【小説問題への対策が必要な人(特に国公立文系志望者)】
・『大学受験のための小説講義』(石原千秋・ちくま新書)
…小説問題は現在、主にセンター試験・国公立文系二次試験(あと、女子大など)で出題されています。
入試の小説問題では普段われわれが趣味で小説を読むのとは少し違った読み方を要求されます。
入試での小説問題では、与えられた小説テクストを、研究対象として、
研究者(=出題者)の目で「分析」することが必要になるのです。
小説の典型的問題である「与えられている具体的描写から登場人物の心情を読み取る」
というような例に見られるように、小説問題は、
与えられたテクストを手がかりに文章に直接記述されてはいないことを言語化するという過程が必要になります。
その意味で、小説問題は評論問題以上の難しさを持っているのです。
それで、小説に有効な参考書としては何があるのかと言うと、実はほとんどないのが現状です。
今出ているほとんどの現代文の参考書は内容の大半を評論問題に使ってしまっていて、
小説問題はおまけ的な扱いにしかなっていません。
しかもその小説の解き方というのも、イマイチ歯切れが悪いものが多いのです。
そんな参考書の中で、大学入試小説を集中的に扱っており、内容的にも信頼できるものとしては、
この上で挙げた参考書くらいしかありません。
この参考書はテクスト分析が専門の研究者(=大学の先生=出題側)によって書かれており、
出題者がどういう目線から小説を見ているのかを知ることができ、ためになります。
内容的には高度で少し難しいかもしれませんが、この辺のことを読んで知っておくだけでもだいぶ参考になるはずです。
二次試験で小説問題が必要な人は、ぜひ目を通しておくことをお勧めします。
※
>>3-4 の本は「ちくま新書」ですので、本屋で探す場合は、参考書コーナーではなく
「新書」コーナーを探すようにしてください。