一昨夜の情報提供者から「これを書けるのは渡邉さんしかいないと思うので」と、待っていた電話が入った。
「原発の作業員と清掃員は全員身元不明のプータローです。仕込みは関西の広域暴力団で、
大阪の西成とかで多くを集め、足らなくなれば東京支部の連中に山谷、新宿周辺からも集めています。
もちろん、募集の窓口は孫受け、曾孫受けですが、現場で声をかけるのはチンピラもいます。
しかも、原発作業を隠して集めるんです」
といきなり衝撃の言葉を。
「原発に詳しい東電の社員は一人も居ないんですか?」
「昨日の渡邉先生のブログを拝見しましたが、東電の社員はいますが、近くの完全核シェルターとなっている
制御指令室のある建物にいて、そこから危険な現場の『あのパイプと部品にひびが入っているから取り替えろ』などの
指示は脱しているんです。キケンなところには絶対に行きませんよ」
「東電の連中は被爆するって知ってるからだね」
「そうです。卑劣なのは作業員や清掃員には防護服を着せていながら、それを教えないで送り込んでいるんです。
彼らも働いていて被爆を感じても、これまで事故も起きていないし、
死んだ人がいるとも聞かされていないから安心だろうと指図通りに仕事をしているんです」
「待ってください。防護服を着ていても長時間作業はできないって聞いていますよ?」
「防護服は完璧じゃないんです。防護服を着ていても10分か15分しか居られないんです。
キケンを知らせる胸ブザーが鳴りますから。でもそれじゃ部品の取替えや修理なんかできないんですよ。
ですから彼らはブザーを取り外して作業するんです」
驚いた話である。続きを聞きたいが先に訊ねた。
「重大なこと訊ねますが、作業員や清掃員を送り込む暴力団の窓口は東電幹部が直接ではないでしょ?」
「当然です。東電の大幹部や中堅幹部が暴力団と会っているところを見られたら大変なことに・・・」
「そうなると一般人の様相をした暴力団関係者や元総会屋、右翼かを仲立ちに?」
「そうです。ある人物とだけ申し上げておきます。これ以上は・・」
電話を切ろうする相手を急いで引き止めた。
「判りました。話せるときがきましたら教えてください。話を戻しますが、常時、
しかも24時間15分単位で交代で作業する労務者となると相当な人数に・・労務賃や集める資金も莫大なものに・・・」
「東電だけで年間数百億円、全電力会社だと数千億円だと思いますよ・・」
「それで電力会社はマスコミにCMをふんだんに流し、スキャンダルを押さえ込む・・暴力団にとって濡れ手に粟、
半永久的に莫大なカネが集る?」
「そういうことです。怖ろしい世の中です」
「また話が飛びますが、そうなるとこれまで相当数の被爆者が出ているはずです。それが漏れて来ないのは?」
「そこです。被爆で死んだものも相当いますよ。ですが、作業員や清掃員は親や兄弟たちとも連絡を取らないものばかりを
集めていますが、タコ部屋で24時間暴力団に監視されており、携帯も取り上げています」
「彼らは辞めることはできるんですか?」
「もちろん。ですが、辞めても機密保持が付いて回りますし、厳しい監視は続くんです。作業員が辞めて地元や元の街に
帰っても、その地元の組織に監視させればいいんですから・・・もちろん、言葉で脅しもしますよ」
「怖ろしいね」
「考えてもみてください。これまで原発の作業員たちがマスコミに登場したことがありますか?まったくないと言っていいでしょ。
先日、どこかのテレビで顔を隠した男が出ていましたが、あれは本当かどうか。
本物だとしてもほとんど何も喋っていなかったでしょ。口にしたら終わりなのを知ってるからですよ。
もちろんテレビも喋ったことがあってもあれ以上は報道できないですが。アハハ」
「う〜ん。ヤクザが脅す?マスコミは広告料で押さえられている?」
「そうですよ。ヤクザはそれを条件で受けているんですから。もちろん、漏れたからって暴力団との契約は打ち切れませんね。
彼らに企業の生命線を握られてしまっていますから、半永久的にカネを毟り取れるし、電力会社は取られ続けるってことです」
「その分、一般家庭のでき料金に跳ね返ってくる?」
「当然です。電気メーターは完全だと強調して、抗議なんか受け付けませんが、そんなもの完全じゃありません。
操作できますよ。一般家庭のメーターを100円狂わせてもべらぼうな金額が一挙に集るんですから」
「それも聞き逃せないですが、また話を戻させてください。原発ができて48年ですか・・その間、何万人もの人が作業員、
清掃員で送り込まれていたってことになりますね。告発者がそれでも出ない?」
「そうです。何万人も死んでますよ。約50年間でしょ。全国の原発は55です。全部は活動していませんが・・作業員や
清掃員は一ヶ所数人じゃないですよ、一日数百人から1000人以上送り込まれるんです。単純計算でも・・・。
渡邉先生、年間自殺者が3万人の時代ですよ。死因解剖しないで死亡原因が不明で葬られている人が
年間13万人とか言われている時代に、どこで誰がどういう病気で死んだか、殺されたか判らないってことですよ。
