【20msv要求】福島県庁 その26【佐藤雄平】

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219黒い雨
さらにもうひとつデータがあります。やはり東京の近くにある国立がん研究センターの病院からです。
これは病院のウェブサイトに事故の数日後から掲載されているデータです。
この報告書を見ると、事故から9日後の3月24日に計測された屋外の背景放射線量が、
屋内の背景放射線量の30倍に達しています[表を見ると実際は約36.6倍]。

ホットパーティクル(高放射能粒子)が土に降り、それによって線量が高まったため、
測定器が検知して屋内の30倍という数値を記録したのです。国立がん研究センターですから、
線量を測る方法は間違いなく心得ているはずです。ですから熟練した研究者によって計測されたデータです。

最後にもうひとつレポートをご紹介します。私は毎日、日本の著名な物理学者であるグレン佐治博士
[おそらく、佐治悦郎さんと思われる]からメールをもらいます。
佐治博士はかつて原子力安全委員会の事務局を務めていました。彼は2日前のメールでこう書いています。
汚染された稲わらが見つかった件についてです。

「汚染の原因は、事故後一週間の間に放射能の雲が通過したときに稲わらを屋外で保管していたためであり、
とくに『黒い雨』のせいであると考えます」

佐治博士が「黒い雨」という言葉を軽々しく使うとは思えません。事故後の日本に「黒い雨」が降ったのは明らかです。
つまり、博士が言うのは、高放射能の雲が日本の北半分の至る所にホットパーティクルを落とした、ということなのです。

日本人は臨機応変な国民です。そのことは、日曜日のワールドカップサッカーの勝利からもわかります。
しかし、日本人は自分たちが直面している問題の大きさに気づく必要があります。
そうでなければ適切に対処することはできません。

情報を制限するのではなく、放射性物質を制限することが重要です。

ありがとうございました。またお目にかかりましょう。