748 :
大学への名無しさん:2006/02/28(火) 19:52:41 ID:pDMF+UPl0
今日のまだかなー
今日のねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ
(´・ω・`)とゆーとり_| ̄|○だな
昨日は書き込めなくてすみませんでした。
遊びに行って帰ってきたら疲れてテレビ見ながらそのまま寝てしまいました。
夜に書き込むつもりで用意しておいたんですけど・・・
ってことで今日は朝から昨日の分を書き込みます。
現役の人は今日卒業式ですよね。ご卒業おめでとうございます。
僕はかなりラッキーだったにせよ、浪人生活も決して悪いことばかりじゃ
なかったと友達も皆言っています。だから浪人決定しちゃった人もあまり
悲観ばかりせず今日ぐらいお祝い気分に浸って過ごしてもいいんじゃない
でしょうか。まだ試験がある人はそれどころじゃないかも知れませんが。
そして僕らは付き合いだした。それまではどんなものなのか想像もつかなかった
けど、付き合っている女の子がいるということは決して悪いものではなかった。
いや、正直に言ってかなり素晴しいことだった。生活が一変するわけではない。
ただユキが僕の彼女だという事実に僕は満足し、安心し、喜んだ。試験が終ると
彼女は毎日6時間か7時間の授業の後そのまま塾に来て、塾の授業を受けたり
自習室で勉強したりした。僕も夕方に授業が終ると自習室で勉強し、ユキが来る
のを待った。彼女は塾の授業が夜遅くまである日もあったので毎日とはいかない
けど、可能な限り僕たちは会い、並んで勉強し、寮の門限が迫ってくると駅まで
一緒に歩いた。彼女が学校で、僕も予備校で授業を受けている間はメールを送り
あった。二人ともまじめに授業を受ける方だったのであまり回数は多くないけど
重要なのはそんなことじゃなかった。話題も別にこれといったものはなかった。
僕たちはメールをすることによって離れていてもお互いに「つながっている」と
感じていたかっただけなのだ、恐らく。
休日には朝から同じ自習室で勉強し、昼にはユキの作ってきた弁当を二人で食べ
ながら話をし、また夜まで勉強して駅まで送って別れる、という夏休み後半の
1週間と同じような過ごし方をした。夜はメールでおやすみを言って眠りにつき
朝はメールでおはようと言って目を覚ました。そんな具合に一緒にいない間は
常にメールをしていたので僕は9月に初めて1月分の無料通話を使い切った。
それまでは前月の繰り越し分がさらに翌月繰り越しに、といったようにどんどん
無料通話が増えていたのだ。それでも僕らは電話はほとんどしずにいつもメール
だったので無料通話を越えることはなかったのだけれど。とにかく毎日ユキと
メールをしていたおかげで僕はかなりメールを打つのが速くなったし、絵文字の
使い方も覚えていった。彼女はありとあらゆる絵文字を使った。僕にはなぜその
絵文字を使うのかわからない場合もあった。だいたいペンギンの絵文字なんて
メールに使わなきゃいけない人がいるんだろうか。でも彼女が使えば不思議と
違和感はなかったし、ペンギンも心なしか使われて喜んでいるように見えた。
9月の半ばにノボル君から電話がかかってきた。この前の子とはどうなった、と
彼が訊いてきたので僕は付き合ってくれと言った、と答えた。「おっマジで!?
でどうだった?オッケーだったろ?」「うん」「やーるねーワタナベ君、どう?
どんな感じなん?てか彼女の写メ送ってくれよ」写真なんてないよ、と言うと
彼は驚いて言葉も出ないようだった。やがて気を取り直したように「まあ、今度
撮ったら送ってくれ。てか明日にでも撮れ。あ、そうだそういえばゴム買った?
ゼロゼロスリーってやつがいいぞ、薄くて。ちょっと高いけどな」「まだそんな
こと気が早すぎるよ」「ははは、冗談だって。でも買っておいて損はないぞ。
いざって時になきゃ困るからな。それよりお前らいつから付き合い始めたの?」
「えっ?えっと今日でちょうど2週間くらいかな、8月31日に言ったんだよ」
「おっそりゃいーな、覚えやすくて」覚えやすいと何がいいのかと僕が訊くと、
彼はあきれたように「お前マジでそんなこと言ってんの?」と言った。
彼によると付き合い始めた日は毎月「○ヶ月記念日」といって何かするもんだ、
とのことだった。僕は何故毎月そんな風に記念しなきゃいけないのか、何かする
といっても何をすればいいのか、31日は毎月ないから30日や翌月の1日でも
いいのか、などを質問した。僕にはとにかくわからないことばかりの様だった。
「何でって、お前何でもだよ。女の子はそーゆーの覚えててもらうと喜ぶんだ。
逆に覚えてないと怒ったりするけどね。だからそれを覚えててお祝いしようって
お前が思ってると伝わるんなら何したっていいし、日にちなんかちょっとぐらい
ずれても別にいいんだよ」「なんかプレゼントしたり?」「それもありだな。
でも浪人生で毎月プレゼント用意すんのも大変だろ?だからまープレゼントは
クリスマスと誕生日とそこまでいけばだけど1年記念ぐらいでいいんじゃね?
