とびきりいい加減なアイルランド独立史
第1回 アイルランド駆け足史 そにょ1
アイルランド。
今更諸氏に説明する必要も無いと思うが、ユーラシア大陸ヨーロッパ大半島の横っちょに浮かぶブリテン島の更に横に浮かぶ島である。
俗に言う「ヨーロッパ圏」の最西端である(正確にはその西にアイスランドがあるが、これからの議題においては無視できる存在だ)。
さて、「ウリは生粋のアイルランド人ニダ」と自称する人々見れば、コレは「ケルト人」と見て間違いない。
実際には長い歴史の中で海を越えてこの島にやってきたノルマン人やサクソン、ブリトンやら何やらの"血"も混じっているだろうが、混じり合った結果を見ても、まぁ「概ねケルト人」である。
で、このケルト人が「歴史的に生粋のアイルランド人」なのかと言うと、そうでもない。
各地の遺跡やケルト神話に描かれる神々の"国譲り・代替わり"から、ケルト人自身も「征服民族」である事はほぼ確実である。これはアイルランド人自身も認めている。
ただし、ケルト人以前の「オールド・ネイティブ・アイリッシュ」は未だ良く分かってない。
まぁ、神世の時代より前の事なんてヒマ人か変人ぐらいしか気にしないモンだから、別にアイルランド人がズボラだという事でもない。
さて、アイルランドが歴史書に登場するのは意外に古く、紀元前6世紀のギリシャの古文書に「美しい島」「エリン人」と言う記述が残っている。
どうも、この頃にケルト人のアイルランド渡来・入植が始まったらしい。
当時としては最先端の鉄器文明を持つケルト人は(恐らく)硬軟併せ持って、数百年の歳月をかけて名も無き土着民を同化していったモノと見られる。
そして、アイルランドには雨後のタケノコのように小王国が林立することになる。