どこで誰が死のうと感心を持つ人は少ないですよ」
「怖いね・・それでも告発者が出ない・・・」
「いえ、出ることを恐れているから電力会社のテレビや新聞、雑誌の広告出向がべらぼうに多いんです。
私が先生に電話したのもそこです。あなたがブログで『東京電力はなぜ年間数百億円ものテレビCMや新聞、
雑誌広告を打つ必要があるのか。おかしいじゃないか』書かれたからです」
「確かに。私個人で実におかしい料金が合ったんで。こんな事故から考えたら情けないんですが、許せないことがありましたから」
「個人的なことでも過去にそんなことを書いたジャーナリストは一人も居ませんよ。
もちろん、これまでの渡邉先生のブログも読んでいましたし、暴力団も怖がって近づかなかった
殺人集団のオウム真理教の上佑史浩の身元引受人になったことも知っていましたから。
あの時は私たちの間でも『渡邉って男はよくあんなとこに入ってる』とか『オウムの黒幕は渡邊正次郎じゃないか』なんて
話まで出ていたんですから。アハハ、失礼しました。
もちろん、暴走族の関東連合を結成させて初代最高顧問だったのも知っていましたから、
この人なら私の言うことを取り上げてくれると思って電話したんです」
「ありがとう。関東連合の連中で暴力団の親分や大幹部になっているのもいますが、彼らもこれを知っている可能性は?」
「そこは私にはわかりません。ですが、電力、ガスは人間の命の綱です。宣伝広告を打たなくても売り上げに関係ないんです。
それを年に数百億円もマスコミに広告を打つってのは、作業員らの告発をヤクザに任せておくだけでは不安で、
メディアに取り上げさせないためですよ」
「確かに取り上げないですね。オウムのとき、テレビは私を生番組に出演させると何を言い出すか怖いって言いましたから・・
それよりあなたは東電の関係者ですか?それとも裏社会・・・」
「それ以上は聞かないでください。私もここまで話すのも命がけなんです・・・」
「・・申し訳けありません。私が耳にしている原発の作業や清掃を請け負うシステムについてですが、
元請け、下請けがあって孫請けの下にひ孫請けまであるとか・・・」
「そうですがその元請けに発注するのがいるんですよ。東電や全国の電力会社の窓口になるのが。
昔総会屋でヤクザでもないが総会屋当時から暴力団と深い繋がりを持つ人物。そこが元請けに発注するんです。
ええ、もちろん、元請けは広域暴力団の大幹部です。エッ?跡目を取っていませんが大幹部です。
これ以上は勘弁してください」
電話の主はそこで言葉を切った。
最初の電話から会話にノイズが入るところから推測すると、盗聴を恐れ公衆電話からの告発のようだ。
「もう少し。それなら暴力団から請ける下請けも孫請けもひ孫請けも暴力団関係ですか?」
「下請け孫請けは純然たるフロントです。ひ孫請けもフロントのフロントですよ。
カタギの人がそんな仕事を請けるはずがないでしょ。何の保証もなく、放射能に被爆する可能性が100%ある仕事ですよ。
しかも周辺や下請け、孫受けに怖いのがうろついていて、もしかしたら自分が殺されるんじゃないかって」
「先日、現場作業員を送り込んでいるという業者の社長とかいう男がテレビで『大変心配してます』って・・」
「それは私も見ました。彼らは危険区域を知ってますから絶対に行きませんし、近づきません。
内部であったことは報告を受けるだけです。心配なんかしてませんよ。もちろん保証もしません。
それをしたら儲けが吹っ飛びます。使えなくなったら捨てる。取替え作業員は上部組織が送り込んできますから」
「何をどう質問していいか私の想像を超える話で・・」
「私も話が飛びますが、渡邉先生、原発は想像もできない複雑な構造なんです。
数千本ものパイプとポンプと電気の配線があります。それらは数年に一度は取り替えなければならないんです。
取替え前に破損もします、腐食もします、小さな地震でヒビが入ってしまう部分もあります。
それらを作業員が制御室からの指令で“決められた時間まで”に補修したり、取替えなければ大事故を引き起こすわけです。
これまで大事故を防ぐために数十年に渡って多くの作業員が放射能を浴びて死んで行ってるのが現実なんです」
「東電も全国の原発を持つ電力会社は罪もない人間を犠牲にして儲けていると・・」
「ハハ。罪のない人ばかりでなく前科を持つ者も大勢いますよ。だって彼らは刑務所を出ても普通の社会人にはなれないでしょ。
生きていくのに金は必要です。働くところがなければある意味、死を覚悟して働いているんです。
ですからヤクザを恐れることもありますが、自分の前科を知られることにもなりますからテレビや雑誌に顔を出したくないんです。
使う方としては使い捨てカイロのようなもんで便利ですから・・東電は人間の血を吸う企業なんです」
「・・・う〜ん。しつこくてすみませんが、もう一度話を戻させてください。これまで原発で働いた、
働かされた人たちは自民党や役所に一度も告発したことがないんですかね。あなたはその情報を知りませんか?」
