http://www.nikkei.co.jp/kansai/univ/26333-frame.html 【2005年5月2日】
求められる学力底上げ──高校レベル、補習も充実
大阪府寝屋川市の摂南大工学部。4月19日、2階の教室に集まった理工系の新入生11人に
配られたのは高校生が使う物理の教科書だった。
T=273+t
高瀬寿乃・非常勤講師はホワイトボードに書いた数式を学生がノートに書き写したことを確か
めると、解説を加えた。
●基礎の基礎から
「Tは絶対温度。単位はKで、ケルビンと読みます。tは普段使っている温度(セ氏度)。きょう
覚えてもらう1つ目の式です」
高校の授業でも、文学部や法学部の話でもない。この授業は、工学部学習支援センターが
今春入学した1年生(約520人)を対象に開いている「補習」の1つ。
「機械いじりが好きで将来は技術系の職に就きたい」と、電気電子工学科に入学した男子学
生(18)。しかし高校時代は物理が不得意で、数学と英語だけで受験できる推薦入試を受けた。
「物理を知らないと大学では何も学べないと思い、授業を受けた。基礎中の基礎から教えてく
れるので、これからも出席したい」と話した。
単位認定はなく、出席するかどうかも自由。しかし、エンジニア、科学者を志し専門分野を学
ぼうとするフレッシュマンの約2割が、物理を初歩から学ぶために足を運ぶ。
同センターは昨年から、物理と数学の補習をスタート。今年は情報処理を加え、月―金曜日
の夕方、専任教授1人を含む12人が授業を担当する。