あとは毎月記念日にどこか連れて行ったりしてやりゃいいと思うよ」僕はどこに
連れて行けばいいかも何をプレゼントすればいいかも全然わからなかった。
またその時になったらいろいろ訊くよ、と言って僕は電話を切った。最後に彼は
また「コンドーム買っとけよ、あとヤったら教えてくれよ」とだけ言った。僕は
ユキとそんなことをするなんて想像もできなかったし、その時に自分がちゃんと
していられるか自信がなかった。もちろんそういったことに興味がなかったとか
そういうことじゃない。僕だって他人と(たぶん)同じように興味があったし、
写真やビデオでそれなりの知識は持っていた。しかしストーリー性のあるビデオ
でもその筋書きなんてとても現実には起こりえない、あるいは僕には起こすのが
不可能そうな言動に満ちていたので参考になりそうもなかった。どんな状況で
何を言えばそんな状況にもっていくことができるのか、と電話の後しばらく僕は
考えていたが、ユキからメールがくるとなんだか悪いことをしたような気持ちに
なってやめた。なんとなくそんな想像をしていたなんてユキに知られたら嫌われ
てしまうような気がした。
勉強の方はユキと付き合い始めてからもかなり順調だった。むしろ夏までよりも
順調なくらいだった。時々あった全くやる気が起きないような日もなくなって、
何もすることがないと自然に机に向かうようになった。二人で勉強している間は
相変わらず一言もしゃべらずに集中していた。二人はいつも一緒にいたので当然
友達からもお前高校生と付き合ってるらしいじゃん、と言われ僕は認めた。もう
隠す必要も感じられなかったし、むしろそう言われるのはいい気分だった。でも
あまり詳しい話はしなかった。なんとなく二人の世界に他人を入れるような事は
したくなかった。その世界ではお互いがお互いだけで満足し、その内にも外にも
それ以上は何も望まなかった。しかしその時の僕には全くそんな気はしなかった
けど、おそらく僕らが望み夢見ていたことはこの世の中で手に入れることが最も
難しい種類のことのひとつだったのだ。僕らはそれに気付かずただ目の前の幸せ
だけを考えて身を寄せ合っていた。
9月が終わりに近づき、僕はノボル君が言っていたことを気にしていた。僕らは
1度もどこかへ出かけたりしなかったし、はたして彼女が勉強もせずに1日遊ぶ
なんてことを望んでいるのかどうかわからなかった。24日の土曜日に公園で
弁当を食べながら僕はそれとなくどこか行きたいところはないかと訊いてみた。
ちょうど1週間後の10月1日は二人とも模試や何やらが何もない日だったので
どこか行くならその日だろうと僕は見当をつけていたからだ。でもそのことには
触れずに、毎日塾で勉強しているけどたまにはどこか遊びに行ったりしたいって
思わないの?と言った。彼女はちょっと考えてから「うーん別に思わないかなぁ
・・・塾に来ればワタナベ君に会えるし」と言って恥ずかしそうに笑った。僕は
ちょっと出鼻をくじかれたような気がしたが、それでも気を取り直して「いや、
ふたりでどこか行きたくないかなって思って。ほら、その、デートとか・・・」
と言ってみた。言いながら僕も顔が赤くなってしまったようだった。
ユキはやっぱり恥ずかしそうにしながら「え、あの、それは・・・行きたいです
けど・・・でも、ワタナベ君はいいんですか?勉強できなくても?」「やっぱり
勉強したいよね。や、いいんだ。ちょっと思っただけだから」「やっ私は・・・
その、どこか行きたいなぁって思ってたんですよ、ずっと。でもワタナベ君に
うざいって思われるような気がして言えなかったんです」それだけ言うとユキは
うつむいて黙ってしまった。僕もちょっと黙っていた。どうやら僕らは同じ事を
考えていて同じ理由で言い出せなかったんだなと思うとなんだかおかしくなって
きた。ユキを見ると彼女も少し笑っていた。僕は声を出して笑った。「どこか
行こうよ、来週の土曜にでも。ちょうど付き合い始めてから1ヶ月になるし。」
と僕が言うと「覚えててくれたんですか?」と言ってユキは喜んだ。ノボル君に
感謝しなきゃな、と僕は思った。彼に言われなきゃ僕はたぶんそんなこと気にも
しなかっただろうし、それで彼女を喜ばせることもできなかっただろう。そして
つくづくノボル君のすごさに感心した。