<ここで、この情報提供者の昨日の言葉に注意してください。私が「(暴力団は)跡目を継いでいるとこですか?」と
質問したのに、「跡目を取っていない大幹部」と答えた部分です。これは大きな組織に属しながら、
跡目を継がなくてもカネは腐るほどあり、次の跡目に莫大な上納金を出せる大幹部ということです。>
「前にも申し上げましたが、国会議員にも関係役所にも告発はあったんです。数限りなく。
ですが、それをすべて握り潰したのは自民党と社会党、民社党です。ですからもう誰も告発しなくなったんです」
「うん?」
「先生!この先は先生の領分ですよ。これまでの自民党をカネで支えたのは日本経団連です。
社会党や社民党、今の民主党政権を支えているのは労組ですよ」
「確かに。そうです。これまで経団連のトップは東京電力の会長が何度も・・。
関西経済界は関西電力のトップが多かったし、九州電力も四国電力もそうでした。
社会党、民主党を支持した労働組合も電力会社の組合が圧倒的にリードしていました。
電力会社の組合がベースアップに話がついたと発表すると、他の民間企業も右へ倣えだったですね。
私も秘書当時、就職を頼まれると「組合運動はするな」を条件に東電やNTTに無条件で入れさせていましたから。
これは・・・戦後の日本の暗部としか・・・私もまだ甘いとしか」
「それは止むを得んですよ。その時代は疑う余地もなかったのですから。電力は国家、正しいというイメージがありましたから」
「貴方の電話で反省しています。大変なことを・・となると、電力会社やガス会社は公共事業ですから政治献金はできない。
それを経団連の会長になった東電の会長が他の企業に割り当てる・・ってことは、あなたの会社の電気使用料は大幅に下げる・・
その不足分を電気料金値上げして一般国民から強制的に徴収して穴埋めができる・・払わなければ止める?」
「そうです。見事な仕組みです。常に政治家と闇社会がマジメな国民の血を吸っているんです。
先生、話は変わりますが、ご存知かどうか、大手だけでなくゼネコンの重役連中の自宅や東京電力の大幹部の自宅を調べたことがあります?」
「電力会社の社長や会長の自宅はありませんが、ゼネコンの社長、副社長の自宅を訪ねたことが・・・
選挙の票を頼むので二つのゼネコンの重役・・渋谷の上原と神宮前で二人とも超高級住宅街の大邸宅・・・」
「でしょ?電力会社のサラリーマン社長や副社長も高級住宅街の大邸宅ですよ。
取り締まり役や総務担当の部長クラスでも、億ションに住んでいますよ。電気料なしで」
「なんですって!彼らは電気料金を払ってない?」
「どう考えてもおかしいでしょ?大邸宅や億ションだと月に10万円近い電気代がかかります。
日本の国民もおかしいと思わないんですよね。もちろん知らないんですが。許せますか!」
「政治と闇社会の癒着以外にないですな。私の秘書をしていた迫水久常議員はゼネコンとの付き合いはありませんでしたが、
彼らをバックに当選してきた議員は、公共事業に口利きをして必ず3%とか5%のマージンを要求しているのは耳にしていました・・
もうひとつお聞きしたいんですが、東電も関西電力もいまでも暴力団をバックにした昔の総会屋にカネを出していますね」
「そうです。書店にも並ばない数百部の雑誌でも発行していれば、文句なく、文句なく一頁広告ですよ。最低50万円でしょ。
毎月50万円ですよ。少しうるさいとこには年間数千万円単位です。」
602 :
非公開@個人情報保護のため:2011/03/30(水) 11:24:31.05
「それが一誌二誌じゃない?明らかに犯罪です。警察は商法改正で総会屋を締め出したのに取り締まらない?」
「電力もガスも天下りを引き受けているからですよ。それと時の政権からの圧力でこの二つは見逃されているんです」
「やはりか・・。もうひとつ、原発の作業員発注の窓口になっている元総会屋は一つじゃないですね」
「本当は一つにしたいんでしょうが、その人間が死んだら続きませんから安全装置で幾つかに分けているはずです」
「国民から徴収した金をいまも闇社会に垂れ流し、大幹部も優雅な生活をしている?」
「それは間違いないです。先生、東電や関西電力、九州電力の社長、会長になるのもなったのも全員、
若い時代に総会屋や右翼、ヤクザを担当して、カネで彼らの口を塞いでいた総務部出身ですよ。
なぜか分かるでしょ?手が切れるはずがないじゃないですか。電話はこれで終えますが、
この事故をきっかけにどのマスコミが東電の闇を暴くか注目していてください。
普通なら書くであろう雑誌が書かなかったり、テレビでも報道されないなら東電と癒着以外にありません」
「もっとお聞きしたいことが・・・」
「一段落したら・・一段落はしませんが落ち着いたら必ず電話します。それは約束しますので・・失礼します。
あ、必ずブログで配信してくださいよ」
注・突然掛かってきた電話で、東京電力と闇社会の切っても切れない怖ろしい関係が少しだけ見えてきた。
今後も各方面の取材を進め、暗部を暴きださねばなるまい。