我々は何処へ行くのか 5

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235鳥坂 ◆nSC8E.bvp6
 ここでちょっと、当時の「国家観」について註釈をしておく。
 ハッキリ言ってしまえば、現代の我々が思うような「国家観」は、当時の誰も持ち合わせていない。
 せいぜい「○×家の領土」が関の山だった。

 故に、序列上はブリテン王とフランス王が並立であったとしても、
「ブリテン王にして、仏ノルマン地方を領有する、フランク王臣下のノルマン人(=フランス人)」
と言う、現代の我々が聞いたら首を捻る地位のママで数百年、何事もなく事が進むのだ。
 当時の極東情勢に当てはめると、
「日本天皇にして、朝鮮半島を領有する、モンゴル皇帝臣下の漢人」
みたいな事になる。
 これで日本天皇とモンゴル皇帝の地位が並立だと言うから、我々からすると「???」である。

 この矛盾が解消するのは数百年後の英仏百年戦争であり、ここで初めて英仏両国民は王様から乞食まで「フランス人/イギリス人」の自覚を持つようになる。
 ↑詳細は佐藤賢一氏の「英仏百年戦争」を読んで下さい。