「公務員不祥事」特集

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<紛失>印鑑登録原票6人分岡崎市庁舎の引っ越しで
12月21日2時36分配信 毎日新聞


愛知県岡崎市が今年7月に供用開始した市役所新庁舎への引っ越し作業に伴い、印鑑登録した市民の氏名や印影などを記録した「印鑑登録原票」6人分を紛失していたことが20日、分かった。
市は県警岡崎署に遺失届けを出すとともに6人に謝罪したが、紛失を公表していなかった。

原票は、印鑑登録の原本で、縦4.2センチ、横16.5センチ。
氏名や住所、生年月日、登録年月日、印影などが記録され、耐火式金庫で保管していた。
実際には原票をコンピューター処理して運用しているが、印影がかすれた時などに必要となる。

紛失したのは40歳代〜70歳代の男女の原票。
7月17日の新庁舎供用開始を前にした同5日午前10時半ごろ、
約22万2000人分の印鑑登録原票をダンボール23箱に詰め分け、そのうち6箱を職員2人が台車に乗せて新庁舎に運ぼうとした時、台車が道路の段差につまづき、約1万枚の登録原票が入った1箱が路上に転落。
封が外れ、入っていた原票10数枚が風に舞い上がった。

名古屋地方気象台によると、5日午前10時半ごろは強風波浪注意報が出され、約7メートルの風が観測されていた。
市民課職員約40人が総出で回収にあたったが、約1万人分の原票と記録を付き合わせたところ、午後11時ごろ、6人分の原票が足りないと判明。岡崎署に届け出た。

2人分は転出などで失効していたが、他の4人には同市市民課長らが謝罪したほか、印鑑登録を廃止して、新たに登録してもらったという。
紛失について、
市民文化部の市川美子部長は「紛失した人に対し、打てる策はすべて取ったつもりだったので発表しなかった。大切な個人情報なので、職員自らの手で搬入作業を行ったが、扱いについて注意が足りなかった」と話している。
一方、紛失の知らせを受けた40代の女性は「きちんと管理されていなかったことが信じられず、なぜ報道されないのか不思議に思った」と話している。