あ、コテハンが抜けましたが、
>>317-318は僕のレスです
>>294 山本七平(イザヤ・ベンダサン)「日本教について」を宮崎哲弥著作で紹介していて、
これを僕も書こうと思っていましたが、ちょっと流れと違うかなと思っていて出さずじまい
でしたが、せっかくなので書いておこうと思います
『日本という社会は、一種の天秤の世界であると考えています。そしてこれの支点
となっているのは「人間」と言う概念で、天秤の皿のほうにあるのが
「実体語で組み立てられた」世界で、分銅になっている方が「空体語で組み立てられた」
もう一つの世界です』
例としては、
・実体語(お皿)に対応するのが、@幕末の開国論A無条件降伏論B安保、自衛隊容認
・空体語(分銅)に対応するのが、@幕末の攘夷論A一億総玉砕B安保廃棄、非武装中立
一見、実体語が「現実主義」であり、空体語が「理想主義」に応対しているかのように
見えるが、実体語には賢慮と良識による現実認識が欠けており、空体語には精緻な論理と
戦略性が抜けている どちらも虚構に過ぎない そして必要なのは「両者の平衡」である
ところが、空体語が積み上げられ、やがてバランスを崩し、両者がこぼれおちて初期の
平衡状態に戻る、と言うのが少なくとも戦前の日本に起こった事である(明治維新、大東亜戦争)
そして、戦後、山本は同じ事が繰り返されるだろう、と言っている つまり、空体語に
該当する「安保廃棄、非武装中立、絶対平和」を叫ぶ勢力が分銅を積み上げすぎて
また失敗するぞ、と言う警告である ただし、この書は1972年発刊であり、幸いにして
この警告が功を奏し、上手く日本人は分銅を下ろすことに成功したようです
ただ、そこにはソ連邦及び共産主義国家の崩壊という事実が大きいのですが、
つまり、この論は未だに有効であり、今後も気をつけなくてはいけません 今でも
実体語 日米同盟保持 国連尊重 空体語 アジア共同体 絶対平和主義
などという形で(これは例です)この論は生きていると思います 大事なのは「両者の平衡」
だと思います