http://www.kahoku.co.jp/news/2008/11/20081113t23031.htm 河北新報 2008年11月13日木曜日
リンゴ登録ミス隠ぺい 農水部長を事実上更迭
青森県が開発したリンゴなど農産物5種の品種登録が登録料の納付漏れで取り消された問題で、
三村申吾知事は12日、記者会見し、総務部による特別監察の結果を公表した。
農林水産政策課の担当女性職員が納付を怠った上、納付を装った虚偽の文書でミスを隠ぺいしていた。
知事は管理体制に不備があったとして、関係職員を懲戒処分にしたことも明らかにした。
懲戒処分は12日付。担当職員を停職6カ月にしたのをはじめ、農林水産部の鳴海勇蔵部長ら3人を減給10分の1(1カ月)、
同課課長代理ら3人を戒告とした。13日付で鳴海部長を佐藤和雄中南地域県民局長と交代させる事実上の更迭人事も発表した。
県の特別監察によると、担当職員は農林水産省から催促の電話も受けていながら、
納付期限だった今年4月17日までに、登録料に当たる収入印紙3万円分の納付を怠った。
その後、知事印を不正に使用して印紙を添付した「納付書」を作成し、6月下旬になって同省に郵送。
しかし、期限が切れていたため、送り返された。印紙は所在不明のままになっている。
担当職員は期限切れに気付いた上司には「既に納付した」とうそをつき、「納付書」のコピーもあったため、不正の発覚が遅れた。
県農林水産部の調査などに対しても「4月に発送した」などと虚偽の証言をした。
担当職員の不正な事務処理が公文書偽造などに当たるかどうかでは、県総務部の海老原諭部長は「該当しない」と説明。
担当職員は監察結果について「自分の記憶とは違うが、客観的に判断されたのならば構わない」と話しているという。
特別監察では、課内の品種登録にかかわる情報の共有が徹底されていなかった実態も要因の一つに挙げられた。
三村知事は「県民にあらためて深くおわびする」と陳謝した上で、「県庁全体の問題としてとらえ、
県民の信頼回復に全力で取り組むことが知事としての責務と考える」と語った。