このまえ旅行に行ったとき
他のみんなは楽しく邦楽を聴いていたんだ。
はにかみがちな僕はずっと分からない音楽を
聴いていたんだ。話題にもついていけず寂しくね。
一応みんなが持ってきたCDが一巡したので
僕はそっとAIR のサントラCDをカーオーディオに
差し込んだんだ。聴き馴染んだ鳥の詩、大好きな夏影 -summer light-
が車内に響き渡った。僕は内心得意だった。
どうだ、僕はこんなにクールな音楽を聴いているんだ
君たちとは違うんだよってね・・・・
「うるせぇーんだよ、なんだよこのキモイアニソンは!」
僕は自分が尊敬されるものだと思っていたので、耳を疑った、でも
「いやーキモ〜☆ 早く消して」
密かに好意を寄せている彼女からもブーイングを浴びてしまった。
運転席にいたリーダー格の奴が黙ってCDを取り出すと
窓の外にCDを投げ捨てた・・・僕の愛聴盤が・・・
「なにをするんだよ!」僕は声を震わせながら彼に言った。
「おまえ、存在自体がキショイ上に聴いている音楽までキモイな、ホレ大切な
CDなんだろ、拾ってこいよ・・・」
僕は見知らぬ街で車から引きずり降ろされた、車内では僕を見てみんな笑っている
屈辱に身を震わせていると、車は僕を無視して走り去ってしまった。
Airが鍵ゲーが僕ちんの鍵ゲーが・・・僕は気が狂いそうだった。