ドラえもん〜のび太の官庁訪問〜

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96非公開@個人情報保護のため
「は?このくらいで逮捕される?やっぱこいつら厨房だよ!!」
1は自らが立てたスレッドでのカキコを眺めながらニヤニヤしていた。
少しセンセーショナルなスレッドを立てれば、自分が話題の中心になれる。
その恍惚感が忘れられず、1は毎日のように糞スレッドを立て続けた。
しかし…。

「1ちゃん、朝早くからごめんね…あのね…」1の母親が1の部屋をノックする。
「んだよ!うるせぇんだよ!」実社会では他人に文句の一つも言えない1だが、母親には強い。
しかしその後の母親のセリフは、1の眠気を吹き飛ばすのに十分な内容だった。
「あ、あのね、警察の人が1ちゃん、訪ねて来てるんだけど、何もしてないわよね?」
その母親の泣きそうな声を遮るように、野太い声がドアの向こうから1を射抜いた。
「1さん…ですね?裁判所から名誉毀損と威力業務妨害、公務執行妨害の疑いで、あなたに逮捕状が出ています。」
1は足下が不意にぐらつくのを覚えた。そしてドアを開けた。あまりの衝撃の強さに、1はドアを
開けた自覚も感覚も無かった。ドアの前には、5,6人の人間が立っていた。

「すべて、ログは取れています。時間、場所、アクセスポイント、すべて証拠はそろっています。」
あくまでジェントルに、しかし無慈悲な捜査員の声が高らかに響く。
呆然とした1は、夢ならば早く醒めて欲しい、そう心の中で叫び続けた。
「認めるんですね?」捜査員の声にビクッと反応した1は、こっくりとうなずく。
それを聞いた捜査員は、これまでとはうって変わったような低い口調で、同僚に告げる。
「6時2分、容疑者逮捕。おい鑑識、容疑者のパソコンの電源を入れろ。証拠写真を撮る。
…お母さん、とりあえず1さんに向こう3日分の下着を用意してあげてください。
署に連行して聴取しますので。」
母親は力が抜けたようにその場に崩れ落ちた。1が震えながら訴える。目は泪で潤んでいた。
「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!本当にそんなつもりはなかったんです!」
「君がそうだったとしても!!」突然大声になって捜査員が、1の蚊の鳴くような声を遮る。
「…君は刑事犯罪を犯してしまったんだよ。ネタじゃ済まない。もう、逃げられないよ。」

1に対する司法の制裁は、まだ始まったばかりだった。