氏の何かにとり憑かれたような眼付き。その眼付きで語る。
 「いざとなればわしは皇族にも…批判を行なわねばならなくなる!」と。何と「ヒゲの殿下」に宣戦布告だ。(70頁)
○殿下批判の背景には、櫻井よし子氏の男系論に影響を与えたのは、「ヒゲの殿下」という認識があるようだ。
 櫻井氏は、殿下と対談する以前から、男系論なのだが。  
○今回は櫻井・大原氏という男系派最強論客の2名が、800人の神道関係者から盛大な喝采を受けたようで、
 今や尊皇第一等を自ら任ずる小林氏としては、黙っていられなかったようだ。内容はほとんどが従来からの論点。
○主要な論点は、皇室典範制定時に「男系でなければならない」とされた理由が今も有効なのか/染色体・遺伝子論争/
 先帝陛下の皇位継承観/男女平等・男尊女卑論争/皇室典範義解の解釈/「伝統」論争/出生率論争/傍系継承・
 皇籍復帰の是非/「女系継承」前例/継嗣令の解釈/皇祖・天照大神論/等々。 正に総集編、早目の紅白歌合戦、
 有馬記念だ。何度も議論されたことだが、お互いが論破済で、相手はまだ理解できないのかと思っているわけだ。
233■サピオ 6/23 追撃戦 感想A:2010/06/10(木) 05:15:54 ID:c8PsPJxU
○今回、特に批判されたのは以下の方々。
・桜・水島社長 → 若者の信頼を失い、今やカルト一直線(55頁)
・櫻井・大原氏 → 男系固執のカルト、破綻した持論をただ強弁、もう目も当てられない(56、62頁)
・新田氏 → 頭蓋骨の外側は「ハゲ」しく変わったのに、頭蓋骨の中身はずっと固まったまま。気の毒に。(60頁)
・渡部昇一氏 → ちゃんと『ゴー宣』を読んでいないな。左翼のマネばっかりするなよ。(61頁)
・全国の神主さん → 神主が天照大神を「皇祖神」とする皇室のあり方を否定している意見に拍手している!(69頁)
そして
・寛仁親王殿下 → 一皇族がこうして異様なまでに・・・(70頁)
○櫻井さんの伝統論に対し、例により、皇后陛下の御言葉を持ち出す。このお言葉が皇位継承に関するものとは言えないのに。
 このような論法は止めるべきだ。(62頁)
○大原氏に反論し、「現代とは全く異なる時代背景を無視し・・・男系が日本の価値観の神髄とまで言い出すのだから、
 全くたちが悪い!」(58頁)。そうではあるまい。各時代の背景を超えて、一貫して男系で続いてきたことを重視すべきであろう。
○愛子様は「男系」であって、しかも「直系」だぞ!と今回も言う。(59頁) 男系派がまるで、それを理解していないかのように。
 一般の読者向けにあえて男系派が無知と印象付けたいのだろうか。 男系派が問題とするのは、「その後」のことではないか。
234■サピオ 6/23 追撃戦 感想B:2010/06/10(木) 05:25:20 ID:c8PsPJxU
○かくて結局のところ、男系は「男尊女卑の国民感情」のせいとする。(59頁) 
 これでは男系を継続してきた我が国史全体への冒涜ではないか。日本の神話は男女平等性が高い。
 ユダヤ・基督教など男の骨を抜き取ってつくったのが女だとする。さらに日本では神と人との懸隔も低い。
 古代人は、男尊女卑とは無関係に男系でなければ伝えられない何かがあると直感したのではないだろうか。
○女系論の最大の弱みは、女系継承の例がないことだ。ところが何と女系継承の前例をつくってしまった。
 何をか況やだ。第38代・天智天皇と第44代・元正天皇の例だ。しかし小林氏は、御二方とも父君が、
 天皇陛下であったことは認めている。(65頁) ところで小林氏が今日唱えているのは、このような女系継承
 ではあるまい。父親の出自を問わない女系継承ではないか。話をすり替えてはいけない。
○櫻井氏の、天照大神様と女性天皇は別次元 (68頁)という話の言葉尻を掴まえて、櫻井氏は、天照大神が皇祖神
 との認識がない、神話と歴史の分断工作だと食ってかかる。(69頁) 
 これは典型的ないいがかりで、扇動家のやり口ではないか。
○今回は、ついに旧皇族の関係者を、矢追純一の番組に出てくる怪奇な宇宙人のように描いてしまった。(68頁) 
 自称保守派の手によるもので、これだけ皇族関係者を酷く扱ったものは珍しいのではないか。正気なのか。
○前号で小林氏が褒め称えた道場配下の2ちゃん工作員が、師匠にならって恥じることなく不敬言論を吐きまくるわけだ。
235■サピオ 6/23 追撃戦 感想C:2010/06/10(木) 05:39:00 ID:c8PsPJxU
○かくて徐々に、支持基盤を怪しげな連中に頼り始める。
 《朝日新聞》で誰それが関心を寄せてくれたと嬉しそうに書くこととなる。(68頁)
○田中卓博士が追撃篇をご覧になってらしい。(59頁) なるほど異様な強気の一端がわかった。
 何せ田中博士、高森氏がついている。国体学会も応援してくれそうだ。そこらの愛国者気取りなど
 怖くない、皇學館、國學院がなんぼのもんだ、神主がどうした、というわけだ。
 これも保険のつもりかチラチラと民族運動活動家の名前を出す。右翼も来るなら来いというわけか。
○さぞかし、平泉博士、里見博士、影山塾長の著書からも女系論に有利な記述を探しまくったことだろう。
 結果は無かったはずだ。それどころか…里見博士は、皇位継承が「女系の出自には認めない」のは
 「人間の本質」「社会自然の理」とまで言っている。(『天皇法の研究』今日の男系派もここまでは言えない。)
 影山塾長は、伊邪那岐命、伊邪那美命の神話から「男子先唱、女人受唱」の教えを導き出す。(『神話に学ぶ』) 
 小林氏はこのお二人の論をどう評価するのか。是非、次号に期待したいものだ。
○追撃編はまだまだ続く気配だ。皇室典範の制定過程も取り上げるようだ。この分野であれば、大原先生、新田先生は
 勿論、最強の2ちゃんねらーかもしれない(?)百地先生、井上毅を高く評価する中川先生の正論を是非お願いしたい。
 サピオ誌は公平を期すうえでも、一方的に攻撃されている男系派の論客を登場させての企画を組むべきではなかろうか。
○今の小林氏には何を言っても耳に入らぬ状態かもしれない。「承詔必謹」を強調するのは絶対に大御心に沿っている
 との自信があるからだろう。虚心坦懐に神主さん達がどこで拍手をしたか考えてみることを勧めたいが。<以上、連投失礼>