来年のロンドン五輪男子マラソン出場を目指し、カンボジア国籍を取得した
お笑いタレント、猫ひろし(34)が16日、インドネシアで行われた
「東南アジア競技大会」に出場。カンボジア代表選考レースを兼ねていた大会で、
猫は自己ベストを10秒上回る2時間37分39秒で5位入賞を果たしたが、
タイム的に“当確ライン”に及ばず、切符獲得は次の選考レースに持ち越しとなった。
気温約30度、湿度60%以上という過酷な条件の中、スマトラ島南部の都市パレンバンを猫が
まっしぐらに走った
スタートは午前5時半(日本時間同7時半)、カンボジアから唯一出場した
猫を含め、東南アジア11カ国の男子10、女子8選手が参加。
猫は練習で肉離れを起こした腹筋をテーピングし、前半24キロは7位で通過。
終盤は両脚をたたきながら猛追し5位に浮上した。
最後の直線では、苦しそうな表情を見せながらも、
2時間37分39秒でゴール。
今年2月の東京マラソンで記録した自己ベストを10秒更新したものの、
1位選手は2時間27分45秒で、その差は約10分あった。
「暑い気候でよく自己ベストを出せた。とりあえず休みたいです」。
汗でぺったんこの髪の毛が激闘を物語っていた。
カンボジア五輪委員会のワット・チョムラーン事務局長はレース後、
猫のタイムについて「2時間27〜28分を期待していた。
満足できる結果ではない」と述べ、ロンドン五輪の代表決定には
不十分との見解を示した。
五輪に参加するには、参加標準記録Bの2時間18分0秒突破が必要。
しかし、1つの国・地域で陸上のどの種目も標準記録を突破できなかった場合、
男女1人ずつ、どれかの種目に出場できる「特例」がある。
ほかの種目で標準記録を突破する選手が出れば出場できなくなる。
現在、カンボジアの男子マラソン界には標準記録を破る有力選手はおらず、
同国五輪委員会は第一人者、ヘム・ブンティン選手(25)が今年8月に記録した
2時間31分台を“五輪出場条件”に設定。
猫も突破を狙っていたが…。
「調子は悪くなかった。31分を切れなかったのは自分の実力なので、認めます」。
チョムラーン事務局長は代表選考について、時期尚早とした上で、
来年2月の最終決定までに国内の数選手と猫が競うことになるとの考えを示した。
猫は「カンボジアのトップを目指して頑張るだけ。感謝、感激、カンボジア!」と決意を新たにしていた。