「どこか行きたいところある?」と僕が訊くとユキはしばらくうーん、と言って
考えていた。ベンチに足を乗せ、ひざを折り曲げて両手で抱え、ひざのあいだに
あごを載せて考え込んでいるユキの姿を僕は眺めていた。ユキのちょっとした
仕草や声、しゃべり方なんかのひとつひとつが僕にはとても可愛く思えた。でも
僕はそれまで一度も彼女に「可愛い」と言った事はなかった。たぶんそう言うと
彼女はとても恥ずかしがってまたさらに可愛く見えるだろうと思ったが、そんな
ことを言ったら自分まで恥ずかしさでまいってしまいそうだった。僕はしばらく
ぼーっとそんな事を考えながら彼女のことを見つめていた。彼女はその視線に
気付いて恥ずかしそうに笑い、「ワタナベ君が行きたいところに行きたいです」
と言った。「まいったな」と言って僕は笑い、「じゃあ僕が行きたいところは
君の行きたいところだ」と返した。「ずるい」と言ってユキは口を尖らせながら
ほほをふくらませて僕をにらんだが、僕はそんな可愛らしいにらみを見たことが
ないと思った。「わかったよ。考えとく」と僕は降参した。
760 :
ワタナベ ◆ak1txl.bKk :2006/03/01(水) 08:19:33 ID:7yRkxsVS0
と今回はここまでです。
僕が書くとユキがすごい可愛い子の様にみんな思うでしょうけど、
実際に彼女を見て同じように可愛いと思うかどうかはわかりません。
僕も初め見たときは特に可愛いとかは思いませんでしたし、顔だけでいうと
ぱっとしない方に入るのかも知れません。でも僕にとってはとても可愛いし
好きになっちゃうともう客観的な判断なんかできなくなっちゃうし、それに
そんなことどうでもよく思えてくるもんですよね。
761 :
大学への名無しさん:2006/03/01(水) 18:42:21 ID:exGpJgF00
やったら教えてくれかw
ゆきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ(;´Д`)ハァハァ・・・
もうダメだ…ゆきとわたなべの輝きについていけないorz
764 :
大学への名無しさん:2006/03/02(木) 02:31:01 ID:GElA9pz/0
エロゲ並の硬派な実力派、ワタナベwwwwwwwwwwww
ワタナベコレイイ!
>>701 中身も冴えない浪人生だったってあるけどこんな文章書けんだし十分魅力的だったと思う
766 :
大学への名無しさん:2006/03/02(木) 17:30:58 ID:r9n/hNtc0
続きが楽しみです!!
何でサロンでやらないの?
768 :
大学への名無しさん:2006/03/02(木) 23:56:41 ID:lKq3Joui0
落ちたらやだからageとく
769 :
大学への名無しさん:2006/03/03(金) 00:52:31 ID:cmdi9IEaO
オレもいちぉ
770 :
大学への名無しさん:2006/03/03(金) 01:16:23 ID:Iv7Bi13s0
まだあったのかと思って見てみたらこんな良作が投下されてたのか
771 :
大学への名無しさん:2006/03/03(金) 01:20:15 ID:J9DQjx0oO
つづきは??
772 :
大学への名無しさん:2006/03/03(金) 02:15:47 ID:7Wk+/S3KO
本になってほしいな!!
かなりおもしろくて、どこか切なくて。俺は何をしていたんだ?恋に臆病になってたんじゃないか?と卒業してみて改めて後悔。。
続きマダー?
774 :
大学への名無しさん:2006/03/03(金) 15:50:14 ID:Iv7Bi13s0
保守
775 :
大学への名無しさん:2006/03/03(金) 19:24:36 ID:djITD+7Y0
ワタナベまだー
776 :
大学への名無しさん:2006/03/03(金) 23:26:51 ID:k0Cbaqg/0
hosyu
777 :
ドリルペニス ◆XXEkEHQKI2 :2006/03/04(土) 00:26:47 ID:R14ObAI70
上げ
778 :
大学への名無し:2006/03/04(土) 01:02:13 ID:B2128Zaf0
なになに、激面白すぎなんだけど
…わたなべ?どうした?
