鳥取大学乾燥地研究センター
この緑の地球上で、乾燥地(蒸発散位に対する平均降雨量の比が0.65未満の土地)
は陸地全体の47%を占めています。そこでは毎年600万ヘクタールもの土地が
砂漠と化し、農地が減り続けています。主な原因は、自然の条件を無視した作物栽培
や家畜の生産にあります。一方世界人口は2030年には86億を越えると予想され、
人口増加に応じて安定した食糧を確保しなくてはなりません。従って、全世界をあげて
砂漠化問題に取り組む必要があります。
「砂漠化」とは、乾燥、半乾燥および乾燥半湿潤地域における種々の要素(気候変動
および人間活動を含む)に起因する土地の劣化、と定義されています(砂漠化防止条約、1994)
我が国には乾燥地が存在せず、砂漠化問題もありません。しかし、乾燥地研究センターは
世界の平和と持続的発展を願う立場から、日本における乾燥地研究の中核として砂漠化の
対処に取り組んでいます。1998年に日本国政府は砂漠化対処条約を批准し、センターの
果たす役割はますます重要になっています。
乾燥地研究センターは、文部科学省指定の全国共同利用施設として1990年に設立され
ました。その設置目的は、乾燥地における砂漠化防止及び開発利用に関する基礎的研究を行い、
この分野の研究に従事する国立大学法人教官等の利用に供することにあります。国内外の研究者・
研究機関との研究ネットワークの形成及びその拠点化を図り、国内・国際共同研究を推進すること
を任務とし、また、大学院生(修士課程・博士過程)、研究生、外国人研究者やJICA等からの
外国人受託研修員の研究指導も行っています。
このように乾燥地研究センターは人類の利益に貢献しようとする研究者に広く門を開き、乾燥地の
砂漠化対処と持続的発展に資する学術研究に寄与しています。
http://www.alrc.tottori-u.ac.jp/index.html