【摂神追桃】関西のEランク私大7【佛経工電他】

このエントリーをはてなブックマークに追加
656大学への名無しさん
http://www.nikkei.co.jp/kansai/univ/21504-frame.html

【2004年8月16日】
学生の夏休み(3)変わり種インターン──巫女・農作業…自分探す

 夏休みといえば自分の将来を真剣に考え始める時期。普段の学生生活では味わえない
社会生活を体験してもらおうと、最近は様々なタイプの就業体験(インターンシップ)が登場
している。就職活動の一環としてではなく、多様な可能性をじっくりと模索する機会として注
目されつつある。

●境内は英語必須

 「何だか姿勢が良くなったみたい」。近畿大学農学部3年の岩田泰子さん(20)が巫女(みこ)
の袴(はかま)をまといながら笑った。奈良の春日大社は2年前の夏から、県内の大学に通う
女子大生を対象に2週間限定で巫女のインターンシップを実施している。

 参加者は朝8時半に集合。袴に着替えて本殿に拝礼をした後、境内の掃除や参拝客への
お守りの授与などに走り回る。「教師を目指している」という岩田さんが参加したのは、歴史遺
産を外から眺めるだけでなく、現場で働いて見聞を深めたいと思ったからだ。朝5時過ぎに起き、
大阪府内の自宅から2時間近い道のりも決して苦痛ではない。
657大学への名無しさん:04/08/17 10:14 ID:+4In+K2o
 奈良大学文学部3年の永木智恵さん(21)も参加者の1人。文化財学を専攻し、古墳で発掘
のアルバイトもする歴史好きだ。志望は日本の文化財に関する仕事だが、参加して痛感した
のは意外にも英語の大切さだった。海外からの観光客も多い春日大社では、おみくじのひき
方から拝礼の意味などを説明するのも巫女の大事な役目。「英会話を勉強し、日本文化の良
さを世界に発信できるようになりたい」との目標を持った。

 参加者が職業として巫女を選ぶケースは少ないが、「尊いものに対する心からの感謝の気
持ちは、社会に出てからも大きな財産になる」と神職の中野和正さん。「マニュアル的なもの
ではなく、内面のこもった感謝の言葉を言えるようになってほしい」と期待する。

 広大な自然のなかで学ぶ、農業法人でのインターンシップもある。「食育」や「グリーンツー
リズム」の流れを受け、受け入れ法人も増えている。

 中国山地の山々に囲まれた平田観光農園(広島県三次市)に8月上旬、大阪府在住の1人
の女子大生(20)が訪れた。大阪府立大学の農学部に在籍する3年生。植物に関する研究を
しているので農作業は初めてではないが「農家の生活を実地で体験してみたかった」。待って
いたのは、台風で雨よけのビニールがはがれ落ちていた収穫最盛期のブドウ畑。補修の仕事
から始めなければならず、自然と向き合いつつ生計を立てなければならない大変さを肌で感
じた。
658大学への名無しさん:04/08/17 10:15 ID:+4In+K2o
●NPOの指南役

 参加自体に意味を見いだす体験型のインターンシップとは別に、長い期間をかけて結果を
シビアに求めるものも多い。京都府の産官学で構成する財団法人、大学コンソーシアム京都
(京都市)は、半年をかけて1つのプロジェクトを成し遂げるインターンを実施。数あるコースの
中の1つに「NPO人材育成プロジェクト」がある。

 NPO(非営利組織)のインターンシップはすでに広く行われているが、このコースは単なる
仕事の体験にとどまらない。仕事を通してNPOの抱える問題を掘り当て、それを解決する手
立てを冊子などにしてまとめ上げようとするのだ。NPO支援の「きょうとNPOセンター」(京都
市)に、コンソーシアム京都が学生を派遣して6月からスタートした。

 「NPOを働く場として社会的に認知してもらうには」。京都市内のビルの一室。大学院生を
含む5人の学生が、現場経験や議論を通して築き上げたテーマに基づいて、問題の所在や
解決案をグループとして報告する。報告を受けた同センターの深尾昌峰事務局長からは、厳
しい「ダメ出し」やアドバイスが飛ぶ。

 グループリーダーを務める立命館大学政策科学部3年の可児卓馬さん(20)は「課題探しか
ら始めなければならないので、やりがいがある」と力を込める。

 もちろん最初は、何から初めたらよいか分からず戸惑うことも多かった。それでも「結果を出
すというプレッシャーもあるせいか、よくがんばっている」と深尾事務局長は満足げだ。12月に
完成する成果物の出来栄え次第では、同センターのNPO支援事業として正式に採用する可
能性もあるという。

 選考や内定を出す時期が早まっている分、学生は性急な就職戦線に身を任せがちだ。職を
得るためでなく、さまざまな可能性にトライできるインターンシップ。これも、貴重な夏休みを有
意義に過ごす1つの選択肢なのかもしれない。