780 :
大学への名無しさん:2006/03/04(土) 09:06:39 ID:w1z/5plM0
age
続きの掲載が大変遅くなり申し訳ありませんでした。旅行に行っていて。
それを前の時に言い忘れてしまいました。いらないことばかり書いて
そういった肝心なことは書き忘れてしまいますね。
ということでちょっと短いですがまた書き込みます。
その日の夜に僕はノボル君に電話した。忙しいから明日にしてくれないかと彼が
言ったので次の日にまたかけた。ホストの真似ごとみたいなバイトしててな、と
彼は言って前日のことを謝った。今日は良かったのかと僕が訊くと「給料はいい
けどきつくってさ、そんな毎日はやってらんねーよ。朝まで酒飲んで女と話して
馬鹿みたいに騒いでるんだぜ?」と言った。でもまあ楽しいし俺にあってる気が
するんだこの仕事、と彼が言ったので僕も心から同意した。「で、なんだっけ?
どっか行くんだって?」「うん、どこ行けばいいかな」それから長い時間電話で
話し合った。彼はいろいろと遊ぶ所を教えてくれたが、そのどれも僕が行った
ことのない場所だった。「でもなんとなくお前らはそーゆー風な遊ぶとこよりも
いわゆる『デートスポット』って感じのとこのがいい気がするな」と少ししたら
彼は言った。僕にはそれらの違いがよくわからなかったが、なんとなく彼の言う
通りのような気がした。「車もないもんなー。電車で行ける所かぁ・・・うーん
難しいな」どうやらノボル君にとっては逆にそっちの方が悩ましいようだった。
結局3ヵ所候補を挙げ、その中からユキに選んでもらうことにした。ずいぶんと
考えたが3つしか(どれもノボル君が考えたのだけれど)出なかった。何度も
お礼を言い、本当に助かったと言うと、「いやそんなのはいいんだけどさ、お前
写メ送ってくれるっての忘れてねー?ずっと待ってたんだけど」僕は忘れたわけ
ではなかったのだが、ユキに写真撮っていいかと言うのに気が引けたのでずっと
言えずにいた。「じゃあ今度遊びに行ったらその時撮って送るよ」「けっこう先
じゃん。まーいいや、それじゃーな」ありがとう、と最後にもう1度言って僕は
電話を切った。そしてベッドに寝転んでユキへのメールを打った。ふと電池の
残量が残り少なくなっているのに気付き充電器につなげた。そういえば最近よく
充電するようになったな、と僕は思った。ユキと付き合うまではずっとほかって
いて1週間に1回くらい電池が切れているのに気付くと充電していたのだけど、
その頃には2日に1回は充電して常に電池が切れないようにしていた。
二人で話し合った結果、水族館へ行くことになった。僕は小学生の時に1度だけ
水族館へ行ったことがあったが、その時の記憶はほとんどなかった。ほとんど
人生初と言っていいようなもので、それがユキと行くのだから、僕はその日が
近づくに連れて緊張してきた。だいたいデートだなんて何を話してどんな風に
振舞えばいいのか全然わからなかった。着ていく服も問題だった。寮へは自分の
持っているほぼ全ての服を持ってきていたのだが、それでもスーツケース一杯に
ならないほどだった。塾へも毎日同じような服装で行っていた。そういえば僕の
服装についてユキはどんな風に思っているんだろう、とその時初めて思った。
正直なところ服の良し悪しなんて全くわからなかったけど、どう好意的に見ても
僕の服装はオシャレだとは言えなかった。大型スーパーで3000円くらいで
売ってそうなズボンを2本と、これまた1000円くらいで買えそうなTシャツ
7枚をローテーションして夏を過ごした。
結局1枚シャツを買うことにした。木曜日はユキが塾の授業で会えない日だった
ので夕方から繁華街へ買い物に行った。親から毎月仕送りとして2万円もらって
いたのだが、昼飯しか使い道がなかったし、夏からは昼飯もユキに作ってきて
もらっていたのでその頃には2月分以上貯まっていた。僕は1万円だけ下ろして
財布に入れ、デパートの紳士服売り場へ行った。まったくどんなものにするのか
考えてなかったけど、店員に進められるままにちょっと品の良さそうな半袖の
シャツを買った。9000円くらいしてびっくりした。でも寮に帰って鏡の前で
そのいかにも清潔そうな薄いグリーンのシャツを着てみるとなんだか育ちのいい
青年のように見えて気分が良かった。似合っているかはよくわからなかったけど
いつも着ている服よりは100倍見栄えがした。とにかく僕は9000円出して
