全国の国立大 資産算定ミス700億円
昨年4月に発足した国立大学法人89校の2004年度決算で、ほとんどの大学が資産の評価を
誤り、各校のミスの総額は約700億円に上ることが、会計検査院の指摘を受けた文部科学省の
調査で1日、分かった。校舎などの資産価値を過大、過小に算定していたケースが目立った。
独立法人化された国立大の資本金は、国から引き継いだ資産の評価額から借入金を差し引いた額
を計上。各校が資産を算定し直した結果、89校の資本金は総額で約176億円増加した。04年
度が法人化後初の決算で、経理に不慣れだったのが原因とみられる。
検査院が調査した東大や京大など比較的規模の大きな42校のうちでも、資産評価の誤りは計約
400億円に上った。
評価ミスで多かったのは、法人化直前に新築や増改築した建物などの資産価値の計上漏れ。新築
などにかかわった担当者が経理担当者に連絡しないなどの単純ミスが原因。宮崎大では増築に伴い
設置したエレベーターを資産に計上していなかったほか、金沢大は校舎の改修工事に見合う資産価
値の増加を算定していなかった。年月の経過に伴い建物などの価値が目減りする分を資産の評価額
から差し引く減価償却の算定ミスも多かった。
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20051002/mng_____sya_____001.shtml