http://www.asahi.com/national/update/1113/TKY200711130449.html 政務調査費で差額の返還命令 仙台地裁 「研究費は実費」
2007年11月13日22時04分
03年4月の宮城県議会の政務調査費の一部に違法な支出があるとして、仙台市民オンブズマンが県知事を相手取り、対象会派に違法分を返還させるよう求めた訴訟の判決が13日、仙台地裁であった。
潮見直之裁判長は、視察などの交通費名目で支給される調査研究費について、「原則として実費相当額とするべきだ」と指摘。
6会派に支出された調査研究費約800万円のうち、交通実費相当分を差し引いた665万1390円を返還させるよう命じた。
全国市民オンブズマン連絡会議事務局長の新海聡弁護士によると、政務調査費について、これまでも使途が不適正だった分の返還を命じた判決はあったが、実際に使った額でなければならない、という判断をしたのは初めてだという。
宮城県議会では議員1人当たり月35万円の政務調査費が会派ごとに支給されるが、03年当時は領収書の添付義務はなかった。
調査研究費は04年に改正されるまで、「1日50キロ未満の移動は1万800円」などと、本会議出席などの際の交通費の基準を定めた報酬条例を準用し、自主ルールを会派ごとに定めて請求していた。
訴訟でオンブズ側は、県議選が行われた03年4月、共産党などを除く6会派に交付された調査研究費約800万円を取り上げ、知事に実費と交付額との差額分を返還請求するよう求めた。
知事側は「交付額は(当時の)報酬等条例に基づき算出しており違法ではない」と反論していた。