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研究費不正使用に厳罰…文科省 応募停止 最長10年
公的な研究費の不正使用や、データ捏造などの不正行為を防止するため、
文部科学省は研究者に支給する補助金の規定を見直し、2013年度支給分
から、罰則を強化する方針を決めた。研究費を私的流用した悪質な研究者に
対しては、応募資格を現状の2倍の10年間停止する。新たに上司の監督責
任も問う。厚生労働省など公的研究費を扱う他の7府省も罰則基準をそろえ、
不正の根絶を図る。
◇上司にも「監督責任」
政府の公的な研究費は12年度予算で約4300億円あり、文科省分は約3
580億円を占める。うち約2570億円は科学研究費補助金(科研費)。こうし
た研究費は、研究者が獲得を競い合うため競争的資金と呼ばれる。
公的な研究費を巡っては、年度内に使い切れなかった分を、消耗品を購入
したことにして取引業者に預ける「預け金」などの不正がしばしば発覚し、文
科省は07年、管理・監査のガイドライン(指針)を策定。大学などに発注・納
品を確認するチェックシステムの強化などを求めた。
しかし、同省の調査では07〜11年度の5年間に、科研費だけで約300人
が不正を理由に応募資格を停止され、計3億円近くの返還を命じられた。11
年には大阪大でカラ出張などによる約4000万円の不正経理が発覚。12年
には北海道大で35人の教員による計約2億2300万円の「預け金」も見つ
かっていた。このため、文科省、厚労省、内閣府、総務省など8府省は昨年1
0月、研究費の不正に対して統一的なペナルティーを科すことを申し合わせ
た。
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334のつづき:2013/02/08(金) 12:57:58.87
今回の見直しでは、私的流用を行った場合は、停止期間を「10年」と、従来
の2倍に延長。別の研究に使うなど、私的流用以外の不正使用も、応募資格
停止の期間を「2〜4年」から「1〜5年」にする。「5年」のペナルティーは、
「社会への影響が大きく、悪質性が高い」と判断された場合に適用される。
新たに研究費を管理する上司の責任にも踏み込み、不正に直接関与して
いなくても、必要な注意義務を怠っていた上司は応募資格を最長で「2年」停
止する。
公的研究費で行った研究の不正行為の罰則も厳しくする。論文のデータ捏
造や盗用など、研究当初から不正行為を意図していた場合は、応募資格の
停止期間を「10年」とする。
研究者は公的な研究費を絶たれると、研究者生命の危機に陥る。文科省研
究振興局では「悪質な事案に上司も含め厳正に対処することで、不正への抑
制効果が高まるはず」としている。
(2013年2月8日3時20分 読売新聞)