ポール・スミスというなんとなく聞いたことがあるような気のするブランドの服
と共にこれを着れば恥ずかしくはないだろう、という自信を買ったのだ。
デートの日は朝から良く晴れて、10月にしては暑過ぎるくらいに天気のいい日
だった。僕らは予備校のある駅で待ち合わせ、そこから電車に揺られて水族館へ
向かった。待っている間は早く会いたくて仕方がなかったのに、いざ顔を見ると
なんだか照れて妙に居心地が悪かった。ユキはもちろん僕以上に照れていて、朝
おはようと言ったきりずっと口を閉ざしていた。そんなユキの様子を見ていると
次第に僕は落ち着きを取り戻してきて、それにつれて体の奥深くからこみ上げて
くるような高揚感が心を満たした。水族館へ入る前に港の公園で弁当を食べ、
ちょっと海を見ながら散歩をした。あまり話はしなかったけど、僕らは並んで
歩きながら目が合っては微笑みあった。磯の香りを含んだ海風が時折強く吹いて
ユキのやわらかい髪をなびかせ、その細い一筋ひとすじに初秋の暖かな陽射しが
あたって輝いていた。その光景ははっとするほど美しく、僕はそのまま時間を
止めてずっと眺めていたいと思った。本当に夢のような1日だった。
ユキは小さい頃水族館が好きでよく連れて来てもらったけど最近はずっと来て
いなかった、と言ってはしゃいでいた。ひとつの水槽を何分もかけてじっくりと
覗いては僕に何か気付いたことを報告し、それについてふたりで少し話し合って
から次の水槽へと小走りに移っていった。彼女は水族館にいる生物ならほとんど
全てに興味があるようだった。イルカや熱帯魚だけでなく、カニやクラゲ、亀、
深海魚やどんな種類のものかよくわからない生物までとにかく全てを漏らさずに
回って観察した。僕は魚を見るフリをしながらそんな彼女の姿をずっと眺めて
いた。薄暗い館内で水槽の中からこぼれる青白い光に染まったユキの横顔を見て
いると、なんだか幻想の世界にいるように感じられた。そしてそんな幻影の中で
きらきらとした無邪気な輝きを湛えた彼女の瞳がひときわ眩しく見え、まるで
深海魚が餌をおびき寄せるためにちょうちんを灯すように、その輝きに僕は強く
惹きつけられた。ユキはそんな僕にかまうことなく水槽の住人たちとの会話を
楽しんでいた。
788 :
ワタナベ ◆ak1txl.bKk :2006/03/04(土) 10:56:57 ID:Vxtfq/8b0
今日はここまでしかありません。
明日も書き込めるはずなのでもっと先まで進めるようにがんばってみます。
受験シーズンになってからの方が話すことたくさんある気がするので早く
進めないとスレが終わっちゃいそうです・・・
789 :
大学への名無しさん:2006/03/04(土) 12:56:41 ID:dr7HXMeA0
お前これ日記にでも書き残して置いたのか?
ワタナベ!
次スレはちゃんと立ててやるから、スレの事は心配するな!
お前の文才は凄い!!
だから、焦らずお前とユキちゃんの出来事を詳しく書いてくれ!
焦って話を進めて内容が薄くなると意味ないぞ!
791 :
大学への名無し:2006/03/04(土) 18:41:46 ID:6JuI05g30
ワタナベさん面白いです、頑張ってください
ていうかこのスレにレミオのコスモスがぴったりだと思ったのは私だけっすか
792 :
大学への名無しさん:2006/03/04(土) 19:27:48 ID:aIm1c0cI0
>>791 絶対誰か言い出すと思い、それはとてもウザいだろうなと思ってたがすまないが言わせてもらう。
我慢ができなかった。ごめんなさい。
俺の中でテーマソングは音速ラインのナツメだ。
793 :
大学への名無しさん:2006/03/04(土) 23:52:40 ID:tDvpc30uO
保守
794 :
大学への名無しさん:2006/03/05(日) 00:59:35 ID:qygBYN/NO
断固保守
795 :
大学への名無しさん:2006/03/05(日) 01:50:11 ID:4uGWII9yO
みーとぅ
796 :
大学への名無しさん:2006/03/05(日) 04:20:45 ID:FVRKd/Fm0
hossyu
797 :
大学への名無しさん:
今3時間ぐらいかけてこのスレの一番始めカラ全部読んじゃったwワタナベやばいィィわw共感できる部分とか懐かしい部分が多くてたまんないっすねw俺昨日記念日だったのに忘れててさっき慌ててメール送っちゃいましたwワタナベさんマジ頑張ってねw