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【事故米不正転売】有識者会議で「厚労省の責任論」 省側は反発 2008.11.24 22:27
事故米をめぐる不正転売問題の原因検証を進めている第三者委員会「有識者会議」(座長・但木敬一
前検事総長)で、事故米が食用に流通したことについて、食品衛生法(食衛法)を所管する厚生労働省の
責任を問う声が高まっている。もともと農林水産省の責任を検証してきた同会議だが、最近になって委員
から「厚労省も不正がないかよく確認すべきだった」という意見が噴出。これに対して厚労省側が反発し
ている。会議は今週、第1次調査報告書をまとめるが、厚労省の責任を盛り込むか注目される。
「厚労省の認識が甘い。『責任がある』とはっきり言う必要がある」
今月20日の有識者会議。報告書案の審議中に、委員の1人がこう主張した。
厚労省は平成19年の輸入検疫で、残留農薬アセタミプリドが基準値を超えた事故米を発見。輸入元の
農水省は食用としての購入を中止したため、事故米は非食用として米加工販売会社「三笠フーズ」(大阪
市)に販売されたが、その後、食用として不正転売された。委員はこうした経緯から「厚労省も食用に転売
されていないか、よく確認すべきだった」と指摘した。
これをきっかけに、委員らが厚労省の責任論を議論すると、会議に出席していた同省幹部が猛然と反論
を始めた。
「非食用とされた時点で食衛法の適用外。当時、そこまで考えるのは無理」
厚労省側は「非食用として販売されたことを書類で確認しており、三笠への食衛法に基づく立ち入り調査
などはできなかった」という“持論”を展開。しかし、委員からは責任を問う厳しい意見が相次いだ。
報告書に責任を明記するかはその場で結論は出ず、但木座長に一任されたが、たとえ責任論が盛り込
まれても、厚労省幹部は「会議は厚労省側の責任論や処分を前提にした場ではない」と、処分などは受け
入れない構えだ。職員の処分も含めて、報告書を全面的に受け入れる方針の農水省とは、態度に大きな
差がある。
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