150 :
大学生:
面白いから引用する。東京大学新聞より
>国語 自分では解けない 野矢茂樹助教授
私の専門は哲学なのですが、かつてセンター試験の追試に私の文章が使われ
たことがあります。で、やってみました。ところが、なんと、半分間違え
た。どうして?解答の方が間違っているんじゃないか。そう思って、真剣に
検討してみました。
例えば、「内容に合致するものを選べ」などという問題がある。
「こういうことが言いたかったんだよね」と思って選ぶと不正解。いかにも
著者が言いそうなことなのだけど、文中には書かれていない。逆に、
「こんなの言いたいことじゃない」と思ってはじくと、不正解。一番言いた
いことじゃないかもしれないけれど、ちゃんと読むと、たしかに文中に
書いてはある。
入試問題を解くには、著者の主張だけではなく、出題者の狙いも読み取ら
なければいけないのでした。私はなまじ著者なものだから、出題者の声が聞
こえなくて、それでホイホイひっかかって間違えた。そこで思ったのは、
ああ、やっぱりこういう問題ばかりやってると脳ミソの使い方がゆがむ
なあ、と。 (続く)
151 :
大学生:2006/10/21(土) 03:45:33 ID:ZwIkrOtG0
(続き)
もちろん、ある程度難しい文章を、素早く集中して正確に読み解く力は、
あらゆることの基礎になる。長文を読んで内容を要約する練習などは、
受験にも役立つだろうが、それによって磨かれた力は、何よりも大学に
入ってから、大学を卒業してからも、本当に役立つ。
だけどやっぱり単なる受験技術もある。出題者の意図を考えることばかり
が得意になると、教師の求めるものを察知してどうすれば褒められるかを
まず考えてしまう学生になりかねない。学校では優等生かもしれない
けれど、使い物にはならない。大学に入ったら、ぜひ、その文章自身と
向き合い、著者と対決する姿勢で読んでいく、そういう読み方も身に
着けてほしい。いや、決して、久しぶりにやったら散々だった者の強がり
というわけではありません。